エアレーションとは
芝生のエアレーションとは、芝生の根の更新作業です。具体的な手入れ方法は、地面に穴をあけるシンプルなものです。「庭の芝生の成育が落ち込んでいる」「なんとなく芝生に元気がない」「水やりや芝刈りなど基本的な手入れをしているのに成長が遅い」といった問題は根に原因を抱えていることも多く、エアレーションで解決する場合があります。
効果①硬い土をほぐす
土は、人が通って踏み固められたり、芝生の根が密生したりして、年を追うごとに硬くしまっていきます。硬くなった土は、芝生の根が伸びにくくなり、成長速度を落とす原因の一つです。エアレーションは硬くなった土をやわらかくし、芝生の根が伸びやすい環境を整えます。
ボタニ子
効果②通水性があがる
芝生にエアレーションし、一定の間隔で穴が開くと、通水性が上がります。芝生が密生している地面に物理的な穴が開くことで、水が地面の中まで均一に浸透し、芝生の根にいきわたります。定期的に水やりをしているにもかかわらず、芝生の水切れが起こりやすかったり、枯れが目立ったりするときにエアレーションは効果的です。
効果③芝生の根に刺激を与える
観葉植物などを植え替える際に「根切り」と呼ばれる作業があります。古くなり、成長が落ち込んだ根を切り落とすことで株に刺激を与え、新しい根の伸長を促す作業です。エアレーションにも「根切り」同様の効果があります。土の中で古くなった根の一部をエアレーションで切り落とすことで、芝生に刺激を与えます。
エアレーションの時期
エアレーションする基本的な時期は春(4月~6月)と秋(9月~10月)の2回です。芝生の成長が活発になりだす前の春にエアレーションし、夏の間たっぷり成長させ、冬の休眠前にあたる秋にもう一度エアレーションをします。ただし、芝生の種類によってエアレーションの時期はわずかに異なります。
ボタニ子
芝生の管理上級者になると、芝生の状態を見極めながらエアレーションの頻度を増やす人もいます。最低年2回と覚えておきましょう。
暖地型芝生の時期
関東以西で一般的な芝生の品種は、高麗芝や姫高麗芝、野芝など暖地型芝生と呼ばれるものです。暖地型芝生のエアレーションは、地温が15℃以上が目安です。低温になる冬は休眠するためエアレーションはしません。また、地温15℃以上であっても、高温によるダメージを避けるため、夏は避けるのが基本です。したがって、暖地型芝生のエアレーション適期は春(3月下旬~6月)と秋(9月)です。
ボタ爺
春と秋の年2回が基本じゃが、とくに4月ごろにするエアレーションは高い効果を発揮するぞ。
寒冷地型芝生の時期
寒冷地型芝は、ベントグラスやケンタッキーブルーグラスが有名な種類です。関東以北に多く、耐寒性が高いため冬でも青いままです。そのため、地温5℃以上になればエアレーション可能です。また、寒冷地型芝は夏の暑さには非常に弱く、気温22℃以上が続くと夏枯れを起こすことから、夏のエアレーションは避けましょう。ただし北海道のような寒冷地では、夏でもエアレーション可能です。
芝生のエアレーション方法は2種類
芝生に穴をあけるエアレーションには、大きく2種類あります。手軽で簡単にできるのは「穴をあけるだけ(スパイキング)」の方法です。一方、「芝と土を抜き取る(コアエアレーション)」方法は労力や手間がかかりますがより美しい芝生に仕上がります。
種類①スパイキング
スパイキングはコアエアレーションに比べて手軽で、忙しく手入れに時間をとれない人や芝生の管理初心者におすすめの方法です。芝生に穴をあけるスパイキングだけでも、芝生の根の伸長促進に十分効果を発揮します。エアレーションとはどのようなものかイメージがわかない人は、まずはエアレーション入門編としてスパイキングに挑戦し、方法や効果を実感してみるとよいかもしれません。
ボタ爺
スパイキングは手軽にできるから、1~2カ月に1回のペースでこまめにエアレーションしたいときにもおすすめじゃ。
種類②コアエアレーション(パンチング)
穴をあけるだけのスパイキングに対して、中が空洞になった刃物を使って穴をあけながら芝と土を抜き取る作業をコアエアレーションやパンチングと呼びます。地面に大きめの空洞ができるため、エアレーション後は目土を充填する作業が必要です。スパイキングに比べて大変労力がかかりますが、発根作用も強く、庭に広がる美しい芝を目指す人には欠かせない手入れの一つです。
ボタニ子
春はコアエアレーション、秋はスパイキングとわけてもいいですね。
畑の土を耕すような効果が、エアレーションにはあるんですね。