ヤマボウシとは?
ヤマボウシはミズキ科ミズキ属の高木です。樹高は3.5m〜6mに育ちます。落葉のものが多いですが、品種改良された常緑のものもあります。水はけがよく、日当たりのよい場所を好みますが、半日陰でもよく育ちます。耐寒性は普通です。育てやすく、庭木としてシンボルツリーにもよく使われる植物です。
ウルフアイ(斑入りヤマボウシ)
品種改良されたヤマボウシにウルフアイという品種があります。ウルフアイは斑入りヤマボウシともよばれ、葉と花に白い模様がはいっています。夏には斑が消えてしまう植物が多いのですが、ウルフアイは綺麗な斑入りを保ち、カラーリーフのガーデンを楽しむことができます。ウルフアイ(斑入りヤマボウシ)は花も葉も美しく実を食用することもでき、庭木として人気のある植物です。
ボタニ子
葉の部分を遠くから見ると、狼の眼がたくさんあるように見えるから、ウルフアイとよばれるのかな
常緑のヤマボウシ(月光、ホンコンエンシス)
ヤマボウシは落葉樹として知られる植物ですが、品種改良された常緑樹のものもあります。そのなかでもおすすめの「月光」という品種をご紹介します。
開花が少し遅く花持ちがよい
ヤマボウシは一般に落葉のものがよく知られていますが、常緑のヤマボウシもあります。常緑のヤマボウシは「ホンコンエンシス」とよばれる品種です。「ホンコンエンシス」なかでも「月光」という品種は、落葉のものと比較すると少し開花が遅く、花持ちが長いです。周りの家のヤマボウシの花が落ちてしまった頃に、「月光」は満開だったりするので、どうして?とよく聞かれます。また一般的なヤマボウシほど大木にはなりませんので庭木や玄関にもおすすめです。
月光とは
クリームホワイト色の花が一面に咲く様子から月光と名付けられています。一般的なヤマボウシと比較すると白い花部分の大きさは小さめです。常緑で紅葉も楽しめ、実を食用することもできるというおすすめの植物です。
品種改良されたおすすめのヤマボウシ2種
ウルフアイ | 月光 | |
特徴 | ・落葉樹 ・花と葉に白い斑 ・夏に斑が消える植物が多いなか、夏でも斑入りをきれいに保つ ・ホワイトカラーリーフのガーデン作りにおすすめ |
・常緑樹 ・開花は少し遅く、花持ちが長い ・花は小さめ ・一般的なヤマボウシほど大木にはならない |
ヤマボウシの花
ミズキ科でハナミズキの仲間であるヤマボウシはハナミズキとよく似た花を咲かせます。また白い花びらのように見える部分は実は花びらではありません。
開花時期は5〜6月
ヤマボウシの開花時期は5〜6月です。梅雨の時期に開花する庭木はあまり多くないので貴重ですね。ミズキ科ですので、ハナミズキとよく似ているのですが、ハナミズキは4月下旬ころが開花時期です。またヤマボウシの白い花の先端は尖っているのに対し、ハナミズキの花の先端は丸いです。
白い花びらのような部分は総苞片(そうほうへん)
実はヤマボウシの4枚の白い花びらのような部分は花びらではありません。総苞片(そうほうへん)とよばれるものです。苞(ほう)とは蕾(つぼみ)を包むように葉が変形したもののことをいいます。また花序(かじょ)全体の基部を包む苞(ほう)を総苞(そうほう)といいます。淡緑色の小花が25〜30個ほど集まった球形の花序(かじょ)を中心にして白い花びら状の総苞片(そうほうへん)が4枚ついています。
ボタニ子
花序(かじょ)とは枝の上での花の並び方のことだよ
白い花びらみたいなものは、葉の変形したもの。それが花が並んだ部分のねもとから出ているということです。
開花時期が長い
ヤマボウシは一般的な植物に比べて開花時期(白い部分が散り落ちるまで)が長いです。一般的な植物と違い、花びらのように見える部分は葉ですので、開花時期が長くなるようです。開花時期が終わったあとは、落ち葉のように白い総苞片(そうほうへん)が乾燥して散り積もります。
ヤマボウシという名前の由来
ヤマボウシという名前はその花姿が由来しています。「ヤマボウシ」は漢字で書くと「山法師」。球形の花序(かじょ)の部分が頭、白い総苞片(そうほうへん)を頭巾に見立てて、頭巾をかぶった山法師のようだということから、このような名でよばれるようになりました。
ボタニ子
次はヤマボウシの実について紹介するよ。実の食べ方やレシピもあるよ。
庭木に取り入れてホワイトカラーリーフのガーデンを楽しめるよ。