キンメツゲはモチノキ科に分類されている、日本が原産の植物です。名前のとおり金色に輝く新芽が特徴で、鉢植えや寄せ植えだけでなく、庭のシンボルツリーや生垣に幅広く利用されています。
園芸部類 | 庭木、花木 |
形態 | 常緑性低木 |
樹高・草丈 | 1m〜2m |
花の色 | 黄色、クリーム色 |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 強い |
特性・用途 | 常緑性、生垣、初心者向け、耐寒性が強い |
栽培難易度 | ★☆☆☆☆ |
キンメツゲは、春のはじめに金色の花芽をつけるのが特徴です。太陽の光に照らされてキラキラと輝く様子が美しく、枝が密集して育つ性質を利用して生垣としても人気があります。樹高が10mほどまで大きく成長する「イヌツゲ」を小ぶりに改良した園芸品種で、1m〜2mほどのコンパクトなサイズに収まるのが魅力です。
名前の由来は?
キンメツゲは「イヌツゲ」の園芸品種で、イヌツゲの中でも新芽が金色なのが特徴です。そのため「金芽柘植(キンメツゲ)」という名前がつけられました。
花言葉は?
キンメツゲには「禁欲主義」「堅固」「淡白」という花言葉がついています。キンメツゲの幹は、将棋の駒や髪をとかす櫛の材料としても利用されている木材です。その性質から、しっかりしていて丈夫であるという意味の「堅固」という花言葉がつけられました。
イヌツゲ
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イヌツゲはキンメツゲの元になっている植物です。成長スピードが速いのが特徴で、次々と枝を伸ばして葉をたくさんつけるため、生垣としても利用されています。こんもりとした丸い形に剪定するのが人気です。
樹高 | 10m |
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形態 | 高木 |
庭木:マメツゲ
参考価格: 3,850円
マメツゲは葉が丸みを帯びており、葉の中心部分に膨らみがあるのが特徴です。さまざまな方向に枝分かれするため、こまめに剪定しながら管理します。新芽が赤みを帯びており、初夏には白色の花を咲かせる植物です。
樹高 | 1m〜1.5m |
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形態 | 低木 |
植え付け時期 | 4月〜6月、9月〜10月 |
植え替え時期 | 4月〜6月、9月〜10月 |
肥料の時期 | 2月 |
剪定の時期 | 3月〜10月 |
花が咲く時期/開花時期 | 5月〜6月 |
キンメツゲは地植えでも鉢植えでも育てられます。耐暑性や耐寒性が強く、庭のシンボルツリーや生垣にもおすすめです。地植えで育てると樹高が2mほどまで大きくなるため、広いスペースを確保してから植え付けましょう。小さく剪定しながら管理すると、鉢植えでも育てられます。風にあおられて倒れないように、重みのある鉢を使用してください。
キンメツゲは、日当たりと風通しのよい場所で管理してください。日当たりが悪いと、枝だけが間延びして樹形が乱れてきます。また、葉が密に茂る性質があるため、風通しのよい場所で育てて病害虫被害を予防しましょう。室内で育てる場合は、レースのカーテン越しの窓辺など、適度に日光の差し込む置き場所がおすすめです。
葉が黄色く変色する場合は?
キンメツゲの葉が黄色く変色する場合は、葉全体にしっかりと日光が当たっているかを確認してください。日光がまったく当たらない場所で育てると、葉が黄色く変色し始め、やがて枝ごと枯れてきます。鉢植えの場合は、半日以上日光の当たる場所に移動させましょう。
キンメツゲは排水性が高く、栄養分をたっぷりと含んだ肥沃な土を使用して育てます。市販されている「花木用培養土」を使用してもかまいません。自分で配合する場合は、赤玉土の中粒と完熟腐葉土をよく混ぜ込んだ用土を使用してください。
地植え栽培する場合の用土作りは?
キンメツゲを地植えで育てる場合は、苗を植え付ける前に腐葉土や堆肥をたっぷりと混ぜ込んでおきましょう。粘土質の用土にそのまま植え付けると、根腐れを起こして枯れる恐れがあります。地面の用土をしっかりと耕して、ふかふかの状態にしてから植え付けるのがポイントです。
キンメツゲを地植えで育てている場合は、完全に根付いてしまえば降雨のみで十分です。しかし、雨がまったく降らずに地面が乾燥しすぎているようならば、様子をみながら水を適量与えてください。植え付けてから2年未満の苗木の場合は、水切れを起こすと下葉から枯れ込んでくるので注意しましょう。
鉢植えの場合の水やりは?
