芝生の雑草
駆除するべき雑草のことを知ると、どの除草剤を使えばいいか判断でき、効果的に雑草対策ができます。雑草といっても、いろいろな種類がありますが、ここでは大きく分けてイネ科雑草と広葉雑草。夏雑草と秋冬雑草について解説していきます。
イネ科雑草
オヒシバやメヒシバ、スズメノカタビラなどの葉が細長く夏になると茎を伸ばして穂をつけるイネ科の雑草のことをいいます。見た目の特徴としては、薄く細長い葉や葉が幾重にも折り重なり株を形成していることがあげられます。抜き取りで除去が可能ですが、放置すると根を地中深くまで入れるため、抜き取りの際に土を多くもっていかれることがあります。イネ科の雑草には「シバキープⅡ粒剤」、「アージラン液剤」などの除草剤が効果的です。
広葉雑草
タンポポやアレチノギク、クローバー(シロツメクサ)などの葉の形が丸い、もしくはやや厚めで幅広の葉をもつ雑草のことをいいます。特にクローバーなどの雑草は、地下茎を伸ばしあらゆるところから出現するため、抜き取りでは根が残ってしまい完全な除去が困難です。広葉雑草の駆除については、クローバーなどの雑草には「MCPP液剤」、タンポポなどの大きな雑草には「ザイトロン」が効果的です。
夏型雑草
夏型雑草はスギナやメヒシバ、クローバーなど春から夏にかけて生育が旺盛になる雑草をいいます。ここで大事なことは、これらの雑草は春に雑草が土から芽を出し、夏に種を地面に落とすということです。春から芝以外の雑草が確認できれば、夏型雑草が多いと考えられるでしょう。夏型雑草のスギナやメヒシバでは、シバキープⅡ粒剤使えば駆除ができます。また、夏型雑草の発生対策として、「テュバサン」「アージラン液剤」を活用すれば、種子の発芽を抑制することができます。
秋冬型雑草
秋冬型雑草は、スズメノカタビラやアレチノギクなどの駆除対策がしにくい雑草が多いです。これらの多くは秋から出芽し、冬の間に養分を蓄えて春から夏にかけて一気に生長します。地下部に養分を溜めている分、発生後の成長力がとても強いです。秋冬型雑草は、秋の発生対策として「レンザー」を散布することがおすすめです。大きくなってしまうと、「MCPP液剤」の散布や「ラウンドアップマックスロード」などの非選択性除草剤のほうが有効になります。
上手な除草剤の使い方
茎葉処理か?土壌処理か?
除草剤の使う際に、まずは芝生の状態をみてどの除草剤を使うべきか確認しましょう。雑草が生えていないのであれば、その状態を維持するためにアージランやレンザーなどの土壌処理剤を使い、これから発生してくることが予想される雑草対策をしましょう。また、今雑草が生えている状態であれば、MCPP液剤やシバキープなどの茎葉処理型の除草剤を使う必要があります。雑草の葉の形をよくみて効果的な除草剤を散布するとともに、すでに花や穂などが付いていれば翌年も発生することが考えられるので、土壌処理型の準備もしましょう。
ボタニ子
スギナやクローバーを見つけたらMCPP液剤やシバキープ、イネ科の雑草にはアージランがおすすめです。
夏場は注意
多くの除草剤は薬剤を植物体に取り込ませ、何らかの生理障害を引き起こして枯死させる作用をもっています。夏場の高温期は植物体が活性化しているため、薬剤の吸収が非常に速くなります。このため高温期の雑草に除草剤の効果は高い傾向がありますが、芝生も同様に薬剤を吸収してしまうため、先端が枯れるなどの薬害がでてしまうことがあります。このため、夏場は昼時に撒く使い方は避けて、早朝や夕方など比較的気温の低い時間帯に撒くようにしましょう。
サッチ除去する
サッチは芝の刈り草や枯れた葉などの残差が堆積して層になったものをいいます。サッチは非常に分解しにくいため、芝生を設置してから時間が経過していると、厚い層が芝生の間で形成されています。サッチを除去しないまま放置していると、さらに層が厚くなり、芝生に凹凸ができてしまうため、土壌処理剤などが地表に届かず、その効果が弱まってしまいます。これはサッチを除去する作業(サッチング)によって改善できます。
上手な除草剤の使い方
- 生えている雑草がイネ科か広葉雑草なのか確認して効果がある除草剤を選ぶ
- 雑草が見えなくても、これから生えてくる雑草対策のために土壌処理剤をまく
- 除草剤を撒くときは暑い日中は避けるようにする
今回は、除草剤を使った芝生の管理について解説しました。除草剤のなかでもシバキープシリーズは、薬剤の希釈が不要なため、庭の芝生を手軽に管理することができます。ただし、サッチの除去や刈り込み、エアレーションなどを適切に行っていれば芝生が元気に育ち、雑草種子の生育が抑制されます。除草剤による雑草対策だけでなく、芝生の基本的な管理を怠らないように注意してくださいね。
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出典:写真AC