はじめに
広い畑の中にまっすぐと伸びる畝は畑の中の道でもあり、野菜を育てるための土壌づくりの1つのポイントでもあります。家庭菜園で野菜を育てる場合にも、畝を作ることで丈夫な野菜を作るために必要な土壌の下準備ができます。では、どうして畝を作る必要があるのか、どのように畝を作るのかを、作業のコツや必要な道具をあわせてご紹介します。
畝を作る意味と目的
畑に伸びる畝はただ土を盛り上げているだけではなく、農作業をしやすくするための工夫の1つです。畝を作ることで作業がしやすくなるだけではなく、野菜を育てるために必要な土の環境を整えるためにも必要な作業なのです。家庭菜園のように小さなスペースで色々な野菜を育てたいという場合も、畝を作ることで様々な作物にあわせた土壌を作ることができます。
畝を作る意味とは?
畝には野菜を育てるスペースと人が作業をするスペースを確保するという区分け、育てる野菜に適した土壌を作るための作業という大きく2つの意味合いがあります。作業スペースの確保はそのままの意味ですが、野菜に適した土壌づくりというのは畝の形によって土の持つ性質が左右されるのです。そのため、育てる野菜によって畝の高さを変えるなどして適した土壌にする必要があります。
畝の形の決め方
畝の形は、畝の幅と高さで決まります。先にも少し書きましたが、畝の形は育てたい野菜に適した土壌にするための工夫の1つです。簡単に説明すると、畝は土の中の水分量を調整する機能を持っています。例えば背の高い畝は水はけがよくなり、畝が低いと保水性が高くなるというわけです。そうした水分の調整が畝のもつ土壌調整の機能の1つといえます。そのため、家庭菜園で色々な野菜を育てるには、野菜と土にあわせた畝をつくる必要があります。
畝の高さと水はけの関係
- 背の高い畝は排水性UP
- 背の低い畝は保水性UP
- 土壌の性質や、育てる野菜の種類で使い分けましょう
野菜にあった畝の作り方
野菜にあった畝とは、野菜の生育にあわせた幅の畝を作ることです。小さな作物に幅の広い畝を作ると、他の野菜を作るスペースがなくなってしまいます。逆に大きな野菜を育てるのに幅の狭い畝だと、作業スペースに葉や茎がはみ出てしまい作業がしにくくなってしまうのです。また、根菜などを育てる際に耕土の深さが足りない場合に、畝の高さを調整するなど野菜にあわせたスペースを確保する目的があります。
土にあった畝の作り方
畑の土によって畝の形をかえる必要があります。例えば水はけのよい土に背の高い畝をつくってしまうと、水がすぐになくなって水枯れしやすくなってしまいます。また保水性のよい土で背の低い畝をつくると、水がたまって根腐れしてしまいます。つまり、畝は畑の土の質によって形を変える必要があるわけです。家庭菜園の場合、耕土の深さが足りないときには、背の高い畝を作ることで深さを確保して育てるケースもあります。