キンメツゲを鉢植えで管理している場合は、土の表面が乾燥したら、鉢底から水が流れ出る程度にたっぷりと水やりをします。多湿の環境が苦手なため、受け皿に溜まった水はすぐに捨てて、用土が乾きやすいようにするのがコツです。
キンメツゲは比較的丈夫な植物のため、肥料を与えなくても問題なく育ちます。しかし、株を大きくしたい場合や、成長が滞っている場合には肥料を与えてもかまいません。2月に寒肥として、鶏糞や油かすなどの有機質肥料を株元に適量与えましょう。
ハダニは、葉の裏側などの見つけにくい場所に発生する害虫です。集団で寄生する性質があるため、発見が遅れると大量発生している恐れがあります。発見したら殺虫剤を散布して早めに駆除しましょう。水が苦手な性質を利用して、定期的に葉水を行うとハダニの発生を予防できます。
ハマキムシは漢字で「葉巻虫」と表記されます。名前のとおり葉を巻いたり、つづりあわせたりしてキンメツゲの葉を食害するのが特徴です。葉の光合成が妨げられて、株が弱ったり枯れたりします。薬剤を散布しても葉の内側まで届きにくいので、葉を広げてから箸などを使用して直接つまんで駆除してください。
枝枯病は、春〜初夏にかけて発生しやすい病気です。枝梢に発生するのが特徴で、感染した部分や茶色や褐色に変色し、どんどんと枯れ込んでいきます。ハマキムシなどに食害された部分から菌が侵入して発生するので、早めの害虫駆除が必要です。感染した部分は薬剤を散布しても治せないため、早めに切り取って処分しましょう。
キンメツゲは花後に花がらを放置すると、葉や枝に花がらがくっついてカビが発生したり、見た目が悪くなったりします。花後はこまめに花がら摘みを行い、株を清潔に保ちましょう。
キンメツゲを苗木の状態で購入する場合は、葉につやがあり枝が太くて丈夫な苗木を選びましょう。葉の裏側までしっかりとチェックして病害虫被害を受けていない苗木を購入してください。春に購入する場合は、花芽のたくさんついている苗木を購入するのがおすすめです。
植え替えは、植え付けと同じ4月〜6月か9月〜10月に行います。根を傷つけないように丁寧に掘り起こし、根についている古い用土を落としてください。ひと回り大きな鉢に新しい用土を入れてから植え替えます。完全に根付くまでは水切れを起こさないように、毎日水やりをしましょう。
植え替えは必要?
キンメツゲを地植えで育てている場合は、植え替えの必要はありません。鉢植えの場合は、根詰まりを防ぐために2年〜3年に1回は植え替えます。健康な株に育てるには、根が腐っている部分を切り取ってから植え替えるのがポイントです。
キンメツゲは成長スピードが速いため、3月〜10月にかけて気になったときにいつ剪定してもかまいません。萌芽力が強く、次々と新芽を伸ばして成長していくため、小ぶりな状態で育てたい場合は樹高の半分程度まで切り戻しましょう。猛暑日に剪定を行うと、株が弱る可能性があるので注意が必要です。
キンメツゲは耐暑性が強く、夏越しに必要は準備はとくにありません。
キンメツゲは耐寒性が強いため、屋外で地植えのままでも冬越しが可能です。しかし、寒冷地の場合、葉に雪や霜が当たると、株が弱ったり枯れたりする恐れがあります。そのため、ビニールやバークチップを利用して、マルチングをしてから冬越しさせると安心です。鉢植えの場合は、雪や霜が当たらない軒下へ移動させましょう。
キンメツゲの挿し木は7月〜8月に行いましょう。若くて健康に育っている部分を選び、先端から15cm〜20cmほどの長さで切り取ります。切り口を水に挿して、たっぷりと水を吸わせておくのがコツです。水揚げしたら赤玉土などの挿し木用の用土に挿してください。発根するまでは水切れに注意しながら、風通しのよい日陰で管理します。
キンメツゲは花後に種子をつけるため、種まきでも増やせます。種を採取する場合は、花後の剪定を行わず、立ち枯れるまでそのまま育ててください。10月頃に種子が熟してくるため、種子が黒くなったら花茎から切り取ります。種子を軽く振って中から種を取り出し、種が湿っているうちに種まきをしましょう。種が乾燥すると、発芽率が低くなるので注意してください。
キンメツゲ
参考価格: 8,400円
キンメツゲは、名前のとおり金色の新芽をつける常緑性低木です。金色の輝く新芽が庭に明るい印象を与えてくれます。育て方が簡単で、ガーデニング初心者でも気軽に育てられるのが魅力です。
樹高 | 1m〜2m |
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おすすめ度 | ★★★★★ |
出典:写真AC