緩効性肥料とは?肥料の種類・特徴や使い方、おすすめ商品も4つ紹介!

緩効性肥料とは?肥料の種類・特徴や使い方、おすすめ商品も4つ紹介!

肥料は、大きく「速効性肥料」と「緩効性肥料(遅効性肥料)」に分けられます。緩効性肥料は、時間をかけて効果を発揮していく肥料で、園芸には欠かせません。この記事では、緩効性肥料の特徴やおすすめの商品を紹介します。適切な使い方を実践して、植物を元気に育てましょう。

記事の目次

  1. 1.緩効性肥料とは
  2. 2.緩効性肥料の種類
  3. 3.緩効性肥料の使い方と種類
  4. 4.緩効性肥料のメリット
  5. 5.緩効性肥料のおすすめ商品
  6. 6.まとめ

緩効性肥料とは

Photo by masahiko

一般的には、化成肥料を樹脂や硫黄などでコーティングした製品のことを緩効性肥料といいます。肥料成分が徐々に土壌に溶け出す種類です。そのため、効果がゆっくりと数カ月間の長期にわたって持続します。

そもそも肥料とは

植物の生育に必要な三大要素である窒素(N)、リン酸(P)、カリウム(K)などを含んだ、固形または液体状の栄養剤のことを肥料といいます。窒素は葉や根の生育を(葉肥え)、リン酸は花や実の生育を(実肥え)、カリウムは根の生育を(根肥え)助けるのが代表的な効能です。

N、P、Kがとても重要な要素なんだね!

速効性・遅効性肥料との違い

速効性肥料は効果がすぐに出る

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速効性肥料とは植物に吸収されやすく、早く効果が期待できる種類の肥料です。固形のものでは、硫安や尿素、過リン酸石灰といった化成肥料があり、液体肥料も速効性肥料に当たります。

遅効性肥料は時間差で効く

遅効性肥料とは、植物がすぐには吸収できず、微生物による分解などを経て時間差で効果があらわれる肥料のことをいいます。油かすや骨粉、鶏糞など有機質のものが多いです。なお遅効性肥料も、緩効性肥料として分類されることもあります。

緩効性肥料の種類

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緩効性肥料をより詳細に分類すると、加工方法や仕組みにより主に「生物的安定性肥料」「化学的緩効性肥料」「物理的緩効性窒素肥料」の3つに分けられます。

種類①生物的安定性肥料

出典:写真AC

尿素や硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウムといった窒素系化学肥料に、特殊な殺菌効果のある薬品を添付して、土壌微生物の活動を抑え、窒素栄養分のアンモニア化成、硝酸化成および脱窒を抑えることができる肥料のことを言います。

窒素が過剰に分解されたり、雨などで流れ出てしまっては効率的に吸収されないから、このムダを防ぐ処理をした肥料だということだね。

種類②化学的緩効性肥料

フリー写真素材ぱくたそ

肥料成分の溶解性を抑えるように化学的処理を施したもので、水にはほとんど解けないが、土中で加水分解反応や微生物による分解反応を経てゆっくり尿素やアンモニアに転換され、水に溶けて肥料効果を発揮します。

肥料には、水に溶けやすい「水溶性」、水には溶けず酸(クエン酸)に溶けやすい「く溶性」、水にも酸にも溶けないが微生物によって分解される「不溶性」があります。化学的緩効性肥料は、く溶性や不溶性成分が主成分のものです。

種類③物理的緩効性窒素肥料

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主に球状の肥料粒子の表面を被膜加工したもので、肥料成分が被膜の微細な穴や亀裂を通じて徐々に溶出することにより、肥料が長く持続されるもので、コーティング肥料とも呼ばれます。

物理的緩効性肥料は、被膜の厚みや性質などによって、肥料成分の溶出量やスピードをコントロールする肥料のことをいいます。

緩効性肥料の使い方と種類

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緩効性肥料の使い方には「植物を定植・植え替える数日前~数週間前に土の中に漉き込んで使う」使い方(元肥)と、「植物育成時の栄養として株元に規定量をまく」という(置き肥)、主に2つの種類の使い方があります。

緩効性肥料を使うタイミング

Photo bystevepb

元肥としても置き肥としても利用できる緩効性肥料は、効果的なタイミングで使用すれば高い効果を得られます。

植物を定植・植え替えるタイミングで使う

植物の定植・植え替え時の元肥として、緩効性肥料や遅効性肥料を使います。遅効性肥料は臭いや虫が発生しやすい有機質が多いため、室内の観葉植物やベランダでのガーデニングでは、化成肥料が主体である緩効性肥料を使うことをおすすめします。

追肥時にも緩効性肥料が有効

追肥には、緩効性肥料と速効性肥料を使います。生育期前には緩効性肥料を与え、生育期に入ったら速効性肥料もあわせて使うと効果的です。お礼肥(花の開花後や実の収穫後における植物の疲れを回復させるための肥料)にも緩効性肥料や速効性肥料を与えるのがよいでしょう。

植物の種類によって、追肥を施すタイミングは異なるよ。育て方の情報をチェックして、ベストなタイミングで施肥できるようにしよう。

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緩効性肥料のメリット

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