チューリップはトルコ原産の多年草です。丈夫で育てやすいため、学校や自宅で栽培したことがある方も多いでしょう。品種改良が盛んに行われており、現在では5,000種以上の品種が登録されているという世界中で人気の花です。開花時期は早咲き、普通咲き、遅咲きと3つに分かれており、花の形や来歴で15系統ほどに分類されています。
園芸部類 | 球根 |
形態 | 多年草 |
樹高・草丈 | 10~70cm |
花の色 | 白、ピンク、オレンジ、赤、黄、緑、紫、黒、複色 |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 弱い |
特性・用途 | 鑑賞用 |
栽培難易度 | ★☆☆☆☆ |
チューリップは、すっきりとした葉と愛らしい花びらが特徴の球根植物です。栽培のしやすさから日本ではよく学校の花壇や公園に植えられています。一度植え付ければ手間がかからないので、ガーデニング初心者でも失敗が少なく栽培できますよ。チューリップは花色が豊富で咲き方もさまざまなため、球根から育てるときはどのような花が咲くのかを確認しましょう。
チューリップはかわいらしい見た目に反して、花や葉、茎、球根のすべてが有毒です。子どもやペットが誤って口にしないように管理には十分に気をつけましょう。皮膚が弱い方が直接チューリップを触って皮膚炎を起こしたケースもあります。作業中は手袋をつけ、直接チューリップに触らないように気をつけてください。
チューリップ単色咲きトライアンフ系
トライアンフ系のチューリップは、数あるチューリップの中でもメジャーな品種です。公園や学校の花壇にも植えられており、見かけることも多いでしょう。豊富な花色が特徴で、単色から複色までさまざまで好みの色を育てられますよ。これぞチューリップというオーソドックスな品種のため、初心者はまずこの品種から育てることをおすすめします。
レア度 | ★☆☆☆☆ |
---|---|
おすすめ度 | ★★★★★ |
チューリップダーウィンハイブリッド
ダーウィンハイブリッド系のチューリップは、一重の遅咲きの品種と原種のチューリップを掛け合わせて生まれた比較的新しい品種です。草丈は60~70cmと大型に育ち、迫力のあるチューリップが楽しめます。丈夫で育てやすく手間がかからないため、初心者でも失敗しにくいでしょう。赤や黄色など温かみのある色合いの花も魅力的です。大型の花が好きという方や、春らしい温かな色の花壇にしたいという方におすすめです。
レア度 | ★★☆☆☆ |
---|---|
おすすめ度 | ★★★★★ |
チューリップ ユリ咲き
ユリ咲き系のチューリップは、その名のとおり、花びらがユリのように外側に開いて咲きます。細めの花びらとすらりとした葉が特徴で、しなやかで繊細な花姿に育ちます。茎がやや細く風に倒れやすいため、栽培時は強風に注意しましょう。支柱で支えると安心です。花びらに縦筋の模様が入っているものが多く、グラデーションも楽しめます。少し変わった形のチューリップを育ててみたいという方におすすめです。
レア度 | ★★☆☆☆ |
---|---|
おすすめ度 | ★★★★☆ |
八重咲きチューリップ
ボタン咲き系のチューリップは、一重の遅咲き種の突然変異で誕生した品種です。ボタンの花のような花が特徴で、「八重遅咲き種」とも呼ばれています。レースが幾重にも重なったような豪華な花で、庭にひとつあると華やかな印象を与えます。花色のバリエーションも多く、好みの色で育てられるのも嬉しいポイントです。
レア度 | ★★★☆☆ |
---|---|
おすすめ度 | ★★★★☆ |
フリンジ咲きチューリップ
フリンジ咲きのチューリップは、花びらの縁に細かい切れ込みが入った品種です。花びらがフリルやレースのように見えるものから、トゲのように見えるものまでさまざまな種類があります。特徴的な花姿は庭や花壇のアクセントとしても重宝するでしょう。カラーバリエーションも豊富で、近年人気が高まっている品種です。個性的なチューリップを育ててみたい方におすすめです。
レア度 | ★★★☆☆ |
---|---|
おすすめ度 | ★★★★☆ |
植え付け時期 | 10~11月 |
肥料の時期 | 10~11月 |
花がら摘みの時期 | 6月ごろ※花後に行う |
花が咲く時期/開花時期 | 3~5月頃 |
チューリップの植え付け時期は?
チューリップは冬の寒さにしっかりと当てることで開花します。植え付け時期は寒さが本格的になる前の10~11月頃が適期です。
チューリップの開花時期は?
