ヤマボウシの育て方!元気に育てる剪定のコツを紹介! | 植物図鑑

ヤマボウシの花
ヤマボウシの実
学名Cornus kousa
和名ヤマボウシ(山法師)
別名ヤマグルマ
英名Kousa Dogwood
科・属名ミズキ科・サンシュユ属(ヤマボウシ属)
原産地中国、朝鮮半島、日本
花言葉友情

ヤマボウシの特徴

出典:筆者撮影

ヤマボウシは、本州から九州の地域で山地に自生している樹木です。樹形が自然に整い育てやすいことから、庭木や街路樹、公園の樹木として人気があります。梅雨の時期に白、もしくはピンクの花が咲き、花後に食用できる実も特徴的です。落葉するものと常緑のものがあります。

基本情報

園芸部類 庭木、花木
形態 高木
樹高・草丈 10〜15m
花の色 白、ピンク、帯緑色
耐寒性 普通
耐暑性 普通
特性・用途 落葉性、常緑性、初心者でも育てやすい
栽培難易度 ★★☆☆☆

特徴

ヤマボウシは本州から九州の地域で山地に自生しており、日本の風土に馴染んでいる樹木です。梅雨の時期に花が咲いているのが特徴です。近似種のハナミズキとよく間違えられます。

名前の由来

出典:筆者撮影

ヤマボウシは、つぼみの集まりである丸い部分と花びらのような白い部分が、頭巾(ずきん)をかぶった僧の頭に見えることからヤマボウシ(山法師)とよばれるようになりました。

花に見える部分は総苞片

総苞片(そうほうへん)が枯れはじめると花序(かじょ)の花が咲きだします。出典:筆者撮影

ヤマボウシの白い4枚の花びらのように見える部分は花びらではありません。これは総苞片(そうほうへん)とよばれる葉が変形したものです。真ん中の球形の部分は小花が集まった場所です。この部分は花序(かじょ)とよばれます。また苞(ほう)とは、つぼみを包むように葉が変形したもののことをいいます。

ハナミズキとの違い

Photo bymanfredrichter

ハナミズキ

ヤマボウシはハナミズキとよく似ていますが、ヤマボウシが日本原産であるのに対しハナミズキはアメリカ原産です。見た目の違いは、ヤマボウシは総苞片の先端がとがっていますが、ハナミズキは丸みがあって先端が凹んでいます。またヤマボウシの開花時期が6〜7月であるのに対し、ハナミズキは4月下旬〜5月上旬と少し早く咲きます。

ヤマボウシの代表品種・種類

ヤマボウシにはたくさん種類がありますが、大きく落葉性と常緑性のものに分けられます。

①株立ちヤマボウシ

株立ちヤマボウシ

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落葉性で株立ちが美しいヤマボウシです。自然に樹形が整うのでシンボルツリーにもおすすめです。高さは6〜7mに育ちます。花色は白、秋には紅葉も楽しめます。

②ミルキーウェイ

ヤマボウシ ミルキーウェイ

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落葉性で花つきがよい品種です。花色は少しクリームがかった白色です。葉が少し厚めで通常のヤマボウシの葉より夏場の葉焼けに強い特徴があります。

③ウルフアイ

ヤマボウシ ウルフアイ

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落葉性。葉の外側が白い斑入りの品種です。葉数が多く、夏に斑が消える植物が多い中、夏でも斑入りをきれいに保つためホワイトカラーリーフのガーデン作りにもおすすめです。

④サトミ

ヤマボウシ サトミ

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落葉性。濃いピンク色の花を咲かせることが特徴です。花つきもよく、日当たりがよいほど花色が濃くなります。逆に日当たりが悪いと白っぽくなってしまいます。

⑤紅富士

ヤマボウシ 紅富士

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落葉性。花色は濃いピンク色です。サトミよりピンク色が濃く、花びらが細長いのが特徴です。サトミと同様に日に当てることでピンク色が濃くなります。

⑥月光

ヤマボウシ 月光

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常緑性のヤマボウシの代表種です。あまり大きく育たないため(3〜5m程度)小さく育てたい場合におすすめです。花つきがよいため実つきもよくなります。別名ホンコンエンシスともよばれます。

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ヤマボウシの育て方①時期

Photo by rieo

植え付けから開花までの時期

植え付け時期 12月〜3月
接ぎ木の時期 3月〜4月
剪定の時期 11月〜2月
花が咲く時期/開花時期 6月中旬〜7月中旬頃

栽培スケジュールカレンダー

  1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
植え付け
植え替え
               
開花期間                    
肥料                  
成長期          
休眠期            
○は適期、●は最適期

栽培適期は?

