園芸部類 | 野菜 |
形態 | 一年草 |
樹高・草丈 | 50cm~100cm |
花の色 | 青紫 |
耐寒性 | ふつう |
耐暑性 | ふつう(高温多湿に弱い) |
耐陰性 | ふつう |
栽培難易度 | ★★☆☆☆ |
エンダイブとはチコリーの近縁種で、独特の苦みが特徴の野菜です。苦みが強くそのままでは生食に向きませんが、軟白処理することで苦みを抑え、甘みが増しておいしくなります。夏には青紫色の花が咲くため、家庭園芸用としても人気です。エンダイブは栄養価が高く、成長も早く育てやすいため、家庭菜園にもおすすめです。
エンダイブの和名や別名に使われている「チシャ」は「レタス」を意味する言葉です。和名の「キクヂシャ」はキク科の「キク」と「チシャ」、別名のニガヂシャは「苦い」と「チシャ」をあわせてつけられました。
藤田種子 エンダイブ グリーンカールド2 小袋
参考価格: 394円
グリーンカールドは、数あるエンダイブの中でもスタンダードな品種です。葉には細長く切れ込みが多く、葉数が多いのが特徴です。軟白処理することで、苦みもやわらぎ、サラダとしてもおいしく食べられます。
【HORTUS社種子】エンダイブ・クオーレ
参考価格: 495円
クオーレは早生タイプのイタリア産のエンダイブです。イタリアのレストランでは、サラダに欠かせないほどメジャーな存在です。軟白処理することで、生食でも食べやすくなります。
種まき時期 | 3~4月・8~9月 |
植え付け時期 | 3~4月・8~9月 |
花が咲く時期 | 夏ごろ |
収穫時期 | 5~6月・10~11月 |
エンダイブの栽培に適した気温は15℃~20℃です。暖かくなる3月~4月、暑さが落ち着き始める8月下旬~9月が、植え付けや種まきに適した時期です。エンダイブは夏にきれいな青紫色の花を咲かせますが、花が咲いてしまうと葉が食べられなくなります。観賞用で育てる場合以外は、春まきのものは花が咲く前に収穫しましょう。
エンダイブは、露地栽培でもプランターでもよく育ちます。プランターを使用する場合は、幅65cm×奥行20cm×深さ20cm以上の大きさのものを用意してください。
エンダイブは日光が大好きなので、日当たりのよい場所で育てましょう。高温多湿の状態が続くと傷む原因になるため、風通しのよい場所で管理してください。秋まきの際に残暑が厳しい場合は、プランターなら直射日光を避け半日陰に移しましょう。露地栽培の場合は、遮光板などで光を遮るようにしてください。
エンダイブは連作に比較的弱い野菜です。エンダイブはもちろん、レタス、ゴボウ、春菊などのキク科の作物との連作は少なくとも2年は避けましょう。
エンダイブには基本的に畝は必要ありません。ただし、水はけの悪い畑などで栽培する場合は、高さ20cm~30cmの高畝にして対応してください。
エンダイブは、水はけと水持ちがよい土壌を好みます。市販の野菜用の培養土か、赤玉土7:腐葉土3の割合で混ぜた用土を使用しましょう。酸性土壌では成長が悪くなるため、植え付けの2週間前くらいに、1㎡あたり100~150gの苦土石灰を混ぜて中和しておく必要があります。
エンダイブは、苗の本葉が3~4枚ついたころが植え付け適期です。株間は25cm~30cmとりましょう。成長途中で株間が狭くなってしまう場合は、適度に間引きしてください。エンダイブはほかのレタスに比べて風などで倒れやすい性質があります。隣同士の苗が支えあうことで倒れにくくなるため、適度な株間を維持しましょう。
エンダイブは、肥えた畑の場合は特に元肥を施す必要はありません。痩せた畑の場合も、緩効性肥料を少量混ぜておくだけで十分です。プランターで育てる場合は、たい肥や油粕などの有機肥料を混ぜたものを使用してください。
エンダイブは水分を好みます。土が乾いたらたっぷりと水を与えてください。特に夏の暑い時期は乾燥しやすいため、注意しながら水やりをしましょう。ただし、軟白処理の際は蒸れやすいため、湿気がこもらないように注意が必要です。
