園芸部類 | 野菜 |
形態 | 常緑高木 |
樹高 | 7~20m |
花の色 | 白 |
耐寒性 | やや弱い |
耐暑性 | やや強い |
耐陰性 | 低い |
栽培難易度 | ★★★☆☆ |
アボカドの品種は数多く1000を越えるといわれます。アボカドの栽培には日本の寒さに耐えられる品種を選ぶことが必要で、果実の収穫を目的とするなら異品種の混植がおすすめです。アボカドの苗はネット上で多くの品種の苗が販売されています。
アボカドの花は1つの花に雌しべと雄しべをもちますが、雌しべと雄しべの成熟期がずれるため、自家受粉ができません。この特徴は雌雄異熟花といい、異品種を混植することで受粉をうながし、花後の結実が期待できます。
アボカド 苗 【ハス】
参考価格: 6,600円
日本の売られているアボカドはほとんどの場合このハス種です。ハス種は皮が凸凹していて、若いときの外皮は深いグリーンですが、熟すと黒褐色に変色します。ハス種の果実の収穫期は4月以降です。脂肪分が約18~25%をしめ、なめらかな食感が楽しめます。
アボカド 苗 【ベーコン】
参考価格: 6,600円
ベーコン種のアボカドの果実はハス種より少し小ぶりですが、結実性がよく人気の品種です。ベーコン種の果実の収穫の時期は11~12月です。ハス種やフェルテ種と比較すると若干耐寒性は強いですが、若木のうちは冬越しのための防寒対策が必要です。
アボカド 苗 【フェルテ】
参考価格: 6,600円
フェルテ種の果実は高品質が味がよいことが特徴です。ハス種のように外皮の色が変わらず、完熟しても外皮の緑色はそのままなので、収穫時期が見分けにくくなります。フェルテ種の果実の収穫時期は11月から翌年の3月くらいまでです。
アボカド 苗 【メキシコーラ】
参考価格: 6,600円
メキシコ―ラ種は平均100g前後とほかの品種と比較すると果実は小ぶりです。アボカドの品種の中ではもっとも耐寒性が強いのも特徴です。果皮はツヤのある深緑~緑褐色で、果肉にはアニスのような香りをもちます。収穫時期は10月ごろです。
植え付け時期 | 5~6月 |
花が咲く時期 | 5月 |
剪定する時期 | 4~10月 |
実がなる時期 | 6~10月 |
収穫時期 | 11~翌3月頃 |
苗木の植え付けの適期は4~6月、アボカドから取り出した種を育てる場合は5~7月です。気温が15℃を安定して上回る5月中旬~6月がよいでしょう。アボカドは低温にさらされると枯れてしまうため、寒い季節には室内に移動させるなどの管理が必要です。
アボカドを食べた後の種は観葉植物として日当たりのよい室内で水耕栽培できます。水耕栽培では結実は期待できないため観賞用として育て、ある程度の大きさに成長すれば植え替えて管理します。
アボカドの苗木は鉢植えで栽培できます。アボカドは大きく育つので大きめの鉢で管理します。鉢植えでは接ぎ木の苗を植え付けてから収穫までの期間は約2~3年です。
アボカドの露地栽培は苗木を植え付けます。収穫までの期間は接ぎ木苗から育てると約3~4年です。寒い場所だと枯れてしまうので、冬越しするなら防寒対策が必要です。
アボカドは水耕栽培なら日当たりのよい室内で栽培できます。アボカドの生育のためには15~30℃の温度が必要です。アボカドを室内で育てるなら、充分な日当たりと温度、適度な風通しを確保できる場所を選びましょう。
アボカドを屋外で育てる場合、日当たりと水はけ、通気性のよい場所を選びましょう。北風など寒風にさらされるような環境は枯れの原因となるので避けます。アボカドは寒さに弱く、冬場に温度が下がりすぎる環境なら室内への移動などの温度管理が必要です。
アボカド栽培には野菜用の培養土が手軽でおすすめです。用土を作るなら鉢植えなら赤玉土小粒6、腐葉土3、川砂1程度の割合で配合するなど、水はけのよい土作りを心掛けてください。成長をうながすために化成肥料を混ぜてもよいでしょう。
接ぎ木苗の定植は、プランターや植木鉢なら4~5月が適期です。アボカドは大きく成長するため、大きめ(8号、口径24cm以上)の鉢を選んで植え付けます。鉢には用土をいっぱいにいれず、4~5cm程度のウォータースペースをとっておきましょう。
鉢植えで育てた接ぎ木苗を植え付ける時期は4~5月です。根を傷つけると枯れるので根鉢の土を落とさないように植え付けます。直径60cm、深さ60cm程度の穴を掘り定植します。掘り起こした土に堆肥や腐葉土などを混ぜ込むのもよいでしょう。
