グロリオサは、アフリカや熱帯アジアに10種類ほど分布している、イヌサフラン科の球根植物です。華やかな色彩と、花びらが反転する珍しい花形をしています。葉の先が巻いて、つるを伸ばして成長していく、独特な咲き姿が魅力的な植物です。
園芸分類 | 草花 |
形態 | 球根植物、多年草 |
樹高 | 50cm~300cm(つる性) |
花の色 | 赤、黄、白 |
耐寒性 | やや弱い |
耐暑性 | 強い |
栽培難易度 | ★★☆☆☆ |
グロリオサは、夏の暑さの中でも開花し続ける半つる性の植物です。周囲のものに絡まりながら、つるを伸ばし、華やかな色彩で夏の花壇をいろどります。茎葉は細長く、花は下向きにつき、ひだのある花びらが反転する独特な咲き姿が人気です。
グロリオサの名前の由来は?
学名のGloriosaは、ラテン語の「見事な」「栄光」「驚嘆する」が語源です。鮮やかな色彩と、そり返った見事な花の姿が、そのまま名前の由来となっています。
グロリオサの花言葉は?
グロリオサの花言葉は「栄光」や「勇敢」です。見応えのある花姿からついた花言葉といわれています。
グロリオサ・スペルバルテアは「黄花種」に分類される品種です。鮮やかな赤色のイメージが強いグロリオサですが、かわいらしい黄色の花を咲かせる品種も人気があります。
植え付け時期 | 4月〜5月 |
植え替え時期 | 4月〜5月 |
肥料の時期 | 5月〜8月 |
剪定の時期 | 7月〜10月 |
花が咲く時期/開花時期 | 7月〜9月 |
グロリオサの栽培適期は?
グロリオサは熱帯地方が原産のため、耐寒性がやや弱いのが特徴です。4月上旬〜5月下旬にかけて植え付けを行い、秋には開花が終わるように育てましょう。
グロリオサは、地植えでも鉢植えでも育てられます。つる性の植物のため、支柱やネットに誘引しながら育てていきましょう。根が深くまで伸びるので、深さのある鉢を使用するのがポイントです。地植えにする場合は「グリーンカーテン」としても育てられます。
春の植え付け後、梅雨明けまでは日当たりのよい場所で管理してください。真夏の直射日光に長く当てると、葉焼けを起こして枯れる恐れがあるので、鉢植えは半日陰に移動します。地植えの場合は、寒冷紗などを使用して30%〜50%ほど遮光しましょう。
グロリオサは、水はけと水もちのよさを兼ね備えた用土を使用して育てます。市販されている「草花用培養土」を使用しても構いません。自分で配合する場合は、赤玉土と腐葉土を混ぜ込んでから、少量のピートモスを加えた用土を使用してください。
地植えで育てる場合の用土作りのポイントは?
グロリオサを地植えで育てる場合は、腐葉土や堆肥をたっぷりとすき込んでから植え付けます。よく耕してから植え付けてください。
植え付け後は水切れを起こさないように、たっぷりと水やりをします。完全に根付いてしまえば、降雨のみで構いません。鉢植えの場合は、土の表面が乾燥してから水やりをしてください。秋になり、葉が黄色く枯れ込んできたら、水やりを中止して球根を乾かしましょう。
室内で育てる場合の水やりは?
グロリオサを室内で育てる場合は、エアコンの風で葉の表面が乾燥しやすくなります。葉をみずみずしく保つために、霧吹きなどを使用して、定期的に葉水を行いましょう。
植え付けの用土に元肥として、緩効性の置き肥を与えます。また、5月〜8月にかけて、1カ月に2回〜3回の割合で、規定の分量よりも薄めた液体肥料を水やりの代わりに与えてください。球根を大きく成長させるために、8月いっぱいまでは肥料切れに注意しましょう。
アブラムシは、年間を通して発生しやすい害虫です。集団で寄生し、グロリオサの成長に必要な栄養分を吸汁します。数が少ない場合は、ガムテープなどに貼り付けて駆除しますが、大量発生した場合は、殺虫剤を散布して駆除しましょう。
モザイク病は、感染した部分にモザイク状の班がでるのが特徴です。アブラムシが介している場合が多く、感染した部分は薬剤を散布しても治せません。病気の株は処分して、ほかの部分に感染しないようにしてください。
球根を太らせるために、花後は早めに花がら摘みを行います。気温が低くなり花が終わったら、葉が枯れてくるまで水やりを控えて、やや乾燥気味に管理していきましょう。
グロリオサをポット苗の状態で購入する場合は、葉につやがあり、花芽のたくさんついている苗を選びます。葉の裏側までしっかりとチェックして、病害虫被害を受けていない苗を購入しましょう。
グロリオサを早めに開花させる方法として「芽出し栽培」があります。4月にバーミキュライトを使用して、球根の芽出しをしてみましょう。
芽出し栽培を成功させるコツは?
巻きひげをもった葉は、6節ほどの部分から出現します。支柱やネットに誘引してください。また、15節くらいになると2本~3本に分岐するので、葉が重ならないように誘引して、株が倒れるのをふせぎましょう。
グロリオサは7月〜10月にかけて、花後に剪定をします。また、葉が茂っている部分や、つるが伸びすぎている部分を剪定し、草姿を整えていきましょう。
グロリオサは、10℃を下回ると弱ったり枯れたりします。地植えで冬越しさせるのは難しいため、冬越しの準備が必要です。鉢植えの場合は、寒くなる前に、鉢ごと室内に移動させましょう。地植えの場合は、地上部が枯れ込んでから球根を掘り起こします。球根は新聞紙などに包み、風通しのよい日陰で保管してください。
グロリオサは「球根植物」のため、分球で増やしていきましょう。秋になり、花後に葉が枯れはじめたら、水やりを中止します。地上部が枯れ込んでから球根を掘り出し、新聞紙で包んでから室内で保存します。翌春に肥大した古い球根の横に、新しい球根が出ていたら切り離して分球してください。
グロリオサ・ロスチャイルディアナ
参考価格: 1,399円
グロリオサ・ロスチャイルディアナは、濃い紅色の花弁に、縁が黄色の花を咲かせる、グロリオサの代表的な品種です。グロリオサ・ロスチャイルディアナを基に品種改良が進み、たくさんの園芸品種が作られています。
花色 | 赤、黄 |
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おすすめ度 | ★★★★★ |
出典:Unsplash