接ぎ木とは?メリットや方法は?初心者にもわかりやすく簡潔に解説!

接ぎ木とは?メリットや方法は?初心者にもわかりやすく簡潔に解説!

植物を増やす方法の中には挿し木以外に接ぎ木という農作物にも使われる定番な方法があります。今回はその接ぎ木の中でも方法や切り方が異なるものがありました。それらの方法も含め、接ぎ木のメリットや注意したいこと、やり方など詳しく見ていきましょう。

記事の目次

  1. 1.接ぎ木とは何か?
  2. 2.接ぎ木のメリット・デメリット
  3. 3.接ぎ木の種類
  4. 4.接ぎ木を行う際の注意点
  5. 5.まとめ

接ぎ木とは何か?

接ぎ木というやり方は挿し木と似たような目的で栄養繁殖で植物を増やす手順の一つです。同属の植物の種の中から選び、台木と呼ばれる大元の木に樹木の枝や芽などをつぎます。これを行うことによって数を増やすことや病気に対して強い種を作り出せます。また、接ぎ木でしか増やせない種も中には存在し、野菜や果樹などにも行える方法のため、安定した供給や大量生産も目的の一つです。

接ぎ木のメリット・デメリット

6つのメリット

Photo byPeggy_Marco

  1. 病害虫に強い種を作れる
  2. 農薬を減らせるため、安心して野菜や果物を食べられる
  3. 果樹などの果実で味がよいものを作り出せる
  4. 一本しかない種を増やせる
  5. 一本の木からさまざまな種類の実が栽培できる
  6. 成長期間を短縮できるなど

デメリット

フリー写真素材ぱくたそ

成長期間を短縮できるなど接ぎ木を行うことでメリットは多くあります。しかし、デメリットも存在します。それは「手間がかかってしまう」ことです。一つ一つを手作業で行わないといけないため、非常に時間がかかってしまいます。また、手間がかかってしまうことで接木苗などを購入するには費用がかかってしまいます。メリット、デメリットを考えて接ぎ木を行う植物を選ぶとよいでしょう。

接ぎ木の種類

切り継ぎ

出典: https://www.pref.aichi.jp/nogyo-keiei/nogyo-aichi/tukuchaou/kaju_tugiki/index.html

切り継ぎは台木と芽を持っている穂木を使って行います。まず台木を切り、形成層と呼ばれる緑色の部分が見えるように切り込みを入れます。穂木を台木の切れ込みに差し込みますが、このときに形成層がくっついていないと切り継ぎはできません。一部分だけでも形成層をしっかりと合わせましょう。そのあと、接ぎ木テープでズレないようにしっかりと固定し、終了です。

形成層を合わせよう!

割り接ぎ

割り接ぎは切り継ぎと似ていますが、台木や穂木を切る形が異なります。まず、穂木をV字型のように切ります。次に、台木を切りますが切ったあとの処理が違うのです。割り接ぎでは切り継ぎと違い、台木を切った表面の中央を割るようにV字型に切ります。そして台木の形成層に穂木の形成層を合わせるようにしっかりと差し込み、接ぎ木テープで固定して下さい。この固定が大切です。

くさびのように切る

腹接ぎ

腹接ぎは先程ご紹介した切り継ぎと手順が似ています。しかし、圧倒的に樹木に負担がかからない方法です。果樹にもよく使用され、失敗しても別の箇所でやり直すことができます。まず、台木を切る必要がなく、穂木を刺したい箇所の台木の表面を薄く削り取ります。穂木は切り継ぎと同じように斜めに切って台木に差し込み、接ぎ木テープでズレないように巻いて下さい。

芽接ぎ

芽接ぎとは充実した接ぎ芽を台木の枝や幹などに接ぐ方法です。まず、芽を残す必要があるため、芽の周りをV字型に切ります。これは接ぎ芽と呼ばれます。台木には切り継ぎと同様、形成層が見えるように切り込みを入れますが、乾かないように素早く行いましょう。緑色の形成層同士を重ね、しっかりと雨水などが入らないように接ぎ木テープで樹木同士を巻き付けて終了です。

呼び接ぎ

呼び継ぎとは台木も穂木も根をつけたまま行える方法です。雑種などにも使用されるそうです。台木も穂木も表皮をはぐようにし、形成層を露出させます。その露出した形成層同士を重ね合わせ、ズレやすいためしっかりと接ぎ木テープで固定させます。その後は水やりなどを行い、通常通り育てると次第に1本の樹木になるようです。

根継ぎ

根継ぎは台木にする樹木が見つからないときに役立つ方法です。名前の通り、樹木の根の部分を使います。まず、大きい根を選び、切った表面に形成層が見えるように切り込みを入れます。穂木をその根の部分に作った切れ込みに差し込み、接ぎ木テープで固定しますが根の部分は埋め戻しが必要です。また、接ぎ木の中で唯一、根を使うのはこの根継ぎだけです。

居接ぎ

居接ぎとは台木を植えたまま行える、接ぎ木の方法の一つです。果樹の中でも柿など、ある植物の成長がよくなります。台木の表皮をはぐようにして形成層を露出させます。その間、乾かないように手早く作業を行いましょう。そのあと穂木を斜めに切り、形成層同士を合わせてから接ぎ木テープで固定させます。次の年の春に台木を切り、終了です。しだれ桜などは支柱を傍に立て、固定すると作業が行いやすくなります。

接ぎ木を行う際の注意点

接ぎ木を成功させるにはある一つのポイントが大切です。それは、近しい植物を選ぶことです。あまりにも違う植物だと成功しない恐れがあります。雑種ではなく種や属を合わせたり、近い植物を選ぶようにすると成功する確率も上がると言われています。挿し木ではなく、接ぎ木で増やしてみたいと思われる方にとって覚えておきたい注意点です。

まとめ

Photo byHans

接ぎ木は挿し木と大きくやり方が異なり、難しいと感じる人もいるでしょう。しかし、挿し木と違い、樹木を強く育てられるのがメリットになります。また、多くの接ぎ木の種類があり、それぞれの手法に意味を持ちます。栽培の方法は他にも多くあります。限定せずに、自分が育てたい果樹や雑種などの植物に合った手法や意味を考えることが大切ではないでしょうか。

ゆきね
ライター

ゆきね

ゆきねと申します。ハーブや漢方薬など、西洋医学が好きな主婦です。

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