「ナス科」とは?代表的なナス科の野菜8つの特徴やレシピをご紹介!

「ナス科」とは?代表的なナス科の野菜8つの特徴やレシピをご紹介!

ナス科には野菜だけでなく、嗜好品やスパイスの原料、園芸用の花などさまざまな種類の植物があります。しかもナス科の野菜には、普段から食卓に並ぶ身近な野菜も含まれます。そこでナス科の基本データや代表的なナス科の野菜8つの特徴・レシピをまとめてご紹介します。

記事の目次

  1. 1.ナス科とは?
  2. 2.ナス科植物の特徴
  3. 3.ナス科の仲間
  4. 4.ナス科の主な野菜と特徴
  5. 5.ナス科野菜を使ったおすすめレシピ
  6. 6.まとめ

ナス科とは?

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ナスといえば、日本でも身近な野菜の一つです。ことわざの中にも登場するほど古くから日本になじみがあるナスですが、一般的にイメージしているナスはナス科植物のほんの一部にすぎません。

115属2,678種が存在

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ナス科に属する植物は、一般的に「ナス」として認知されている野菜だけでもさまざまな種類があります。さらに一見同じ仲間とは思えない野菜の多くもナス科に属していますし、嗜好品であるタバコやスパイスの原料・唐辛子もナス科です。

ナス科植物の特徴

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115属2,678種もあるナス科の植物は、種類によって見た目や活用法が異なりますが、共通する特徴もあります。

ナス科植物の原産地

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世界各国に2,678種も存在するナス科植物は、熱帯地域から温帯地域まで幅広いエリアが原産地です。さらにナス科の植物は品種改良が盛んに行われるため、同じ種類の植物でも多くの品種が存在します。

身近な野菜の多くがナス科

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世界に2,678種類が存在するがナス科植物には、普段の食事にもよく使われる身近な野菜も含まれます。じゃがいもやピーマンはナス科の代表的な野菜ですし、意外なことにトマトもナス科の野菜です。

連作障害を起こしやすい野菜が多い

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ナス科に属する野菜は多いのですが、ナス科の野菜は連作障害を起こしやすい種類が多く含まれます。連作障害は、同じ野菜を同じ場所で栽培しても「生育が悪い」「枯れる」などの症状を起こします。連作障害の原因は複数ありますが、土に害虫がいたり土壌が悪かったりしても起こります。

観賞用の花にもナス科が存在

出典:写真AC

ナス科の植物は、身近な野菜だけではありません。ガーデニングや観賞用の花にもナス科に属しているものは多く、日本でも人気があるペチュニアもナス科を代表する花の一つです。

ホオズキもナス科の花

Photo by TANAKA Juuyoh (田中十洋)

日本では夏の風物詩として有名なホオズキも、実はナス科に属する花の一種です。ホオズキにはアルカノイドやヒストニンなどの毒が含まれるのですが、平安時代には鎮痛剤、江戸時代には堕胎剤などの薬として使われていたことがあります。

見た目がかぼちゃのナス科の花

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小さなかぼちゃのような実をつけるパンプキンツリーは、ハロウィンのディスプレイに人気がある花です。形だけでなく色もかぼちゃにそっくりなパンプキンツリーですが、パンプキンツリーはかぼちゃの仲間ではなくナス科の花として分類されます。

花冠が5つに分かれる

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見た目や活用法が異なるナス科植物が数多く存在しますが、花冠(かかん)の形をみると共通点がみられます。ナス科植物の花冠は5裂するため、花冠の形で同じ仲間か否かを判別できます。ちなみにナス科の代表的な野菜のピーマンは、実を輪切りにすると中が5つに分かれているので、ナス科の仲間とわかります。

ナス科の野菜には毒もある

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ナス科の花であるホオズキに毒があるのと同様に、ナス科に属する野菜にも毒を持つ野菜があります。しかもスーパーでもよく見かける身近な野菜にも、毒が含まれていることがあります。

身近な野菜にも毒あり

ナス科の野菜には日本でもなじみのあるじゃがいもやトマトなどがあるのですが、実はじゃがいもやトマトにも毒はあります。一般的に食用とされる部分に毒はありませんが、じゃがいもの場合は芽や茎、トマトは未成熟なものに毒を含みます。

アレルギー体質の人は要注意

Photo byLoggaWiggler

アレルギー反応を引き起こす原因にはさまざまなことが考えられますが、その一つとされるレクチンが多く含まれているのがナス科の野菜です。そのためアレルギー体質の人は、トマトやナスなどナス科の野菜を避けたほうがよいといわれています。

ナス科の仲間

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数多くの種類があるナス科の植物は、花や実などの特徴や活用法によって大きく5つの種類に分かれます。

