チューリップの概要
チューリップは春になると庭や公園などでよく見かけるとても馴染み深い花です。子供から大人まで誰もがチューリップを知っているでしょう。チューリップは、大変多くの品種があり、色もさまざまあるので、花壇や寄せ植えにもよく使われます。秋に球根を植えて、2~3月ごろになると芽を出して、3月~5月にカップ状の花を咲かせます。
チューリップの基本データ
学名 | Tulipa |
和名 | 鬱金香(ウコンコウ、ウッコンコウ) |
科名属名 | ユリ科チューリップ属 |
分類 | 球根 |
原産地 | 中央アジア~地中海 |
草丈 | 10~70cm |
開花時期 | 3月~5月 |
ボタニ子
春にきれいな花を咲かせるために植え付け後の管理方法をご説明します!
チューリップ植え付け後の管理方法①置き場所
チューリップは、よく日の当たる風通しのよい場所を好みます。地植えの場合は、条件に合う花壇などに植え付けます。鉢植えの場合は、寒さにあてることが必要なため屋外に置きます。乾燥に弱いので、軒下ではなく雨や雪があたる場所に置きます。
鉢植えの置き場所は日陰でもいい?
鉢植えの場合は、芽が出るまでは日陰に置いてもかまいません。芽が出始めたら、日陰から日当たりのよい場所へ移動させます。もちろん、最初から日当たりのよい場所に置いても大丈夫です。水やりを忘れないように水管理がしやすい場所に置くとよいでしょう。ビオラなどの植物と寄せ植えをした場合は、日当たりのよい場所に置きましょう。
寒さにあてることが必要!
チューリップは、冬の時期に低温(5℃以下)に6~8週間あてることで花芽の形成が促されます。鉢植えの場合は、温室などに入れず屋外で管理します。寒さに充分あたらないと葉が出ても花が咲かない場合がありますので、必ず屋外に置きましょう。雪が積もった場合は、チューリップにとっては最適の環境となるので、そのままで管理します。
雪の下はチューリップに最適!
冬の時期に雪が積もると、雪に覆われることで低温が保たれます。また、霜から守られるので球根が凍る心配もありません。さらに、少しずつ雪が解けて乾燥を防いでくれるのです。
チューリップ植え付け後の管理方法②水やり
チューリップの水やりは、「土の表面が乾いたらたっぷり」が基本です。水やりは午前中に行います。土が乾いていないのに、毎日水やりをしていると過湿になり球根を腐らせてしまうことがあります。午前中に土の表面を観察して、乾いていたら水やりをしましょう。特に、植え付け後2週間は根がよく伸びるように、たっぷりゆっくり水やりをします。
冬場の乾燥に注意!
冬場は水やりを忘れがちになりますが、チューリップの根は、乾燥するとその後は水を吸わなくなります。しかも、新しい根は生えないので充分根が育たず開花しない原因になります。寒い冬でも水管理を忘れず、土が乾いたらたっぷりと水やりをしましょう。チューリップの球根と一緒にビオラなどを寄せ植えすると水やりを忘れないのでおすすめです。
根を傷つけないように!
球根を植え付けた後に、植え替えをしないようにしましょう。芽が出ていなくても、土の中では根が伸び始めています。無理に植え替えをしようとすると、根が切れたり、傷がついたりします。根が傷ついても新しい根は生えないため、成長に大きな影響を及ぼし花が咲かない場合もあります。
地植えの水やりは?
花壇などに地植えをした場合は、植え付けの時にたっぷり水やりをすれば、その後は水やりは必要ありません。ただし、雨が降らず乾燥した日が続いた場合などで、土が極端に乾燥している場合は水やりをしましょう。
チューリップ植え付け後の管理方法③肥料
チューリップは、植え付けの際に元肥として緩効性の肥料を与えます。追肥は必要ありません。球根の中に栄養が蓄えられているので、追肥を与えなくても花を咲かせることができるのです。芽が出た時に、薄めの液体肥料を一回だけ与えてもよいでしょう。それ以外は、球根が腐る原因となるため、追肥は与えないようにします。
寄せ植えをした場合の肥料は?
チューリップの球根と一緒にビオラなどほかの植物を寄せ植えをした場合は、寄せ植えした植物の肥料が切れてきたら追肥を与えましょう。
チューリップ植え付け後の管理方法④病害虫
チューリップに発生しやすい病気は、「モザイク病」「かいよう病」「褐色斑点病」などです。どの病気も、治らないので、見つけ次第株ごと抜き取ります。害虫は、春先に「アブラムシ」がつきやすく、病気の原因にもなります。
モザイク病
「モザイク病」はウイルス性の病気で、花の色にすじのようなモザイク模様が入る病気です。葉にも淡い黄緑色のモザイクが出ます。ウイルス性のため見つけ次第、病気の株ごと抜き取って処分します。病気の原因となるのは、アブラムシです。アブラムシを見つけ次第、取り去って殺虫剤を散布します。
かいよう病
「かいよう病」は、発芽時期から葉に白い斑点が現れて、次第に葉が縮れてきます。そのままにしておくと、雨や風で他の株にうつるので、見つけ次第、病気の株ごと抜き去ります。原因は、球根内の保菌によるものです。球根に傷がついていると球根内に菌が入りやすくなります。
褐色斑点病
「褐色斑点病」は、葉や花に黄褐色の斑点が現れ、だんだん大きくなって進行すると枯れてしまいます。原因はかびの一種によるものです。雨が多いときに発生しやすくなります。この病気も見つけしだい、抜き去って処分します。
まとめ
チューリップの植え付け後の管理のポイント
- 鉢植えの置き場所は日当たりがよく風通しのよい屋外(芽が出るまでは屋外の日陰でもOK)
- 鉢植えの水やりは土の表面が乾いたらたっぷり(冬場の水管理を忘れない)
- 追肥は必要なし(芽が出たら1回薄めの液肥)
- 病気が出たら、すぐに株ごと抜き取る
身近すぎて簡単に育てられると思いがちな「チューリップ」ですが、花が咲くまでの管理によっては花が咲かないこともあります。植え付け後の管理のポイントを確認して、ぜひきれいなチューリップの花を咲かせて、楽しんでください。
出典:筆者撮影