アボカドの成長には十分な栄養が必要なので、腐葉土や堆肥などを多めに混ぜ込んだ用土づくりをしてからの植えつけをおすすめします。
アボカドには品種によって大きくAとBの2種類の開花パターンが存在します。アボカドの花は雄しべと雌しべの成熟の速さに差があるため、雄雌で開花の時間帯が異なります。雌しべが雄しべより早く成熟するため、AとBの両者を近くに植えると結実しやすくなります。
アボカドの開花パターン
アボカドは特に夏場には十分な水が必要です。土の表面が乾いたら朝夕たっぷりと水やりをします。冬場の過度の水やりは根腐れして枯れる原因になるので控えめにしましょう。露地植えは根付いてしまえば、とくに水やりの必要はありません。夏場に乾燥がひどくなるような場合にのみ水を与えます。
アボカドの木が若くて弱い間は強風で幹や枝が折れて枯れないよう支柱に固定しましょう。幹や枝がしっかりと強く成長したら支柱は必要ありません。
追肥を施す時期は、アボカドの成長期の春(3月ごろ)と秋(9月ごろ)です。木の成長を観察しながら緩効性の化成肥料を控えめに与えましょう。窒素・リン酸・カリウムが同量、またはリン酸が多めの肥料がおすすめです。花後には栄養を多く必要とするため液肥を併用してもよいでしょう。
アボカドの栽培の最初の3年間は樹形を美しく整え、花芽がつきやすいようにすることを中心に仕立てていきます。アボカドの主幹を真っすぐに伸ばしていくと大きくなりすぎるので、主幹を地上から50~60cm程度に切り戻し、主枝を3~4本に整えます。切り戻し剪定の適期は3~4月です。
鉢植えでアボカドを栽培する場合は、地面から30~40cmで主幹を切り戻しましょう。花芽を切り取らないよう間引き剪定にします。間引き剪定にすることで花後の果実のつきがよくなり、風通しをよくして病きや害虫の発生を防ぎます。
アボカドの増やし方は挿し木がおすすめです。剪定したアボカドの枝を水につけておくと1カ月ほどで根が生えてくるので、しっかり根がでたら鉢に植え替えましょう。種からの増やし方も可能ですが結実はむずかしくなります。
アボカドは受粉がむずかしく、簡単に結実しません。実をならせるためには、他品種と混植する、人工授粉するなどの対策が必要です。果実の収穫を目的とするなら、種からではなく、苗木から育てることをおすすめします。
アボカドの実が十分に大きくならない場合は、花後の肥料不足が考えられるので、追肥を施しながら栄養不足にならないように管理してください。
アボカドの木の栽培で気をつけたい病気は炭疽病(タンソビョウ)です。炭そ病は葉に黒褐色の斑が現れる病気で、葉が密集して風通しが悪いことが原因といわれます。病気が発生すると治療できず枯れにつながるため、葉をすべて切り取るなどの対処が必要です。
アボカドの木につきやすい害虫はハダニやカイガラムシです。どちらも風通しが悪いことから発生し、枯れにつながるので、こまめに剪定を行って風通しのよい環境を維持することで害虫の発生を防ぎましょう。
アボカドを種から育てるには、水耕栽培またはポットに種まきします。5~7月に果実から種子を取り出し、種子の周辺の果肉をきれいに水洗いします。種子が乾燥すると発芽しなくなるので洗ったらすぐに植えましょう。
水洗いしたアボカドの種子の茶色い薄皮をむいて、つまようじや竹串を3本ほど種に挿し、種の尖っていない方が水につかるように容器にセットして育てましょう。種子の1/3程度が常に水中につかるようにして、毎日水を取り換えてください。
園芸用のポットに用土を入れ、アボカドの種子の尖った方を上に向けて、種子の半分程度が隠れる程度に土に埋めます。土の表面が乾いたら水を与え、種子が乾燥しないよう管理します。温度は15~20℃程度、日当たりのよい場所に置きます。
アボカドの種が発芽するまでには約1カ月以上かかります。じっくり時間をかけて発芽するので、あきらめずに待ってみてください。水をこまめに取り換えることもアボカドの発芽にかかせないポイントです。
アボカドの種が発芽しないのですが…
アボカドの発芽には15℃程度の温度が必要です。アボカドの種子の乾燥、果実や種を冷やすことが発芽しない原因となることがあります。アボカドを冷蔵庫で冷やさず発芽に十分な温度があることや、種を取り出したらすぐに水洗いして植えることがポイントです。