チューリップの開花後に行うこと
春が訪れ今年もきれいなチューリップが咲き、庭先を彩ってくれました。さて、このチューリップを翌年もきれいに咲かせたいですよね。そのためは正しい方法でチューリップの球根を育成・保存・管理する必要があります。
1年間の流れ
チューリップの花が開花してから翌年花が咲くまでの1年間の流れを表にしました。品種や栽培する地域によって開花時期が大きく変わるので目安として考えて下さい。
4月から5月 | チューリップの花が開花。 |
5月から6月 | 花が枯れ球根を育てる。 |
6月 | 葉や茎が枯れ球根を掘り上げる。 |
6月から11月 | 掘り上げた球根を保管する。 |
11月 | 保管していた球根を植え付ける。 |
11月から4月 | 花が咲くまで愛情込めて管理する。 |
4月から5月 | 再びチューリップの花が開花。 |
花が咲いた後から翌年のチューリップ栽培はスタート
まず、1番にすることはよい球根を作っておくことです。花が枯れみすぼらしいからといってすぐに球根を掘り返してはいけません。花が咲いた後から翌年のチューリップ栽培はスタートしています。まずは正しい方法で来年のために球根を育てておきましょう。
チューリップの球根を大きく育てる
チューリップの球根は花を咲かせるためにたくさんの栄養分を消費します。花が枯れた後の球根にしっかりと栄養分を吸収するさせることで来年もきれいな花を咲かせることができるのです。花が枯れた後も、その枯れた茎の根元に普段使っている化成肥料などの肥料を与え、土が乾かないように水を引き続き与えるようにしましょう。
花を摘み取ることで、球根に栄養がいく
花が枯れた後の球根は栄養分をしっかり吸収しみるみる大きくなるので翌年もきれいなチューリップを咲かせるためには欠かせない工程です。花がきれいな状態で花を摘み取ることで球根が栄養分を吸収する時間が長くなるので大きく元気な球根ができやすくなります。
チューリップの球根を掘り上げる
掘り上げは葉(茎)が黄色に変色した頃
しっかりと時間をかけ大きく成長した球根を掘り上げましょう。掘り上げの時期は葉と茎が黄色に変わり枯れ始めたころです。無理に根元からひっこ抜こうとすると球根を傷つけてしまう危険があるのでスコップで周りの土を掘り起こして抜くようにしましょう。
分球でできた子球を丁寧に取り外す
掘り上げた球根を見てみると茎の生えた球根の周りにいくつかの球根が付いているでしょう。このように一つの球根から多数の球根が増えることを分球といいます。この分球でできた球根が来年きれいな花を咲かせるのです。球根の取り方としては茎の生えた親球から周りの子球を優しく丁寧にひねるように取り外しましょう。取り方が悪いと球根に大きな傷を入れてしまい球根が腐ったり芽が出なかったりする原因になります。
取り外した球根は消毒がおすすめ
取り外した球根は土を落としきれいに水洗いします。さらに球根用の消毒液に10分程つけておくことで保管中に病気になったり、虫食いに合ったりする危険性を下げてくれるので消毒することをおすすめします。
よい球根(保存する球根)を選別する
掘り上げた球根をよい球根と悪い球根に分けます。分球によって増えた球根の状態はさまざまで悪い球根は植えても芽が出なかったり花がきれいに咲かなかったりするのでこの時点で処分し、よい球根だけを保管するようにしましょう。
よい球根(保存する球根)
よい球根の条件としては形が良く凸凹の少ないもの、ふっくらと大きく重みのあるもの、つやが良く張りがあり色のくすみがないもの、茶色い薄皮のつやがよいものなどがあげられます。
悪い球根(保存しない球根)
悪い球根の条件は他の球根に比べてサイズの小さいもの、中がスカスカのもの、触るとぶよぶよするもの、根が腐っているもの、虫食いがあるもの、カビが生えているものなどです。
チューリップの球根の保存方法
表面をよく乾燥させる
きれいに洗った球根はまず新聞紙などで表面の水分を良くふきとり籠やざるの上に新聞紙をひき重ならないように並べ、日の当たるところは避けて風通しのいい場所で表面が茶色くなるまで干します。その際毎日水分を吸った新聞紙を湿り気のない新聞紙に取り換え、球根をころころとひっくり返すと良いでしょう。表面が茶色くなるまではカビになる恐れが高いので注意して下さい。