ナス科の仲間①ナス属

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食用のナス科植物の多くが、ナス科ナス属に分類されます。日本で「茄子」と表現される野菜はもちろんですが、緑色の野菜の代表とされるピーマンやししとうもナス属の野菜です。

ナス科の仲間②唐辛子属

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世界各国でスパイスの原料として使われている唐辛子は、唐辛子属に分類されるナス科の植物です。ちなみにナス科唐辛子属は、世界各国で数百品種もあります。

ナス科の仲間③タバコ属

出典:写真AC

熱帯地方が原産のタバコは、ナス科タバコ属に分類されます。葉にニコチンを含むため、嗜好品の原料として栽培されています。

ナス科の仲間④チョウセンアサガオ属

出典:写真AC

有毒植物として知られるチョウセンアサガオは、ナス科チョウセンアサガオ属の植物です。園芸用として栽培される種類もありますが、全草にアルカロイド系の毒を含んでいます。

ナス科の仲間⑤ペチュニア属

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南米が原産地のペチュニアは、ナス科ペチュニア属の花です。「ツクバネアサガオ」の和名を持つペチュニアは、古くから日本でも人気がある園芸用のナス科植物です。

次のページでは、ナス科の主な野菜と特徴、ナス科野菜を使ったおすすめレシピをご紹介します。

ナス科の主な野菜と特徴

ナス科の野菜①ナス

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東インドが原産地といわれるナスは、ナス科ナス属の野菜です。日本でも奈良時代には栽培が始められたという記録が正倉院文書に残されており、和食でも人気の野菜です。なおナスの種類は日本国内だけで180種類以上、世界には概ね1,000種類あるといいます。

ナス科の野菜②トマト

フリー写真素材ぱくたそ

ペルーやエクアドルなどアンデス山脈の高原地帯が原産のトマトは、ナス科ナス属の野菜です。緑黄色野菜の代表でもあるトマトは、ビタミンやミネラルを豊富に含みます。また非常に高濃度のグルタミン酸を含んでいるため、旨味が強いのもトマトの特徴です。

イタリアンレッドペアもトマトの仲間

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イタリアンレッドペアは、トマトの仲間です。大きな果実が特徴のトマトで、平均200g~250gの重さがあります。イタリアンレッドペアは果肉が肉厚で、種周辺のゼリー状の部分も少ないのが特徴です。また甘みと酸味が強く香りもよいので、生食だけでなく加熱調理にも適しています。

ナス科の野菜③じゃがいも

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日本では古くから「馬鈴薯(ばれいしょ)」の呼び方で知られているじゃがいもは、ナス科ナス属の野菜です。地下茎にでんぷんを大量に蓄えるため、イモの仲間として広く知られています。なおじゃがいもは、加工品やでんぷんの原料としても活用されます。

ナス科の野菜④タマリロ

出典:写真AC

別名「ツリートマト」「木立ちトマト」と呼ばれるタマリロは、2~8cmの実がなるトマトです。ナス科ナス属の野菜で、パッションフルーツやキウィフルーツのような味がします。最大6mの高さまで成長し大量の果実をつけるため、原産地では貴重な食料として栽培されています。

ナス科の野菜⑤ピーマン

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夏野菜の代表でもあるピーマンは、ナス科唐辛子属の野菜です。ビタミンA・ビタミンCなどのビタミンのほか、ナトリウム・カリウム・カルシウムなどのミネラルも豊富に含んでいます。なお市販されている緑のピーマンは未成熟なため、完熟すると黄色やオレンジに変色することもあります。

ナス科の野菜⑥パプリカ

フリー写真素材ぱくたそ

ピーマンの仲間ですが、色が黄色やオレンジなどカラフルなピーマンは「パプリカ」として分類されます。パプリカはピーマンと同じくナス科唐辛子属の野菜ですが、ピーマンのような辛みはなく肉厚なのが特徴です。

ナス科の野菜⑦ししとう

出典:写真AC

ししとうは正式名称を「獅子唐辛子」といい、ナス科唐辛子属の野菜です。原産地は中南米ですが、ヨーロッパ人がアメリカ大陸を発見したのをきっかけにヨーロッパ経由で世界中に広まったため、日本でも古くから栽培されています。ビタミンCやカロテン、カリウムが多く含まれるのが特徴です。

ナス科の仲間⑧クコ

Photo bybudtobloom

日本や中国など東アジアが原産のクコは、ナス科クコ属の野菜です。クコは葉や果実に薬用効果のある成分が含まれているため、漢方や薬膳料理によく使われます。なおクコの薬用効果の知名度は果実のほうが高いのですが、葉にも毛細血管を強くするといわれるベタインやルチンが含まれています。

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ナス科野菜を使ったおすすめレシピ

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