南国の雰囲気が漂うバナナの葉っぱにもよく似た、ストレリチア・オーガスタは観葉植物としても鉢植えとしても人気のある植物です。極楽鳥のような不思議な花を咲かせるのが特徴で、開花期間が長いことも人気の理由でしょう。幅を取らないスリムなスプーン状の葉を楽しむ、ちょっと珍しい品種も増えていますよ。
園芸部類 | 観葉植物 |
形態 | 常緑性多年草、熱帯植物 |
樹高・草丈 | 40cm〜2m(自生地では10m) |
花の色 | 白、黄色、オレンジ |
耐寒性 | やや弱い |
耐暑性 | 強い |
特性・用途 | 開花期間が長い |
栽培難易度 | ★★☆☆☆ |
ストレリチアにはオーガスタのような幹が太くとても背が高くなる品種と、レギネのような太い幹のない2mぐらいのややコンパクトな品種があります。葉っぱには筋があり、葉が裂けて傷みやすいのも特徴です。柔らかく繊細な新芽は、葉が巻かれた状態で伸びていきます。葉水(葉に霧吹き)をたっぷりして、きれいに開かせましょう。
学名にもなっているストレリチアは、19世紀にイギリスのキューガーデンの拡大に貢献した、王妃シャーロットの出生したシュトレーリッツ家にちなんで名付けられたものです。和名の極楽鳥花は美しい飾り羽を持つ、極楽鳥の雄の姿に例えて名付けられました。観葉植物としてはオーガスタという名前が付いていますが、実際には違う植物の名前です。
オーガスタという名前で見かけることが多いですが、品種名はストレリチア・ニコライという大型種です。ニコライはバナナのように太い幹になり、自生地では丈が10mほどに成長します。剪定や仕立て直しでバランスよく整えましょう。
ストレリチア・レギネ(レギナエ)は草丈が1〜2mのコンパクトで育てやすい品種です。レギネの株が大きく充実してきたら、日当たりよく管理すると花を咲かせます。
■ストレリチア ノンリーフ■ユンケア3.5号ロング2株立ち
参考価格: 3,238円
ストレリチア・レギネ・ユンケアは、中心から左右に長く伸びたスプーン状の葉が特徴です。ユンケアはやや成長が遅く、新しい葉がだんだん小さくなっていくため、ノンリーフとも呼ばれています。
レア度 | ★★★ |
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サイズ | 3.5号鉢(直径10.5cm)高さ 40cm〜1m |
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植え付け時期 | 4〜10月 |
植え替え時期 | 5〜7月 |
花が咲く時期/開花期間 | 5〜10月 |
肥料を与える時期 | 4〜10月 |
1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | |
植え付け | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | |||||
植え替え 株分け |
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開花期間 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ||||||
肥料 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | |||||
休眠期 | ● | ● | ● | ● | ● |
ストレリチアの栽培適期は春から秋です。観葉植物として鉢植えで出回ることが多く、5〜10月にオレンジ色の極楽鳥に似た花を咲かせます。日当たりのよい暖かな場所で育てると、花芽の出がよくなります。
ストレリチアの栽培方法は鉢植えです。霜の当たらない温暖な地域では庭植え(地植え)も可能ですが、長雨で根腐れを起こしやすいので鉢植えで育てます。根の成長が旺盛なため、スリムやロングタイプの鉢がバランスもよくおすすめです。
ストレリチアを育てる場所は、レースのカーテン越しに日が当たる明るく暖かい室内が最適です。特に春から秋の成長期は日当たりのよい場所で、徒長(株が間延びする)を防ぎます。熱帯性のストレリチアは、冬は室温を5℃以上に保って管理しましょう。
ストレリチアは春から秋にかけては、屋外でも育てられます。直射日光と雨が避けられる屋根下(軒下)で、30〜50%の遮光ネットを使います。最低気温が15℃を下回るころ、室内に移動して冬越しさせましょう。
ストレリチアを植え付ける用土は、赤玉系の観葉植物の土が最適です。園芸用土を配合する場合は、赤玉土の中粒3:鹿沼土の中粒3:pH調整済みピートモス3:パーライト1の割合をおすすめします。ロングタイプの鉢には鉢底石を多めに入れて、水はけと通気性をよくしましょう。
ストレリチアの水やりはメリハリをつけて行います。特に梅雨時期は土の表面が乾いていても、中は湿った状態です。水やりは日数の間隔を空けて、受け皿に水を溜めず与えるときはたっぷりと水やりするのがコツです。葉の裏表に葉水(霧吹き)をして、葉の傷みや病害虫の発生を防ぎましょう。冬の休眠中は水やりの量と間隔を控えめにします。
ストレリチアの肥料は花付きの株なら花の肥料を、4〜10月に与えます。肥料は固形肥料・液体肥料どちらでも大丈夫です。固形肥料は1〜2ヶ月に1回、液体肥料は1週間〜10日に1回が目安です。葉だけの株なら観葉植物の肥料を、年に2回春と秋に与えます。
ストレリチアの栽培で注意したい害虫は、アブラムシ・ハダニ・カイガラムシです。購入するときは葉裏までよく確認して、病害虫のない健康な苗を選びましょう。特に育てる環境を変える場合、殺虫殺菌スプレーで予防と対策をしておくと安心ですね。
ストレリチアの栽培で注意すべき病気は、特にありません。
ストレリチアの花後の管理は、花茎の剪定です。花を咲かせっぱなしにして栄養を取られるまえに、根元近くで切り取って切り花として楽しみましょう。
ストレリチアの選び方は病害虫の発生していない、葉の色合いが濃くたくさん付いているものがよいでしょう。ひとつの鉢に芽が2〜3つ出ている株がおすすめです。観葉植物のよい苗を探すなら、春から夏が最適です。
ストレリチアの植え替えは5〜7月に、1〜2年に1回のタイミングで行います。用意するものは、用土・鉢底石・鉢底ネット・鉢です。根の張り具合を見て、必要であれば一回り大きな針に植え替えましょう。
ストレリチア・オーガスタのように大きくなる品種は、剪定して形をきれいに整えるのがポイントです。外側の古い葉や切れたり傷んだりしている葉を、根元近くで切り取ります。全体に丈が高くなりすぎてしまったら、仕立て直しがおすすめです。仕立て直しは5〜7月に植え替えと同時に行う作業で、新芽を残して他の葉を株元から20〜30cmの高さで剪定します。
ストレリチアの冬越しは室温を5〜15℃に保ち、昼間はレースのカーテン越しに日が当たる場所に置きます。水やりは量と頻度を控えめにして、根腐れを防ぎましょう。
ストレリチアの増やし方は株分けです。株分けの時期は5〜7月に植え替えと同時に行います。1鉢に芽数が2〜3つになるように、切り分けて植え付けます。植え付ける鉢の大きさ(面積)を大きくしすぎない方が、根腐れが防ぎやすくおすすめです。
出典:Unsplash