アスターとは
お彼岸のお墓参りのときにお供えする花として馴染み深いアスターは、キク科の園芸植物です。寒い地方に分布を持つため、別名「蝦夷(エゾ)菊」とも呼ばれています。切り花としての長い歴史を持つ植物で、江戸時代から改良を進めてきた品種の多様さも特徴のひとつです。花の大きさや咲き方もさまざまで、花の色も白色やピンク色、赤色、青色などいろいろな種類があります。
学名 | Callistephus(カリステファス) |
和名 | 蝦夷菊(エゾギク) |
別名 | アスター、薩摩菊(サツマギク) |
科属名 | キク科エゾギク属 |
原産地 | 中国 |
開花の時期 | 7月~9月 |
花の色 | 赤、ピンク、黄、オレンジ、白、青、紫など多数 |
アスターという名前の由来
花の名前である「アスター」は、ギリシャ語で「星」の意味があります。花びらの形が星のようになっていることにちなんだものです。学名はCallistephus(カリステファス)といって、こちらは「美しい冠」という意味を持った言葉です。愛らしい花姿に似合う、素敵な名前ですね。
アスターの花言葉
たくさんの花色を持つアスターには、その色ごとに花言葉があります。おしゃれな言葉や堂々とした言葉など、バリエーションも豊富です。同じアスターでも色によってずいぶんと印象が変わるので、比べてみるのも楽しいですよ。
アスターの花言葉①アスター全般
どの色のアスターにも共通してつけられている花言葉は「信じる心」「同意」「美しい追憶」「あとの祭り」です。「好き、嫌い…」とつぶやきながら花びらをちぎる恋占いはマーガレットの花を使うのが定番ですが、昔はこの占いにアスターの花も使われていました。「信じる心」という花言葉の由来には、そういった背景も隠れているようですね。
アスターの花言葉②赤色
「変化」
赤いアスターには「変化」という花言葉がつけられています。アスターは原産地の中国からヨーロッパへと送られ、たくさんの品種がつくられました。「変化」という花言葉は、そうした改良を重ねた歴史にちなんでいます。
アスターの花言葉③ピンク色
「甘い夢」「淡い恋」
ピンク色のアスターは、「甘い夢」「淡い恋」というロマンチックな花言葉です。初恋をイメージするような、可憐な姿にふさわしい花言葉ですね。
アスターの花言葉④青色
「信じているけど心配です」
「信じているけど心配です」という奥ゆかしい花言葉があてがわれているのは、青色のアスターです。アスター全般の花言葉としてご紹介した「信じる心」から派生した花言葉ですね。献身の心や、あたたかく見守る気持ちを伝えたいときの贈りものにおすすめです。
アスターの花言葉⑤紫色
「恋の勝利」
数あるアスターの中でもひときわおしゃれな紫色のアスターは、「恋の勝利」という堂々とした花言葉を持ちます。ほかに「私の愛はあなたの愛よりも深い」という花言葉もつけられていますが、こちらも自信に満ちていて格好良い雰囲気ですね。紫色のアスターには、青色とは違った形の献身があらわれています。
アスターの花言葉⑥白色
「信じてほしい」
真っ白で清楚な雰囲気のアスターには、「信じてほしい」という花言葉があります。誤解を解きたいときに贈るのもいいですし、青色のアスターと合わせたさわやかなブーケにするのも素敵です。相手をあたたかく見守る気持ちや、ポジティブな意味で自分のことを信じてほしいという気持ちが伝わりそうですよね。
アスターの種類
愛らしい姿で昔から世界中で歓迎されてきたアスターは改良も盛んで、いろいろな園芸品種があります。代表的なものを、何種類かご紹介します。ポンポン咲きがかわいらしい「彗星」や、小ぶりの花が可憐な「姫アスター」など、紹介するもの以外にもたくさんの品種がありますので、ぜひ好みのアスターを探してみてくださいね。
アスターの種類①松本イエロー
花径5cmほどの、平均的な大きさのアスターです。茎が丈夫なことが特徴で、アスターがかかりやすい「立枯れ病」にも強いのが嬉しいところです。夏の暑さにも強いため、お盆の切り花としても活躍します。
アスターの種類②シャギーディープローズ
アスターの中でもひときわ大輪の華やかな品種で、花径は8cmにもなります。シャギーシリーズの花色はシックなものが多く、ディープローズも落ち着いたバラのような色がアレンジメントをおとなっぽく演出します。
アスターの種類③ハナパープル
花径3cm弱と小ぶりな品種がハナパープルです。一重咲きであることもあり、控えめな印象があります。フラワーアレンジメントでは主役を引き立てる名脇役として大活躍です。
アスターの種類④ステラトップブルー
ステラトップブルーもフラワーアレンジメントに適した品種です。半八重咲きの品種なので、ボリューム感があることが特徴です。青と紫の中間のような、奥深い色味で人気があります。
アスターの種類⑤ポンポンブルー
万重(マンジュウ)咲きという、花が密集した咲き方をする品種です。青色は菊には珍しい発色なので、アレンジメントにもよく使われています。和風にも洋風にも似合う色合いですね。
まとめ
長い歴史の中で改良を重ねるうち、たくさんの品種を持つようになったのがアスターです。咲き方や花の色、花の大きさによって印象ががらりと変わるのがおもしろいですね。お盆のお供えのイメージが強いかもしれませんが、ご紹介したとおり花言葉は素敵なものがたくさんあります。歓迎会や送別会などで贈る花束に使うのもおすすめですよ。
出典:BOTANICA