アスターの育て方!種まきの時期や立枯病の予防・対処方法を解説 | 植物図鑑

アスター(ピンク)
アスター(白)
アスター(紫)
学名Calistephus chinensis
和名エゾギク
別名サツマギク
英名China aster
科・属名キク科・エゾギク属
原産地中国北部
花言葉【青】追憶、変化、信じる恋、信頼【ピンク】甘い夢【白】私を信じてください

アスターの概要

フリー写真素材ぱくたそ

基本情報

園芸部類 草花
形態 一年草
樹高・草丈 15cm~100cm
開花時期 7月~9月
花の色 白、紫、ピンク、赤など
耐寒性 普通
耐暑性 やや強い
特性・用途 鉢植え、切り花など
栽培難易度 ★★★☆☆

特徴

アスターは、中国原産のキク科の植物です。日本では、エゾギクやサツマギクとも呼ばれることもあります。花色が豊富で、7月~9月の気温が高い時期に赤・白・黄・紫などの花を咲かせます。花もちがよいため、お盆の供花や夏の切り花に使われることが多いです。また品種によって花の咲き方や花径の大きさが違い、同じ植物でもさまざまな表情が楽しめるのが特徴です。

名前の由来

アスターは、ギリシャ語で「星の形」という意味です。アスターの花の形が星に似ていることから、この名がついたといわれています。

アスターの代表品種・種類

Photo byDidgeman

①ステラシリーズ

サカタのタネ 実咲花5047 マイクロアスター ステラ トップローズ 00905047

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ステラシリーズは、アスターがかかりやすい立枯病に強い品種です。茎が長く、花径が小さい半八重咲の花をたくさん咲かせます。病害虫に強く比較的管理が簡単なので、育てやすいです。切り花や花壇に使われることが多く、花色はベースが白で先端が濃桃色のトップローズなどがあります。

育てやすさ★★★★☆
花の咲き方半八重咲き
花径約3cm

②あずみシリーズ

サカタのタネ 実咲花5020 アスター あずみ混合 00905020

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あずみは、ポンポン咲きというまとまって花を咲かせる性質があります。茎の先端がほうきのように枝分かれする「ほうき立ち」という特性があり、花壇に植えるとボリューム感が出ます。ライトピンクやライトブルーなど、淡い花色もある品種です。

育てやすさ★★★☆☆
花の咲き方ポンポン咲き
花径約5cm

③松本シリーズ

サカタのタネ 実咲花6059 アスター 松本 ホワイト 00906059

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サカタのタネという会社が販売している松本シリーズは、茎が丈夫なのが特徴です。耐暑性があり立枯病になりにくく、花壇や寄せ植えに彩りを与えてくれます。松本シリーズには「松本ホワイト」や「松本イエロー」「松本スカーレット」など、さまざまな色があります。

育てやすさ★★★★☆
花の咲き方ポンポン咲き
花径約5cm

④ポンポンシリーズ

盆栽の種アスターポンポンブルー100フラワー

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ポンポンブルーは花が密集して咲く、万重咲き(まんじゅうざき)という性質を持つ品種です。花もちがよいので、夏の切り花におすすめです。菊の中でも珍しい青い花を咲かせるため、洋風・和風問わず重宝されています。

育てやすさ★★★☆☆
花の咲き方万重咲き
花径5cm~6cm

⑤シャギーシリーズ

ほとんどの品種は花径3cm~5cmの小ぶりの花をたくさん咲かせますが、シャギーシリーズは花径8cm前後の大ぶりの花を咲かせるのが特徴です。落ち着いたシックな花色が多く、フラワーアレンジメントや供花によく使われています。花の形も独特で、一輪だけでも存在感がある品種です。

アスターの育て方①時期

Photo byBru-nO

植え付けから開花までの時期

種まきの時期 3月~4月、9月~10月
植え付け時期 3月~5月
花が咲く時期/開花時期 7月~9月

アスターの植え付け時期は?

アスターの植え付けは、春に行います。適期は、3月~5月ごろです。

アスターの開花時期は?

品種にもよりますが、主に7月~9月ごろです。

栽培スケジュールカレンダー

時期1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
種まき
植え付け
肥料
開花時期

栽培適期は?

