ナスの切り戻しの方法
切り戻しで地上部を強く剪定したら、同時に根切りも行いましょう。この時に追肥も与えます。それぞれの作業について説明していきます。
作業目安は7月下旬〜8月上旬
実つきが悪くなってきたら切り戻しのタイミングです。秋までの生育期間を考えて、遅くてもお盆までには作業を終わらせておくとよいでしょう。
①株全体の切り方
1/2から2/3の高さで剪定
草丈が50cm以上伸びている枝をまず剪定します。その次に枝葉が混みあっているところや、病害虫が出ている枝などを順に剪定していきます。葉が全くなくなるような切り方はせず、数枚は葉を残しましょう。株全体が1/2から2/3の高さになることが目安です。まだ実がついているからと、中途半端な切り方をしないことがたくさん収穫するコツです。
②根の切り方
地上部に合わせて地下の根もバランスをとることが大切です。根切りをすることで、新しい根が伸びて株がさらに若返ります。
株元から30cmにスコップを入れる
株元から30cmくらいのところにスコップを入れ、株を1周するように根切りをします。
③肥料のやり方
根切りした位置にまく
根切りした部分は、土が耕された状態になっているので、その位置に肥料をまくのが効果的です。1㎡当たり30gを目安に、化成肥料をまいていきます。
ボタニ子
次はわき芽を使った挿し木の方法をお教えします。
ナスの挿し木の方法
ナスを挿す例はあまり多くはありませんが、挿し木は可能です。上手に育苗し管理すれば、秋にはナスが収穫できます。
わき芽を利用する
挿し木をする場合は、若くて活力のあるわき芽を利用します。挿し穂として使うには、10~15cmの長さが必要になるため、少し伸ばして親株から切り取ります。
適期は6月
親株に勢いがあり、よいわき芽をたくさん出す時期です。また、梅雨時期でもあるため、乾燥しにくく根が活着しやすいメリットがあります。ナスは発根まで1か月近くかかるため、暑さが厳しくなる時期を避け、早めに取り掛かりましょう。
挿し木の手順
①挿し穂を用意する
わき芽が10~15cmほど育ったら、親株から摘み取ります。大きな葉があれば、半分にするか少し枚数を減らし、葉からの蒸散量を減らします。切れ味のよい刃物で、切り口の組織をつぶさないよう斜めに切ります。
②水揚げする
水を入れた容器に挿して、よく水を吸い上げさせておきます。この時、水にメネデールなど発根促進剤を入れておくと発根率があがります。
③清潔な用土に挿す
赤玉土の小粒や挿し木用土などの清潔な用土を用います。肥料入りの培養土は使わないようにしましょう。前もって湿らせておいた用土に、割りばしなどで穴をあけ、切り口が傷つかないように静かに挿します。挿し穂と用土の間にすき間がないよう、埋めて整えます。
④新芽が伸び始めるまで日陰で管理
土を乾燥させないように、風通しのよい日陰で管理します。新芽が動き出したら、発根が始まったサインです。発根したらすぐに地植えせず、ポット上げをして育苗してから植えた方が失敗が少なくなります。
台木から出た芽はどうする?
接ぎ木苗の場合、台木の部分からもわき芽が上がってくることがあります。台木から伸びる芽は勢いよく生育して、枝葉が茂り病害虫の原因にもなるためすべて早めに摘み取ります。放置しておくと異なるナスができてしまうこともあります。
まとめ
秋が早い冷涼な地域では、強い切り戻しを行うと株の回復に時間がかかる場合があるため、こまめな摘心で管理する方が安心です。ご自身の地域にあった剪定をマスターして、秋まで収穫を楽しんでくださいね。
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出典:写真AC