芝生は水やり次第で美しくなる
一面に青々と広がる芝生は、庭づくりに挑戦している人であれば憧れる存在かもしれません。芝生を美しく育て、保つためにはいくつかの手入れが必要です。手入れの中には、地道で時間を要するものもありますが、手入れをすればするほど芝生は美しくなります。
ボタニ子
芝生の手入れのスケジュール
芝生に水やりは必要?
芝生の手入れのなかでも、特に重要な手入れが水やりです。芝生は水切れを起こしやすく、水切れになるとみるみる葉はやせ細り、茶色く変色し、あっという間に枯れてしまいます。また、水はけの悪い場所では根腐れを起こしやすい一面ももっており、水やりの頻度や回数の見極めは非常に重要です。
水切れのサイン
- 葉先が丸まってきている
- 葉が痩せてハリガネのように細くなってきている
ボタニ子
確かに芝生の水やりのやり方は重要そうです。ほかの植物にやるようなやり方ではダメなんでしょうか。
ボタ爺
まずは基本的な芝生の水やりのやり方からチェックじゃ!
芝生への水やりの方法
芝生の水やりは、春~秋まで必要です。季節によって頻度や回数は異なりますが、水やりをするタイミングや時間帯、水の量には共通するポイントがあります。
水やりのやり方①タイミング
芝生に水やりをする基本の時間帯は「朝」です。春、秋などは日中の気温が高くならないため、午前中のうちに水やりを済ませば問題ありません。しかし、夏場はあっという間に気温が上がり、水がお湯のようになるため、早朝の涼しい時間に水やりしましょう。
なぜ涼しい時間に水やりをするの?
水が夏場の高温にさらされると、お湯のようになり、根にストレスを与えるからです。水切れを起こさないように与えた水が、タイミングを誤ったせいでお湯のように熱くなると、芝生を枯らす原因となります。
水やりのやり方②水の量
芝生の水やりのやり方で重要なポイントが「たっぷりの量を与える」ことです。「こんなに水をやって大丈夫かな?」と感じるくらいたっぷりと与えます。芝生が植わっている土が水を吸いきれず、表面に水がうっすらと溜まるくらいまで与えると、根が長く伸び、健康な芝生に育ちます。
ボタ爺
あふれるほど水を与えなければならない一方で、水はけが悪いと根腐れを起こすのが芝生なんじゃ。芝生を植える際は土づくりが重要じゃ!
ボタニ子
広範囲の芝生にたっぷりと水やりするのは時間がかかります。忙しい人でも水やりが簡単にできるアイテムがありますよ。
水やりにおすすめのアイテム①首振りスプリンクラー
首振りスプリンクラー
参考価格: 2,800円
「首振りスプリンクラー」の特徴は長方形の範囲に水やりできることです。通常の円型に散水するスプリンクラーでは芝生の四隅に水が届かない場合がありますが、長方形に散水できるタイプを使用するとムラなく水やりができます。
おすすめ度 | ★★★★☆ |
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散水可能範囲 | 縦約11.5×横約15m |
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サイズ | 幅500×高さ155×奥行き850mm |
水やりにおすすめのアイテム②散水タイマー
散水タイマースタンダード
参考価格: 3,393円
「散水タイマースタンダード」は、水道栓につけるだけで設定した時間に水やりをおこなえます。設定した時間以外にも、「今すぐ水やりしたい」といったときにもボタン一つで簡単に操作できます。一個持っていると庭の管理が楽になる便利アイテムです。
おすすめ度 | ★★★☆☆ |
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水やりの間隔(時間) | 4、6、8、12時間 |
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水やりの間隔(日数) | 1~7日 |
ボタ爺
基本の水やりのやり方をチェックした後は、時期ごとの頻度や回数を詳しく見ていくぞ。
春(3~5月)の芝生の水やり
春は、冬越しした芝生がいきいきと成長するために重要な時期です。庭に張る芝で人気の高麗芝が休眠から開ける期間は、3月中旬~下旬ごろです。芽吹きが始まったら手入れを始めましょう。
水やりの回数と頻度の目安
休眠から目覚めてすぐの3月~4月上旬は、頻繁な水やりは必要ありません。晴れの日が1週間ほど続いたようなときはたっぷりと水やりをしましょう。気温が徐々に上がるゴールデンウィークに差し掛かり、土が乾燥しだしたときは頻度を上げます。水やりは午前中に済まし、水やり回数は1日1回を目安にしましょう。
夏(6~8月)の芝生の水やり
夏は、庭作業が忙しくなる時期ですが、芝生も例外ではありません。芝生の隙間から出てくる雑草を取り、ぐんぐん伸びる芝生を定期的に刈り取る作業が必要です。一年の中でも夏はとくに水やりが必要な時期といえます。暑さに負けない丈夫な芝生を育てましょう。
水やりの回数と頻度の目安
夏場は、雨や台風の日以外は毎日水やりします。7月下旬~8月下旬までの真夏の期間は暑さとの戦いです。気温が上がりきらない早朝にたっぷりと水やりしましょう。真夏日が続くときは、水やりの回数を増やし、気温が下がりだす夕方にもう一度水やりします。ただし、熱帯夜が予想され、夜も気温が高いような日は夕方の水やりはしません。
梅雨の期間はどうする?
雨がジトジトと降り続く梅雨の期間は、湿度との戦いです。梅雨時期は水やりの頻度を減らし、土の乾燥を見極めましょう。芝生の中が蒸れないように、梅雨前に短く刈り込んでおきます。
秋(9~11月)の芝生の水やり
夏の水切れとの戦いが終わったら、秋の手入れを始めましょう。秋の手入れは基本的に春と同じです。庭の落ち葉は成育に影響するため取り除きます。
水やりの回数と頻度の目安
9月は残暑が厳しいときでもあるので、気温を見ながら1日1回午前中の水やりを続けます。9月も終わりに差し掛かり、涼しい日が増えてきたら、毎日水やりする必要はありません。回数と頻度を減らしていきましょう。芝生は気温が10℃を下回ると休眠期に入るため、寒冷地では10月中頃から休眠するケースもあります。茶色く枯れ始めたらその年の水やりはおしまいです。
冬(12~2月)の芝生の水やり
冬場は、0℃以下でも枯れない耐寒性を持った寒冷地型芝以外はどの芝生も休眠するため、水やりは必要ありません。秋に取りそこなった落ち葉や雑草を取り除き、春の芽吹きに備えましょう。寒冷地型の西洋芝は乾燥に強い品種ではないため、晴れて極端に乾燥した日が続くようであれば、月に1~2回程度散水が必要です。
冬場にやっておく手入れ
冬場は、芝生の水やりが必要ない分、手入れに時間が作りやすい期間でもあります。寒冷地では根雪により雪腐病が発生することがあるため、根雪が始まる前に予防対策をしておくと安心です。また、冬の間に、施肥、目土の追加などを済ませておくと春の手入れ再開がスムーズです。
ボタ爺
水やりのやり方をチェックできたかの。最後は水やり以外でする日常の手入れを簡単に説明するぞ。
年間を通じて行う手入れの大まかなスケジュールを見てみましょう。