なぜナスは剪定が必要か?
ナスがたくさん実をつけ続けるには、剪定は欠かすことができません。なぜ剪定が必要なのか詳しく説明します。
①収穫期間を長くする
剪定をせずに栽培を続けていくと、株はどんどん老化してしまいます。剪定をすることで新しい枝が伸び、株は若返り長く収穫ができるようになります。
②枝葉の茂りすぎを防ぐ
剪定をせずに放っておくと、わき芽からたくさん枝を伸ばし、株の姿は乱れていきます。枝が茂りすぎると、葉全体に日光が当たりにくくなるため、光合成の効率が悪くなります。また、蒸れにより病害虫も発生しやすくなるため、剪定によって風通しを確保します。
③大きなおいしい実をつける
枝にたくさん花をつけてしまうと、養分が分散するため実が小さく、味もあまり期待できなくなります。ある程度枝を絞ることで、実を太らせおいしいナスが収穫できるようになります。
ナスの剪定の種類
ナスの剪定には大きくわけて3つの作業があり、適期に行うことで収量を上げられます。詳しいやり方については後述しますが、まずはどんな剪定があるか説明します。
剪定①わき芽取りと整枝
わき芽をそのままにしておくと、株の下の方から枝葉が混みあいます。生育初期にかき切り、主枝と勢いのよい2本の側枝からなる「3本仕立て」で整枝を行います。この作業によって、残した枝へ効率よく養分を集中させることができます。
剪定②摘心
枝を伸ばしたままにすると、次々と花をつけ続けてしまいます。着実に実をつけるためには摘心は欠かせません。なり疲れを防ぎ、枝葉の茂りすぎを予防する効果が期待できます。こまめに摘心を繰り返せば、強く切り戻す必要がなくなり、コンスタントに収穫ができます。
剪定③切り戻し
夏のピークを過ぎると、枝葉は混みあい日当たりが悪くなるとともに、株の勢いも衰えてきます。株が間延びしてしまった場合は、強く全体を切ることで株は若返り、秋には再びおいしいナスを収穫できるようになります。
ナスのわき芽の取り方
枝を切るような剪定ではありませんが、株を仕立てていくための大切な作業です。作業のタイミングとわき芽の残し方を説明します。
1番花の咲く頃がタイミング
1番花が咲いたら作業のタイミングです。6月上旬~中旬が時期の目安になります。
1番花の下の2芽だけを残す
一番花のすぐ下にできるわき芽を2本残し、それより下のわき芽をすべて取り除きます。切るときはハサミは使わず、指でつまんで、ひねるように取ります。この時、枝を傷つけないように注意します。
ナスの整枝の方法
残した枝もそのままでは、株姿が乱れてしまいます。株全体にバランスよく日が当たるよう、整枝を行っていきます。詳しい方法を説明します。
側枝が伸びたらタイミング
1番花の果実が大きくなり、2本の側枝が伸びてきたら早めに行います。
3本の支柱を立てる
植え付け後に1本立てた仮支柱に、交差させた2本の支柱を追加し、ぐらつかないようにしっかりと土中に差し込みます。支柱同士もしっかり結び付けておきましょう。それぞれの支柱に主枝と2本の側枝をそわせ、麻ひもなどでくくりつけます。
ひもは8の字でくくる
「8の字」を描くようにくくりつけます。茎が太ることを考えて、親指1本分くらいの余裕を持たせましょう。きっちりくくってしまうとひもが茎に食い込んで、生育に影響してしまいます。
ナスの摘心の方法
株を疲れさせずに収穫を続けるには摘心をし、収穫後に軽く切り戻すことを繰り返します。詳しい手順を説明してきます。
①花が咲いたら先端を摘心
わき芽から伸びた枝に1、2輪花がついたら、その先を摘心し着果させます。
②収穫後に枝を軽く切り戻す
収穫後は葉を2枚残して、枝を切り戻します。
③再びわき芽が伸びて開花
切り戻しによって再びわき芽が伸びて花がつきます。花がつくたびに同じ手順を繰り返します。
出典:写真AC