湿気に注意して保管する
よく乾燥した球根はネットなどに移し日の当たらない風通しの良い場所で植え付け時期まで保管します。ネットには翌年も色や種類がすぐにわかるように印をつけておくと便利です。湿気の多い場所で保管してしまうとカビが生えたり腐ったりする原因になるので注意しましょう。
チューリップの球根の植え付け
球根の植え付けの条件、準備
チューリップの球根の植え付け時期は少し涼しくなってきた秋頃です。根が生える適温は約13度で根の発育に適した温度は10度から15度になります。土は新しくきれいな土を使用し市販の草花用や球根用の培養土を使えば問題ありません。鉢底石をいれ水はけをよくしましょう。
きれいに見える植え方
等間隔で向きを揃える
チューリプの球根は等間隔で植えましょう。また球根をよく見ると丸くなった腹の部分と平らな背の部分があります。この向きをそろえて植えることでお花畑のように同じ方向を向いて咲き花の咲いた後の見え方が格段と変わってきます。
一つの品種を一つの鉢に
チューリップは基本的に一つの鉢に一種類を植えるようにしましょう。チューリップにはたくさんの品種があり同じ時期に植えてもそれぞれで開花時期が違うので開花のタイミングがまばらになってしまい開花後の見栄えが悪くなるからです。
見栄えを重視する鉢・球根を育てる鉢を区別する
また球根を密集させて植えると開花後は豪華できれいに見えますが枯れた後球根が栄養分の取り合いをしてしまい球根が大きく育ちにくいデメリットもあります。見栄えを重視する鉢と球根を育てる鉢とで分けて植えるのもいいかもしれませんね。
チューリップの発芽、開花の条件
条件は、元気な球根を植えること
発芽させるための条件は、元気な球根を植えることです。栄養分をしっかりと吸収して大きくなった球根はすでに発芽に必要な力を蓄えています。なので正しい球根選びと正しい保管方法を行えばちゃんと発芽します。
球根を寒さに触れさせる期間が必要
しかし、発芽はしたのに花が咲かない場合があります。この多くは球根を寒さに触れさせる期間が短い場合です。沖縄などの冬でも暖かくあまり気温の下がらない地域では冬の間、鉢やプランターを5度から3度ほどに設定された低温倉庫で2ヶ月ほど寒さに触れさせる必要があります。家庭で栽培する場合このような設備はないので植え付け時期をずらし秋頃から2ヶ月ほど冷蔵庫で新聞紙などにくるみ保管して冬の初め頃に球根を植えてみて下さい。
チューリップの植え付け後の管理方法
発芽前に行うこと
植えてすぐはもちろん芽が出ていない冬場にも土がが乾いてしまう前にたっぷりの水をあげるようにしましょう。この工程をおろそかにすると発芽後に茎がしっかり伸びなかったり葉が大きく成長しなかったりと発育不足の原因になります。鉢植えの場合は日陰に置いて球根が寒さを感じる期間を長く保つようにしましょう。
発芽、開花後に行うこと
芽が出ると今度は日光がしっかりと当たる場所に移動させ定期的に水と肥料を与えましょう。毎日チューリップの観察をすることで害虫や病気にいち早くきずき状態を悪化させるのを防ぐことにつながるのです。
大切に育ててきた花が咲いた後も今まで通り水やりと追肥を行うことできれいな状態が長持ちします。また花を早めに摘み取ることで球根を育てる期間が延び、翌年もきれいな花を咲かせることができます。花の摘み取り方としては葉を数枚残し茎の下の方からつみとるようにしましょう。
まとめ
チューリップの球根は正しい手順で育て保管することで毎年花が枯れた球根から新しい球根ができ3から4年ほど繰り返すことができます。花を楽しみ枯れた後は球根を大きく育て湿気の少ない風通しのよい場所で保管し愛情込めてお世話し翌年もきれいな花を咲かせましょう。
またチューリップの品種は5000品種以上もありそれぞれ開花時期や特長もさまざまです。冷蔵庫で球根を寝かせ人工的に冬を作り開花の時期をコントロールする方法などもあります。その際紙袋に入れたり新聞紙でくるんだりして2か月ほどねかせましょう。正しい知識を身に着け球根の取り方、扱い方に注意していろいろな品種、育て方にチャレンジしてしてみてはいかがでしょうか。