園芸部類 | 高木 |
形態 | 常緑樹 |
樹高・草丈 | 自生10m~30m・観賞用0.7m~1m |
花の色 | 黄 |
耐寒性 | 弱い |
耐暑性 | 強い |
特性・用途 | 観賞用・食用 |
栽培難易度 | ★★★☆☆ |
ココヤシとは、まっすぐ伸びた幹、放射線状に広がる葉、丸くて大きい実が特徴の常緑高木です。日本には自生していませんが、本来自生のココヤシは樹高約10m~30mまで成長します。日本で販売されているものは観賞用で、樹高は約0.7m~1mです。果実はココナッツと呼ばれ、食料品や化粧品などに使用されています。
ヤシ科の植物のなかでも、ココヤシと同じように実をつける近縁種をご紹介します。日本ではあまり見かけない品種ですが、樹高などの特徴や実の利用方法も含めてみていきましょう。
アブラヤシはココヤシと同じヤシ科の植物で、日本ではあまり出回っていない品種です。原産地は西アフリカで、樹高20mまで成長し、長さ5mほどの葉をつけます。鶏の卵ほどの大きさの実を房状にたくさんつけ、1房の重さは40~50kgほどになります。果肉や種子からはパーム油などの油がとれます。
アサイーは、ココヤシと同じくヤシ科の植物で、原産地はブラジルです。日本にはあまり出回っていない品種の1つで、樹高は20m以下で幹は細く、葉はつやつやした緑色で櫛の形をしています。果実はブルーベリーのような見た目で、栄養価が高く、美容にも効果が期待できるため人気が高いです。若芽や若葉も食用になります。
植え付け時期 | 5月~8月 |
種まきの時期 | 5月~8月 |
剪定の時期 | 1年中 |
開花時期 | 7月~8月 |
実がなる時期 | 1年中 |
ココヤシは南国の植物なので、気温が高いと元気に育ちます。栽培の適温は20℃~30℃で、15℃を下回ると枯れやすくなります。苗の植え付けに最適な時期は、気温が上がる5月~8月です。寒さが非常に苦手なので、冬越しには注意が必要です。
ココヤシは寒さが非常に苦手な植物です。沖縄以外の国内では、屋外での冬越しは難しいため、地植えは避けるのが無難です。夏は屋外、冬には室内に移動させられるように、鉢植えで育てるのがおすすめです。どうしても地植えで育てたい場合も、冬だけは鉢に移し替えて室内で管理するとよいでしょう。
ココヤシは暖かい環境を好みます。室内でも屋外でも15℃以上で日のよくあたる場所に置いてください。耐陰性はあるので、気温さえ高ければ日陰でも問題なく育ちます。日に当てると生育がよくなりますが、小さめに育てたい場合は日に当てる時間を短めにしましょう。
ココヤシは、水はけのよい土を好みます。市販の観葉植物用の土か、赤玉土6:腐葉土4の割合で混ぜた用土を使用しましょう。ココヤシの繊維が原料の「パームピート」を使用するのもおすすめです。
ココヤシを上手に育てるコツの1つは、水やりの仕方にあります。春~秋と秋~冬で、水やりの仕方が変わるため注意しましょう。
春~秋の水やりのポイントは「乾燥を防ぐ」ことです。土が乾いたら鉢底から水が流れ出るほどたっぷりの水をあげてください。その際、葉にも霧吹きで水をかけるか、濡らしたキッチンペーパーで拭くことで、より乾燥を防げます。常に湿った状態にしてしまうと根腐れを起こす危険性が高まるため、タイミングには気をつけましょう。
秋~冬の水やりのポイントは「乾燥気味にする」ことです。気温が20℃以下になってくる頃を目安に、水やりを控え気味にしましょう。一度水やりをしたら、4日~6日は水やりをしなくても大丈夫です。ココヤシは冷えると弱るため、冷たすぎる水は使わないように注意してください。
ココヤシは肥料を好みます。肥料が少ないと葉が黄色くなり、やがて枯れてしまうため注意が必要です。2ヶ月に1回、緩効性肥料をあげてください。ただしココヤシを小さめに育てたい場合は、肥料は控えめにあげましょう。
ココヤシにつく代表的な害虫は、アブラムシ、カイガラムシ、ハダニなどです。いずれも早期発見し、取り除くことで被害を防げます。いずれも外から侵入する虫なので、初めから室内で育てることも害虫予防に効果的です。ハダニは水に弱い性質を持っているため、葉に水をかけると退治できます。
ココヤシがかかる代表的な病気は炭疽病(たんそびょう)です。春~秋にかけて、葉に3~20mmの斑点が現れ、ひどくなると枯れてしまうため注意が必要です。回復が難しい病気なので、見つけたらすぐに切り落とし、病気の拡大を防ぎましょう。カビが病気の原因になるため、特に夏場は高温多湿状態にならないように管理してください。
ココヤシは基本的に植え替えは必要ありません。根腐れを起こしたり、根が張りにくくなったりした場合にのみ、適宜植え替えるようにしましょう。
ココヤシはよく育つ植物です。全体に栄養を行き渡らせるためには、適度な剪定が必要です。枯れた葉や伸びすぎた葉は、根元からバッサリと切り落としましょう。鉢底からはみ出てきた根は、根腐れ防止のためにもすぐに切ってください。剪定時期は特に選ばないため、通気性確保のためにも、必要時にこまめに行いましょう。
ココヤシは暑さに強い植物なので、夏の日差しに関しては特に問題ありません。屋外での注意点は、高温多湿状態を避けることです。水のあげすぎや、長雨の際の置き場所に気をつけましょう。室内での注意点は、クーラーなどで冷やし過ぎないことです。クーラーの風が直接当たらない位置に置いてください。
ココヤシは寒さに弱いため、冬場は屋外ではなく室内で管理しましょう。室温は15℃以上になるように調整してください。特に朝晩は冷えるため注意が必要です。冬場の窓際は非常に温度が低いことがあり、枯れる恐れがあります。家庭用のビニールハウスを使用するのも効果的です。
ココヤシの一般的な増やし方は種まきですが、日本の気候では困難です。ココヤシがもう1つ欲しいかたは、新たに苗を購入しましょう。
出典:写真AC