ムラサキカタバミとは?
ムラサキカタバミは、道端や空き地で見かけるピンク色の小さな花です。今ではほとんど雑草扱いですが、江戸時代に観賞用として日本にやってきた植物です。
ムラサキカタバミの基本情報
名前 | ムラサキカタバミ、紫片喰 |
学名 | Oxalis debilis var. corymbosa |
分類 | カタバミ科カタバミ属 |
原産地 | 南アメリカ |
生息地 | 温帯~熱帯 |
開花時期 | 5月~10月 |
多年草、日本に帰化 |
生息地は温帯から熱帯
ムラサキカタバミは南アメリカ原産の多年草です。生息地は、北アメリカ、南ヨーロッパ、アジア、オーストラリアなど、温帯から熱帯の各地になります。日本でも関東以西を中心に繁殖し、道路や塀の隙間、畑や荒地などに生える生命力の強い植物です。
花の特徴
約1センチのピンク色の花
ムラサキカタバミの花びらは、やや紫がかったピンク色で、萼は薄い黄緑色です。5つの花弁の奥が筒状になっていて、花びらには薄紫色の筋があります。花筒の内側はほんのり白くなり、明るいグリーン色に見えます。雄しべの葯(やく:花粉を入れる袋)は白色です。
花の付き方
10~25cmくらいの花茎の先に、1輪から10輪前後の花が次々に咲いていきます。
夜には眠る花
ムラサキカタバミは、日が暮れると花びらを閉じるという特徴があります。また、雨の日も同じく閉じたままです。
開花時期は5月から10月
ムラサキカタバミの開花時期は、春から秋頃です。ピンク色の花が次々に咲き続けますが、夏の暑い盛りには休眠することがあります。
葉の特徴
葉はハート形
葉は三つに分かれていて(3出複葉)、ハート形をしているのが特徴です。クローバーの葉に似ていますが、白い模様はありません。四つ葉のカタバミもありますが、見つけるのは四つ葉のクローバーより難しいと言われています。
四つ葉のカタバミ
ボタニ子
見つけたらラッキ~!
葉っぱも就眠
夜には傘をたたむように葉を下ろして閉じ、就眠する植物です。
繁殖の特徴
鱗茎で繁殖
ムラサキカタバミは日本などの温帯地域では結実せず、鱗茎(球根)の分球によって繁殖します。ぷくっとした白い根の上部に鱗茎があり、分球したものは木子(きこ)と呼ばれます。この多数の木子から繁殖する仕組みです。
鱗茎っていうのは、養分を蓄えた球形の地下茎の一種で、球根のことね!
牽引根と増殖した木子
ボタニ子
すごい増えてる!
根は、鱗茎が地上部に出ないように地中に戻ろうとする特徴をもった、牽引根です。むりに引き抜こうとすると、勢いで木子が地中で分散してしまいます。なので駆除する際には、引っこ抜くのではなく、ガーデンスコップなどで根元から掬い取るのがコツです。
ムラサキカタバミの名の由来
ムラサキは花の色
ムラサキカタバミのムラサキは、花びらの色から付けられました。うす紫のピンク色です。英名は、violet woodsorrelまたは、pink woodsorrelです。英語圏でも紫かピンクなのですね。
半分食べられたように見えるから片喰(カタバミ)
カタバミの仲間は日の当たらない夜などには、葉をたたむ特徴があります。この状態が、片方の葉が食べられたように見えることから、片喰(カタバミ)と呼ばれるようになったと言われています。
オキザリスの意味は「すっぱい」
カタバミ属の学名Oxalis(オキザリス)は「すっぱい」から来ています。植物体にはシュウ酸が含まれていて、かじるとすっぱいからです。カタバミは、酢漿草とも書かれます。ムラサキカタバミの葉にはビタミンCが含まれていて、食べることができる植物です。
ボタニ子
えー、食べることできるの?
出典:写真AC