支柱や誘引は特に必要ありません。
剪定は特に必要ありません。
マルチングは特に必要ありません。
エンダイブは早生植物なので、基本的には追肥の必要はありません。成長が悪いようであれば、20日に1回を目安に、様子を見ながら化成肥料を与えましょう。
エンダイブは、スープや炒め物にも使用されます。しかし、どちらかといえば生でサラダとして食べるのが一般的です。独特の苦みが特徴のエンダイブですが、苦みが強すぎると食べにくかったり、最悪の場合は食べられなくなったりする恐れがあります。エンダイブを育てる際は、苦みをやわらげ甘みを増す「軟白処理」を忘れずにしましょう。
軟白処理の最適期は、春まきの場合は夏に花が咲く前です。花が咲いてしまうと、食用には向かなくなるため注意しましょう。秋まきの場合の最適期は台風前です。エンダイブは強風に弱く倒れてしまいやすいため、注意してください。軟白処理のタイミングは「25cmくらいに育ち収穫が近くなったとき」です。
軟白処理の方法は2つあります。
エンダイブは強い植物なので、きちんと管理しておけば、病気の心配はほとんどありません。強いて挙げるなら、菌核病に気をつけましょう。
菌核病とは、土中の菌によって茎や葉が腐り、植物が倒れてしまう病気です。腐った部分は見つけ次第すぐに切り落としましょう。ひどい場合は殺菌剤を使用してください。湿度が高いと菌核病の胞子が作られやすくなり、病気が広がってしまう可能性が高まります。水はけのよい環境づくりが、予防のカギです。
その他の病気 | |
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軟腐病(なんぷびょう) | 地面に近い部分の根や葉が褐色に変わり、やがてドロドロに溶けて腐り、強い悪臭を放つ。高温多湿や土壌の細菌が原因。 |
根腐病 | 葉は黄色に、根は茶褐色~黒色に変色し、やがて枯死する。高温多湿や地中にいる数種類のカビが原因。 |
エンダイブには虫はつきにくいですが、ヨトウムシには気をつけましょう。
ヨトウムシは、野菜や果物の葉や茎、花、実などを食害する害虫です。あっという間に葉の広範囲をボロボロにしてしまい、最悪の場合は株ごと食べられてしまいます。ヨトウムシはすぐに増えてしまうため、見つけ次第すぐに取り除きましょう。葉に卵がついている場合は、葉ごと取り除くことをおすすめします。
その他の害虫 | |
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アブラムシ | 小さな虫が葉やサヤに群生して吸汁加害する。さまざまな病気を媒介するため注意。 |
エンダイブの種は、畑やプランターに直接まきましょう。育苗箱などにまき、ある程度の大きさになるまで育ててから移植する方法でも構いません。エンダイブは光を好む性質をもっているため、土は軽くかける程度にしてください。
プランターや育苗箱の場合は、筋状に種をばらまきましょう。畑に直接まく場合は、30㎠に5~6粒を目安に種まきしてください。
エンダイブの発芽の適温は20℃前後です。春まきの場合は気温が低い日もあるため、日当たりのよい場所で管理しましょう。25℃を越えてしまうと休眠状態になるため、秋まきの場合は残暑に気をつけてください。畑に直接まいた場合や暑い日などは乾燥しやすくなるため、水やりをこまめにしましょう。
エンダイブの芽が育ってきたら、間引き作業が必要になります。プランターの場合は、株間を20cmとりましょう。1つのプランターで3株を育てるのが理想です。畑の場合は、株間を25cm~30cmとってください。成長のよいものを選び、残りは間引きましょう。
エンダイブの種が発芽したら、元気なものだけを残して間引くか、1つずつビニールポットに移し替えましょう。乾燥に気をつけながら、半日陰で風通しのよい場所で管理してください。本葉が4枚になったタイミングで、畑やプランターに移植しましょう。
出典:写真AC