ヤマボウシの植え付けは休眠期にあたる12月〜3月頃におこないます。特にだんだん暖かくなる2月中旬〜3月が適しています。鉢植えの植え替えも同じ時期におこないましょう。

ヤマボウシの育て方②栽培環境

出典:筆者撮影

栽培方法

ヤマボウシはとても大きく育ちますので、地植えが適しています。小さな苗木の間は鉢植えで育てることも可能ですが、2〜3年に1回は植え替えが必要です。大きくなったら鉢植えから地植えにしましょう。

育てる場所

室内・屋外

ヤマボウシは日当たりのよい場所を好むので、屋外が適しています。

置き場所・日当たり

日当たりがよく、西日のあたらない場所が適しています。強い直射日光で葉焼けすることがあります。

用土

水はけのよい用土が適しています。庭木用の土や、赤玉土と腐葉土を混ぜたものがよいでしょう。水はけが悪いと根腐れをおこすことがあります。

ヤマボウシの育て方③管理のポイント

Photo by TANAKA Juuyoh (田中十洋)

水やり

地植えの場合、根づいてからはほとんど水やりの必要はありません。真夏の日照りの強い日には様子をみて朝の水やりをおこないます。鉢植えの場合は土の表面が乾いていたら、たっぷり水やりします。

肥料

肥料は1〜2月に緩行性のものをあたえます。有機質肥料などがよいでしょう。根の先端から吸収するので幹に近い部分ではなく枝の先端下のあたりに穴を掘って施します。

害虫対策

害虫はほとんどみられませんが、カミキリ虫の幼虫などに食害されることがあります。見つけたら捕殺します。

病気対策

梅雨の時期など風通しが悪いとうどんこ病すす病を発生することがあります。うどん粉病は葉に白く粉をふいている感じになり、すす病は黒いカビが葉に広がります。早めに病気になった葉を取り除き対処しましょう。

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花後の管理

出典:筆者撮影

花後の管理は特に必要ありません。花後に花序の部分が食用の実になります。果実は8月〜9月頃に熟します。

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ヤマボウシの育て方④詳しい栽培方法

出典:筆者撮影

種まき

熟した実の中にある種を水洗いしてすぐにまきます。もしくは冷蔵庫で乾かないように管理して次の春にまきます。ただし種から育てる場合、開花までに7〜8年の年月が必要ですので、接ぎ木をする際の台木用にするのがおすすめです。

苗の選び方

苗木は枝葉の節間がつまっていて間延びしていないものを選びます。樹高と幹の太さのバランスがとれていることも大切です。

剪定

ヤマボウシは自然に樹形が整うので、剪定は不要とされています。しかし枝が混みあってきた場合や、小さくしたいときには剪定が必要です。また剪定をおこなうと樹形を乱す枝が発生したり、花芽をきってしまい花が咲かなくなってしまったりするので注意しながら剪定しましょう。

剪定時期

11月〜2月の休眠期におこないます。

花芽をみながら剪定

花芽を切りすぎてしまうと花がなくなってしまうので、花芽をなるべく切らないように剪定します。花芽は丸く、葉芽は細く固いです。

不要な枝をすかすように剪定

上向きに伸びる枝(徒長枝)、根元から生えてくる枝(ひこばえ)、枯れた枝を根元から切り落とします。

付け根から剪定

高さを低くおさえたい場合などでも枝の途中で切らないようにします。車枝(1ヶ所から数本の枝が出ている場所)のすぐ上で切るか、枝分かれしている付け根で切りましょう。

増やし方

ヤマボウシの増やし方は接ぎ木が一般的です。種から育てた苗を台木にして切りつぎします。3〜4月が適期です。

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