チューリップは品種によって早咲き、普通咲き、遅咲きの3種類に分かれます。寄せ植えでチューリップの品種を複数使うときは、咲く時期が同じ品種を揃えるとよいでしょう。
チューリップは庭植えと鉢植えどちらでも育てられます。栽培したい環境にあわせて選びましょう。
チューリップは冬の間に寒さにしっかりと当てないと開花しません。開花に必要な気温は5℃程度で、基本は屋外管理が適しています。室内で管理する場合は玄関や土間など暖房が当たらない場所を選び、寒さに当てられる状態で栽培しましょう。
チューリップは日当たりと風通しのよい場所を好みます。庭植えの場合は水はけのよい場所で育て、用土の栄養不足を避けるために連作は避けましょう。鉢植えの場合はつぼみに色がのってきた段階で、半日陰に管理場所を変更すると開花期間をやや伸ばせます。
チューリップは、水はけがよく栄養のある用土を好みます。購入する場合は園芸店などで販売されている球根専用の用土が便利です。自分で配合する場合は、赤玉土と腐葉土、水はけをよくするための砂利を混ぜて作ります。また、次年にチューリップを再度植えるときは、用土を新しくするか肥料を漉き込み栄養を補充しておきましょう。
チューリップを庭植えにした場合は、降雨のみで育つため水やりの必要はほとんどありません。日照りが続いたときのみ与えましょう。鉢植えの場合は、土の表面が乾いたら鉢底から溢れるくらい水やりをします。チューリップは植え付けたあと発芽までの期間があくため、鉢植えで育てるときは水切れしないように管理しましょう。また、次の年も花を咲かせたい場合は花後も葉が枯れ落ちるまでは水やりを続けてください。
チューリップを植え付けるときに、あらかじめ用土に遅効性の化成肥料を混ぜておきます。追肥は必須ではありませんが、株を強く育てたい場合はチューリップが発芽したあとで施しましょう。その場合は液体肥料を使い、10日に1回の頻度で与えます。
チューリップの主な害虫はアブラムシです。アブラムシは生育を阻害するやっかいな害虫です。また、近くに病気の株があるとアブラムシを媒介にしてウイルスが広がってしまいます。庭植えの場合は、ある程度株間を離して風通しをよくすることで予防できます。鉢植えの場合は、風通しのよい場所に移しましょう。アブラムシは春先につくことが多いため注意して観察し、発生していたら都度駆除してください。
チューリップの主な病気はかいよう病、褐色斑点病、モザイク病です。かいよう病は発芽時に葉に白い斑点が現れ、褐色斑点病は葉に黄色の斑点が現れます。どちらも放置すると枯れにつながるため、株ごと引き抜いて処分しましょう。モザイク病は花びらに本来の模様にはない縞模様が出現します。アブラムシがウイルスを媒介するため、害虫駆除がモザイク病の予防に繋がります。
チューリップは球根を掘り上げることで、次の年に再び植えられます。チューリップの花後は葉と花茎を残し、花がらのみを摘み取りましょう。花がらは花の根元の子房部分からしっかりと摘み取ってください。花がら摘みをすると球根に栄養が行き渡り、球根が肥大しやすくなります。花茎と葉はそのまま管理し、茶色く枯れるまで水やりをしましょう。
チューリップの球根は、手に持ったときに重さと硬さを感じられるものを選びましょう。しっとりとしたツヤがあるものはよい球根です。カビが生えていたり、ひび割れていたりする球根は発芽しない可能性があるため避けてください。また、球根は根が傷ついていると発芽しないため、根が生えてきている球根も避けましょう。球根は秋口から販売され、状態のよい状態のものから売れていきます。早めに入手することが大切です。
苗は1月ごろからポット苗として市場に出回ります。球根を植える時期を逃してしまった場合は、苗から育てるとよいでしょう。チューリップの苗を選ぶコツは、芽や葉の状態をしっかりと確認することです。芽や葉がみずみずしいもの、用土にしっかりと根つき、不安定になっていないものを選びましょう。また、花茎が曲がっていたり折れていたりしていないかもチェックしてください。
チューリップは根が傷むと枯れてしまうため、生育中に植え替えは必要ありません。苗を植え付けるときのみ行いましょう。
チューリップは葉や花茎の剪定は必要ありません。球根で増やす場合のみ、花後に花がらを摘み取っておきましょう。
チューリップは植えたまま放置していても、次の年に花を咲かせます。しかし、花が小さくなったり、用土の養分不足で成長しにくくなったりするため、夏前に球根を掘り起こしておくのが一般的です。花後に花がら摘みを行ったチューリップの葉と茎が枯れたら、そっと球根を掘り上げましょう。掘り上げた球根は土を落としてよく乾かし、秋の植え付けまで涼しい日陰で保管します。
チューリップは、球根を植えてから一定期間寒さを経験することで花芽をつけます。気温が5℃くらいの場所で約6~8週間管理する必要があるため、冬越しの対策は必要ありません。基本はそのまま屋外で栽培しましょう。気温が5℃まで下がらない温暖な地域で育てる場合は、保冷剤を鉢の近くに置いたり、大型の冷蔵庫に入れたりなどして人為的に温度を下げる必要があります。
チューリップの増やし方は、球根を分球する方法がほとんどです。花を咲かせていた球根を掘り上げると、土の中で栄養をしっかりと蓄えられていれば母球の脇に子球が作られています。その子球を分球し増やしましょう。ただし、関東以南の地域は花後に急速に暑くなり、球根が肥大する前に葉や茎が枯れ落ちてしまいます。毎年新しい球根を購入したほうが無難です。
チューリップ 球根 おまかせパック
参考価格: 1,685円
チューリップの球根は園芸店や大手通信販売サイトなどで購入できます。園芸店は球根の状態を確かめられることがメリットですが、珍しい種類のチューリップは手に入りにくいかもしれません。大手通信販売サイトは、さまざまな品種から選べます。また、同時期に咲くチューリップをセット販売していることも多く、複数の品種を育てたい方にはぴったりです。
手軽さ | ★★★★★ |
---|---|
育てやすさ | ★★★★☆ |