カタバミは、日本中の原っぱや道端などに自生しているカタバミ科の草花です。鉢植えや花壇の寄せ植えだけでなく、横に這うように成長していく性質を利用して、グランドカバーとしても育てられています。
園芸部類 | 草花 |
形態 | 多年草 |
樹高・草丈 | 10cm |
花の色 | 白、黄、ピンク |
耐寒性 | 普通 |
耐暑性 | 強い |
特性・用途 | 開花時期が長い、花壇の寄せ植え、グランドカバー |
栽培難易度 | ★☆☆☆☆ |
カタバミの葉は先端に切り込みがあり、ハート型のようなかわいらしい形をしています。太陽の光に反応して花を咲かせるため、太陽が出ていない日や夜になると花が閉じるのが特徴です。茎が約30cmまで長く成長するので、グランドカバーとしても利用されています。
班入深山カタバミは、雪のような白い班入りの葉が魅力的な品種です。「雪白曙」や「深山の初雪」とも呼ばれており、開花時期になるとピンク色のかわいらしい花を咲かせます。
赤葉深山カタバミは、赤みがかった紫色の葉をつける品種です。「ムラサキカタバミ」と呼ばれる場合もあり、4月〜6月にかけて白くて小さな花を咲かせます。
イモカタバミは、名前のとおり芋のような球茎で増えていくのが特徴です。「フシネハナカタバミ」とも呼ばれており、夏になると鮮やかなピンク色の花を次々と咲かせます。
植え付け時期 | 3月〜4月、9月〜10月 |
肥料の時期 | 4月〜5月、10月〜11月 |
株分けの時期 | 3月〜4月、9月〜10月 |
剪定の時期 | 4月〜10月 |
花が咲く時期/開花時期 | 4月〜10月 |
カタバミは、地植えでも鉢植えでも育てられます。地植えにする場合は、地下茎やこぼれ種でどんどん増えていく性質があるため、ブロックなどで仕切ってから植え付けると安心です。プランターや鉢植えにする場合は、株間を15cm〜20cmほどあけて植え付けてください。
カタバミは、日光がたっぷりと当たる場所で管理しましょう。日当たりの悪い場所で育てると、茎だけが間延びして花付きが悪くなります。また、開花後も日光が当たらないと開花しないので注意が必要です。室内で育てる場合も、日光が差し込む窓辺など、日当たりのよい置き場所で管理してください。
カタバミは排水性の高い用土で育ててください。市販されている「草花用培養土」や「山野草用培養土」を使用しても構いません。自分で配合する場合は、赤玉土と腐葉土をよく混ぜ込んだ用土を使用します。地植えにする場所の水はけが悪いようならば、腐葉土や山砂を加えてから植え付けましょう。
地植えでカタバミを育てている場合は、降雨のみで十分なため水やりの必要はありません。鉢植えの場合は、土の表面が乾いてから、鉢底から水が流れ出る程度にたっぷりと水やりをしてください。休眠期はあまり水を吸わなくなるため、やや乾燥気味に管理するのがポイントです。水を与えすぎると根腐れを起こし、カタバミが枯れる原因になります。
カタバミは肥料を与えなくても問題なく育ちます。しかし、球根を増やしたい場合には、4月〜5月と9月〜10月に緩効性の置き肥を施しましょう。肥料やけで枯れるのを防ぐため、肥料の与えすぎには注意してください。
カタバミは害虫がつきにくいといわれていますが、葉が茂りすぎていたり、風通しの悪い場所で育てたりするとアブラムシが発生する恐れがあります。年間を通して発生しやすく、カタバミの成長に必要な栄養分を吸汁し枯れる原因となるため、見つけたら殺虫剤を散布して早めに駆除してください。
さび病は、カビが原因で発生する病気です。感染した部分が、白色や茶褐色に変色するのが特徴で、放置すると悪臭を放つようになります。葉が変色した部分は薬剤を散布しても治せないため、ほかの部分への感染を防ぐためにも早めに切り取って処分してください。
カタバミは開花時期が長いため、花後はこまめに花がら摘みを行いながら育てましょう。花がらをそのままにしておくと、葉や茎にくっついてカビが発生する原因となります。
ポット苗の状態でカタバミを購入する場合は、葉が密についており、病害虫被害を受けていない苗を選びます。葉が黄色く変色しているものは、植え付けてもすぐに枯れてしまう恐れがあるので避けてください。
地植えの場合は必要ありませんが、鉢植えの場合は根詰まりを防ぐために、2年〜3年に1回は植え替えます。手で優しく掘り起こし、根についた古い用土を落としてから、ひと回り大きな鉢に植え替えてください。
4月〜10月の開花時期にあわせて、こまめに剪定しながら育てましょう。葉が混み入っている部分や、伸びすぎている茎を剪定し草姿を整えていきます。
カタバミは放任で育てると、こぼれ種でどんどん増えていきます。カタバミは、種子が熟すと弾けるように種が飛び散るのが特徴です。そのため、自分の思い描く場所に増やしたい場合は、種子が弾ける前に種を採取する必要があります。株分けは、大きく育った株を掘り起こして、根をほぐして簡単に分かれる部分で株分けしていきましょう。