シャンツァイの育て方!根を傷つけない植え付けのコツは? | 植物図鑑

学名Coriandrum sativum L.
和名コエンドロ
別名シャンツァイ/パクチー/コリアンダー/香草
英名coriander
科・属名セリ科・コエンドロ属
原産地地中海東部沿岸
花言葉辛辣

シャンツァイの概要

Photo byrestyledliving

シャンツァイ(中国語)は、別名パクチー(タイ語)、コリアンダー(英語)など多くの別名を持つハーブの一種です。それぞれの国において名称を持つことからも、多くの国で古くから用いられてきたことがうかがえます。シャンツァイは独特の強い香りが特徴的で、その香りからカメムシソウと呼ばれることもあります。

基本情報

園芸部類 野菜・ハーブ
一年草
樹高・草丈 30~60cm
花の色
耐寒性 弱い
耐暑性 普通
特性・用途 料理・ハーブ
栽培難易度 ★★★★★

特徴

シャンツァイの独特な香りは大きな特徴といえます。この香りは、好き嫌いがはっきりと分かれるでしょう。近年のエスニック料理ブームを受け、日本の食卓にも急速に浸透しました。シャンツァイの成熟した種からは、オレンジやレモンのような柑橘の香りがし、ハーブのアニスの香りにもたとえられます。茎、花、根、種と、すべてがハーブやスパイスとして用いられる植物です。

名前の由来

和名のコエンドロは、ポルトガル語のコエントロ(coentro)が変化したものと考えられています。コエントロは、英名のコリアンダーから派生したものです。コリアンダーの名前の由来は、古代ギリシア時代に呼ばれていたkorian(カメムシ)-non(アニスの実)にあります。

効果・効能

シャンツァイの効果・効能は複数あります。シャンツァイの葉は料理の臭み消しに使われ、中華料理やタイ料理などでは魚介によく利用されます。根や種は、スパイスとしての側面が大きく、スープやカレーなどの風味づけに用いられます。ハーブとしては、香りに食欲増進やリラックス効果が期待されています。

シャンツァイの代表品種・種類

①パクチー・ラー

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「パクチー・ラー」は、日本でもっとも目にするシャンツァイの品種です。葉の形はセリ科を感じさせるギザギザとした形をしています。このパクチー・ラーを大量に使った「パクチーサラダ」は実は日本だけの食べ方です。

②パクチー・ファラン

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パクチー・ファランは、日本ではあまり見かけない品種ですが、タイやベトナムではこちらの品種が主流です。先述したパクチー・ラーよりもさらに芳香が強く、これがないとエスニック料理が完成しないという人がいるほどです。

③パクチー・ラオ

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「パクチー・ラオ」は、西洋料理では「ディル」と呼ばれています。ディルと聞けばピンとくる人も多いでしょう。パクチー・ラーやパクチー・ファランにくらべて独特の香りは少なめです。後味にほろ苦さがあるのが特徴で、こちらも魚介や肉料理と相性がいいです。

シャンツァイの育て方①時期

Photo byHans

植え付けから収穫・開花までの時期

植え付け・種まき 3~4月
開花時期 5~6月
花の色
葉・根の収穫 4~5月
種の採取 9~11月

シャンツァイの収穫時期は、どの部分を収穫するかによって異なります。葉や根であれば、春先から初夏がベストシーズンです。白い小さな花を咲かせたあとは茎や葉が固くなり、料理に使いづらくなります。種を収穫するのであれば、実をつける秋が収穫時期となります。

栽培カレンダー

時期1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
植え付け
開花時期
収穫時期

栽培適期は?

