はじめに
コアラの主食として有名なユーカリですが、その葉に含まれる油を抽出したものをユーカリオイルといいます。ユーカリオイルには消臭剤として日用品になるだけでなく、医薬品としての効能も期待できます。(なお、植物には、芳香成分を含んだ油が含まれており、それらを抽出したものを精油(エッセンシャルオイル)とよびます。)本記事ではその効能や使い方について紹介します。
ユーカリオイルの特徴
ユーカリオイルは、ユーカリの樹の葉から抽出されたオイルであり、ミントに似た爽やかな香りがします。オーストラリアでは、スーパーでも日用品として手に入る、生活に欠かせない必需品です。
基本情報
抽出部位 | 葉 |
抽出方法 | 水蒸気蒸留法 |
精油の色 | 無色 |
粘性 | 低い |
ノート | トップ |
香りの系統 | 樹木系 |
芳香成分 | 1.8-シオネール |
香りの特徴
ユーカリのエッセンシャルオイルはハッカやペパーミントに似た、シャープで爽やかな香りがします。ミントなどに比べるとその爽やかさは強く、緑豊かな森林浴をしている感じがするグリーンな香りです。ユーカリといっても、品種の異なる5種類のユーカリの樹があり、種類ごとに香りが少しずつ違います。ユーカリ・グロブルスが最もポピュラーなユーカリオイルになります。
ユーカリオイルの効能
オーストラリア原住民族のアボリジニは傷や病気の治療薬とユーカリの葉や樹皮を薬草として昔から使っておりました。世界的にみても、ユーカリオイルの薬効については認められており、イギリスでは医薬品として取り扱われ、他国でも薬局方やその他の公定書に収載されています。
身体への効能
ユーカリの主成分である1.8-シオネールには、バクテリアやカビ、寄生虫に対して発育や増殖を抑える作用があり『撃退』の精油とよばれています。いわゆる抗菌作用があるため、乾燥した喉の炎症や感染を防いだり、詰まった鼻どおりをよくしたりなど、気管支系への効果に期待できます。
スキンケアの効能
ユーカリには毒性が強いものがあり皮膚には刺激が強すぎるものがあります。ユーカリ・ラディアータはユーカリオイルのなかでも皮膚刺激性が少ないためスキンケア素材として使われています。切り傷や虫刺され、やけどといった炎症を抑える効果があります。
こころへの効能
医薬品のように取り扱われているユーカリオイルですが、エネルギーを与えやる気を起こすアロマテラピー素材としての効果もあります。ユーカリオイルの爽やかな香りは頭をクリアな状態にするため、仕事や運転などの集中力を高めたいときにおすすめの精油です。また、成分は少ないものの、ストレスや緊張緩和を促す芳香成分が含まれているためリフレッシュ作用もあり、憂鬱な気分を吹き飛ばしてくれます。
環境改善の効能
ユーカリオイルの主成分である1.8-シオネールの抗菌作用や消臭作用があるため、家のなかの掃除道具として期待できます。消臭剤として、生ごみや靴の中のにおいを抑えてくれるだけでなく、安全な天然素材ですのでペットトイレの臭い消しとしても使えます。また、虫よけとしての効果もありますので、ダニ避けや肌に塗ることで虫刺されを防ぐことができます。
ボタニ子
次のページではユーカリオイルの使い方について解説していくよ。