アスターを種から育てる場合は、春まきがおすすめです。暖地であれば秋まきも可能ですが、寒くなって気温が下がってくると発芽しにくくなるので、春まきで栽培するとよいでしょう。春まきにすると冬越しの対策が必要ないので、初心者にもおすすめです。またアスターがかかりやすい立枯病は、梅雨から夏にかけてよく発生します。病気になりやすい時期までに元気に育てられれば、病害虫も発生しにくくなります。

アスターの育て方②栽培環境

Photo bySuppenkasper

栽培方法

アスターは、プランターや鉢植え、花壇で栽培できます。小さめの鉢やプランターで育てると草丈が低くまとまり、寄せ植えに使いやすくなります。

育てる場所

アスターは、日当たりがよく風通しのよい場所を好みます。日当たりが悪い場所で管理すると成長が悪くなり、病害虫が発生しやすくなります。またアスターは連作を嫌うので、以前アスターを栽培した場所は避けましょう。鉢植えの場合も同じ鉢は使わないようにして、用土を新しくするか、栽培の間隔を5年以上あけるようにします。

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用土

アスターには、中性の用土が適しています。地植えの場合は、植え付け前に石灰などを混ぜ込み中性にしましょう。さらに腐葉土を混ぜると水はけがよくなり、花つきもよくなるのでおすすめです。鉢植えの場合は市販の培養土を使うか、赤土玉と腐葉土を6:4の割合で混ぜたものを使用してください。

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アスターの育て方③管理のポイント

Photo byCapri23auto

水やり

鉢植え

アスターは、多湿に弱く乾燥気味を好みます。しかし花芽をつけるまでの期間に乾燥が続くと、草丈があまり伸びず、株も弱ってしまいます。花芽をつけるまでは、鉢底から水が流れ出るくらいたっぷりと水やりをして乾燥しないように管理してください。花芽がついてきたら、やや乾燥気味に管理します。花の部分が水にあたってしまうとしぼんで枯れてしまうので、水やりは葉や花芽に当たらないように土にそそぐように行います。

地植え

地植えの場合は、ほとんど降雨だけで十分です。ただし、雨が降らない日が続いて乾燥しているときは水やりしましょう。

肥料

アスターは、肥料を与えることで花つきがよくなります。植え付けのときに元肥として、緩効性の化成肥料を混ぜておくとよいでしょう。その後は、花芽がつくまで薄めた液体肥料を1週間~10日に1回与えます。固定肥料の場合は、1ヶ月に1回の頻度でOKです。

害虫対策

アブラムシ

アブラムシは、花やつぼみの汁を吸って植物を弱らせる害虫です。アブラムシが発生すると株の生命力が弱まり、最悪の場合枯れてしまいます。アブラムシが発生したら、捕殺するか薬剤を散布して対処してください。またアブラムシは風通しがよく日当たりのよい場所を嫌うため、管理場所を見直すのもよいでしょう。

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ウリハムシ(ウリバエ)

ウリハムシはウリバエとも呼ばれる害虫で、葉や花を食害します。ウリハムシは早く駆除しないとどんどん増えてしまうので、食害を見つけたら捕殺して対処します。専用の薬剤を散布するのも効果的です。

病気対策

立枯病(たちがれびょう)

立枯病は、カビが原因で発生する病気です。立枯病にかかると成長が悪くなり、病気が進んでいくと葉が黄化して最終的には株全体が枯れてしまいます。病気になった部分を見つけたら、周りに感染を広めないために株ごと取り除いて処分します。立枯病は連作をすると発生しやすくなるので、連作は避けましょう。また酸性の土壌にも発生しやすいので、石灰などを混ぜて中性になるように調整します。

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花後の管理

夏以降、花が枯れてきたら花がらを摘みます。枯れた花をつけたままにしておくと病害虫が発生しやすくなり、ほかの株にも被害が及ぶ可能性があります。

アスターの育て方④詳しい栽培方法

Photo byMarjonBesteman

種まき

春まき

春に種まきを行う場合は、3月~5月が適期です。用土にあらかじめ水分を含ませて湿らせておき、種まき後は乾燥に注意して管理します。発芽後、混みあっている部分は間引きして、本葉が3枚~5枚程度まで育ったら庭や鉢に植え付けます。庭や鉢に植え付けるときは、苗との間隔を15cm程度離しましょう。

秋まき

アスターはそこまで寒さに弱くありませんが、霜には注意が必要です。そのため寒冷地など凍結のおそれがある地域では、秋まきは避けたほうがよいでしょう。もし秋まきをした場合は、マルチングなどで防寒して霜対策をします。発芽後の管理は、春まきと同様です。

苗の選び方

アスターは種からも育てられますが、苗から栽培するほうが簡単です。苗は根がよくはっているものを選び、病害虫がついていないか確認してください。

植え替え

アスターは一年草なので、植え替えの必要はありません。

冬越し

種を秋まきした場合は、霜に注意します。マルチングなどで防寒対策をするのがおすすめです。

増やし方

種まき

アスターのおすすめの増やし方は、種まきです。花後に採取した種を秋にまくか、次の春にまいて増やします。

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