シャンツァイの発芽適温は17~20℃です。寒冷地で露地栽培をするときは朝晩の冷え込みや霜に注意が必要です。温暖な地域では春を迎えれば栽培を開始できるでしょう。プランター栽培で室内への移動が可能であれば、一年を通じて栽培ができます。

シャンツァイの育て方②栽培環境

Photo byPitsch

栽培方法

庭植え・鉢植え

シャンツァイは非常に育てやすいハーブです。苗を植え付ける際に注意すべきポイントは、根をあまり触らないことです。シャンツァイの根はまっすぐ下へ伸びていく性質を持つため、植え替えを嫌います。鉢植えで育てる場合も、植え替えはなるべく控えましょう。はじめから大きめの鉢を選ぶとよいでしょう。

育てる場所

シャンツァイは温暖な地域のハーブです。冷え込まない、日当たりがよく風通しのいい場所を選びましょう。先述したように植え替えを嫌いますので、地植えで栽培する際の場所選びは慎重に行いましょう。

用土

シャンツァイは水はけのよい土を好みます。水はけが悪いと根腐れを起こし、枯れの原因となります。地植えの場合は、赤玉土と腐葉土を混ぜて水はけのよい用土を作ります。プランター栽培であれば、ハーブ用の土などを使うのがおすすめです。

シャンツァイの育て方③管理のポイント

フリー写真素材ぱくたそ

水やり

シャンツァイの栽培管理で重要となるポイントが、水やりです。シャンツァイは水はけのよい場所を好みます。絶えず土が湿っているような環境は根腐れを起こし、枯れの原因となります。土の状態をよく観察し、乾燥しているときは一度にたっぷりと水を与えます。ダラダラと頻繁に水をやるのではなく、メリハリをつけましょう。

肥料

シャンツァイは一年草です。ライフサイクルも短く、葉であれば植え付けから1~2か月で収穫期を迎えるため、過度な施肥は必要ありません。ただしプランター栽培を行う場合は肥料(栄養分)の絶対量が地植えよりも少ないため、植え付けの際に土に緩効性肥料を混ぜ込むとよいでしょう。種の収穫を目指す場合は、成育の様子をみながら緩効性肥料を置き肥します。

害虫対策

シャンツァイは特徴的な香りのおかげで、害虫被害が少ないです。カメムシやアブラムシなどがつく場合がありますが、あまりにも多く発生しているのであれば殺虫剤を使用しても構いません。苗の中の風通しをよく管理すれば、害虫のリスクも減少します。

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病気対策

シャンツァイがかかりやすい病気として、灰色カビ病やうどん粉病などがあげられます。いずれも風通しがよく、水はけのよい環境を作ることで防止できます。シャンツァイの苗同士が絡み合い込み入っている場合は、適宜茎を刈り込んで風通しよくします。

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花後の管理

シャンツァイの種を収穫する場合は、花後も刈り込まず栽培を続けます。花が枯れて実がつき、種が茶色くなるまで刈り込みは待ちましょう。全体的に乾燥して茶色く枯れたら、株ごと根元から刈り取ります。

シャンツァイの育て方④詳しい栽培方法

Photo by Ryusuke Seto

種まき

シャンツァイは種から育てるのも簡単です。土に1cmほどの深さの穴を1~2cm間隔であけ、種をまきます。その上からうっすらと土をかぶせ、水をたっぷり与えて日当たりのよい場所で発芽を待ちます。順調にいけば1週間ほどで発芽します。

苗の選び方

シャンツァイは根は下へ向かってまっすぐ1本伸びていく性質を持ちます。最初の苗が大きすぎると、植え付けの際に根が折れたり、土に根付きにくかったりすることがあります。そのため小さめの苗を選ぶとよいでしょう。

剪定・切り戻し

シャンツァイは植え付けから1か月程度で葉の収穫期を迎えます。株の外側から、地面の生え際にあわせて茎を剪定して収穫します。根を使用する場合は、引き抜いて収穫して構いません。やがて花をつける茎が出てきますが、そうなると茎や葉は固くなります。種や花の収穫を考えていないのであれば、花をつけている茎は剪定しましょう。

増やし方

種まき

シャンツァイは一年草で、植え付けから収穫まで1~2か月と短い期間で大きくなります。そのためシャンツァイの増やし方としては、挿し木や株分けよりも種まきから行った方がスムーズで失敗も少ないでしょう。

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