シルクジャスミンは、沖縄や東南アジアなどを原産とする熱帯の常緑低木です。柑橘系のよい香りをただよわせるかわいい白い花とシルクのような光沢のある葉が魅力的です。日本では観葉植物や寄せ植えにしたギフトとしても人気があります。
園芸部類 | 観葉植物、鉢花、庭木 |
形態 | 常緑低木 |
樹高・草丈 | 約10cm〜3.5m |
花の色 | 白 |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 強い |
特性・用途 | 常緑性、柑橘系の甘い香りを漂わせる |
栽培難易度 | ★☆☆☆☆ |
シルクジャスミンの大きな特徴は、柑橘のような甘い芳香のある花を咲かせるところです。観賞だけでなく香りを楽しめるのが魅力といえます。また、丸っこく濃い緑色の葉は、表面にシルクのように上品な光沢をまとっていることも特徴的です。開花が終わる秋ごろには食用にもできる赤い実もなります。
「シルクジャスミン」の名前の由来は、葉の表面のシルクのような光沢と、ジャスミンの花に似ていることからきています。また、別名の「月橘」は、白い花が咲くと月夜に柑橘系の甘くよい香りをただよわせる様子が由来です。
カレーリーフ
参考価格: 880円
カレーリーフは「オオバゲッキツ」とも呼ばれるシルクジャスミンの仲間です。また、名前のとおり葉がカレーのようなスパイシーな香りで、インドカレーなどのスパイスとしてもよく使われます。
種まき時期 | 8~10月 |
植え付け時期 | 4~7月・9~10月 |
植え替え時期 | 4~7月・9~10月 |
開花時期 | 6〜9月 |
シルクジャスミンの植付け・植え替えは春~初夏または秋ごろが適期です。植付け・植え替え後は生育期に入るため、真夏では水切れのおそれ、真冬では多湿による根腐れなどを引き起こしてしまう可能性があります。株が弱るのを防ぐためにも真夏・真冬は避けましょう。
シルクジャスミンは鉢植え・庭植えが可能です。鉢植えでは、買ってきた苗より一回り大きい鉢に、根鉢から1/3くらいの土を落とした苗を新しい土とともに植えつけましょう。庭植えは、買ってきた苗が大きくなるまではまず鉢植えで育て、ある程度苗が大きくなってきたら庭に地植えをします。
シルクジャスミンは耐寒性もあるので、屋内外で栽培できます。室内では日当たりと風通しのよい窓辺で、屋外では日当たりと風通しのよい所で育てましょう。冬は霜に注意が必要です。また真夏の直射日光は葉が焼けて枯れてしまうことがあるため、レースのカーテンや簾などで日差しを調整しましょう。
シルクジャスミン水はけのよい土を好むため、手作りの用土を使うときは赤玉土と腐葉土を7:3の割合で混ぜて使います。鉢植えの場合は市販の培養土でも問題ありません。地植えの場合は、もとからある土に堆肥や腐葉土を混ぜて2週間ほどおいた土を使いましょう。
水やりは、土の表面が乾いたらたっぷりあげましょう。夏は朝1回・夕1回など涼しい時間にこまめに与えて土が乾ききらないように注意してください。冬は土の中まで乾いてきたら水やりします。また、週に1回くらいは霧吹きや濡れタオルなどで、葉に直接水分を与えるとより元気に育ちます。
肥料は、春~秋の生育期に与えます。固形の緩効性肥料は2カ月に1回くらい株元に置き、観葉植物や花用の液体肥料は1カ月に1回程度与えましょう。肥料の与え過ぎも枯れる原因になるため注意が必要です。
シルクジャスミンには、アブラムシ・カイガラムシ・ハダニ・ケムシなどの害虫がつきやすいです。虫がつくと葉や花、実などが食害されて枯れやすくなるため、見つけたらすぐに園芸用の殺虫剤などで駆除してください。屋外栽培では香りに誘われて蜂がくることもあり、刺されないよう注意が必要です。
シルクジャスミンは「炭疽病(たんそびょう)」と「うどん粉病」にかかりやすいです。どちらの病気も原因はカビによるもので、栽培環境が高温多湿または乾燥し過ぎ、土や葉の風通しが悪いと発生しやすくなります。病気を見つけたら、病気の葉や茎、花や実をすぐに摘み取りましょう。
花後は、枯れ残った花の摘み取りと散った花びらの掃除をしましょう。枯れ残った花は、余分な養分を吸収しないように摘み取ります。花が終わった後には赤い実ができ、その実から種を取り出して、また新たに育てることもできます。
種まき時期は、8〜10月です。種は花が咲いた後にできる実からとり出し、きれいに洗いましょう。育苗ポットや育苗箱に赤玉土と少量のバーミキュライトを入れて霧吹きで水を与えた後、土に凹みを作り種をまいて土を軽くかぶせます。毎日水やりをして、発芽するまでは日差しで乾燥しないように日陰で育ててください。
シルクジャスミンの苗を選ぶときは、葉が鮮やかな緑色で光沢のあるものを選びましょう。また節の間隔が短く、全体的にまとまりのあるものが健康な苗です。虫食いや病気があったり、葉に元気がなかったりするものは避けましょう。
種から育てているシルクジャスミンの育苗中は、毎日水やりをします。水切れ・水の与え過ぎにも注意してください。発芽するまでは日陰で育てますが、発芽後は直射日光を避けた日当りのよい所で育てます。また、苗がある程度大きくなったら植木鉢やプランターに植え付けましょう。
シルクジャスミンの植え替え適期は4〜7月です。1〜3年に1回程度のペースか、根が鉢全体に張って土の表面に根が出てきたら植え替えます。今までの鉢よりもさらに一回り大きな鉢に、根鉢から1/3ほどの土を落とした苗を新しい土とともに植え付けて、たっぷり水を与えましょう。
シルクジャスミンの剪定は、5〜10月の生育期が適しています。葉や枝が密集している箇所は、丈夫そうな葉や枝を残して剪定しましょう。分散していた養分を必要なところに集中させられるため、より元気に育ちます。剪定によって風通しもよくなり、虫・病気対策としてもおすすめです。
夏越しで気をつけたいのは、土の乾燥と高温多湿、日当りです。水やりは朝1回・夕1回とこまめに行い土が乾ききらないようにします。しかし、水の与え過ぎと気温の上昇による根腐れには注意が必要です。また、真夏の直射日光は葉が焼けてしまうため避けましょう。
冬越しで気をつけたいのは、寒さと気温の差、葉の乾燥です。気温が0℃以下になると根が凍結し、葉や茎に霜がつくと枯れやすくなります。また室内でも朝晩の寒暖差があると、自ら葉を落としてしまうため、寒い地域では室内栽培に、なるべく室内でも5℃以上の一定の気温が保たれるように管理しましょう。
シルクジャスミンは種から育てる方法以外にも、5〜8月に「挿し木」で増やせます。若い枝を10cmの長さに切り取り、枝先から1/3までは葉を残し、残りの葉は落とてください。平たい鉢や育苗ポットに赤玉土と少量のバーミキュライトを入れて水で湿らしたら枝を挿して育てましょう。