はれひめってどんな品種?
「はれひめ」は、2001年に登録された比較的新しいみかんです。人気の「清見タンゴール」と「オセオラオレンジ」を交配したものに「宮川早生」という品種のみかんを交配させて生まれました。1990年には静岡県の試験場で誕生していたようですが、はれひめの名前が付けられてデビューするまでにはずいぶん時間がかかっています。みかんの誕生には、多くの苦労を乗り越える必要があるようですね。
愛媛県での生産が多い
気候がみかんの生産に合っている愛媛県は「柑橘王国」とも呼ばれています。はれひめの生産も愛媛県が全国シェアトップで、全国のおよそ80%を生産しています。はれひめは、日当たりのよいカラッとした気候を好むため、愛媛県のあとには比較的温暖な広島、和歌山が続いています。いずれもみかんの生産地で有名ですね。
なぜ「はれひめ」の名前がつけられたの?
はれひめは「晴れ姫」とも表記します。みかん栽培では、実が育っていく夏季・秋季に晴れの日が続くのが望まれます。晴れた日が続けば甘く香り高い果実になる、ということから「晴れ姫」と名付けられました。「姫」には、美しく上品なイメージをこめています。また、生産の盛んな愛媛では、一定条件をクリアしたはれひめに「瀬戸の晴れ姫」というブランド名を付けることが許されています。
3品種のよいところを受け継ぐ新品種
3種類の「親」に恵まれたはれひめは、それぞれのよい特徴を受け継いだみかんです。はれひめの果実の味や香りは、3つの品種の特徴がバランスよく表れています。またはれひめは病気にも強く、樹木の勢いもほどほどで、栽培者にとっては手のかからないみかんです。
清見タンゴールとは
清見タンゴールは、4月ごろから市場に出る人気品種です。アメリカのオレンジと日本の温州ミカンを掛け合わせて作られました。みかん(Tangerine)とオレンジ(Orange)を合わせた「タンゴール」という単語と、生まれ故郷の静岡県にある地名の「清見」が名前の由来です。
オセオラオレンジとは
オセオラオレンジは、1942年にアメリカで生まれた品種です。果実は小さめですが赤みの強いオレンジ色が美しく、柑橘系の豊かな香りが特徴です。種がやや多く果実も小さめであることから、栽培量は多くありません。
宮川早生とは
11月ごろからみかんとして市場に出るもののほとんどが、宮川早生といわれます。70年ほど前に偶然発見された品種で、日本人にはなじみ深いみかんです。長い間ロングセラーとして扱われるみかんだけに、扱いやすい特徴をはれひめに伝えたのでしょう。
旬の時期
はれひめの旬は、12月~1月上旬です。はれひめが市場に出るのは、早いもので11月の終わりからです。路地で栽培されているはれひめは12月はじめにきれいな色に変わります。12月の終わりには収穫が終わるため、1月半ばまでは食べられるでしょう。
ボタニ子
はれひめの旬は長くないから、この時期を逃さないようにしないとね!
はれひめの特徴
特徴①果実
はれひめは種が少なく、果汁が多く含まれています。ジューシーさが大きな魅力です。また温州みかんほど橙色ではなく少し黄色がかった色で、ほかのみかんと見分けがつきやすい特徴もあります。
特徴②味
はれひめの味は、とてもさっぱりしています。さわやかな風味は、オレンジの流れを受け継いでいるからでしょう。しかし糖度は高めで、みかんらしいほどよい甘さも感じられます。
ビタミンCが豊富
はれひめに含まれるビタミンCは、100g当たり40mgです。一般的な温州ミカンの35mgよりも多めの含有量です。ビタミンCに含まれるクエン酸には、疲労回復に効果があるとされています。ビタミンCを多く含むはれひめは、疲労回復や風邪の予防にもぴったりです。
特徴③香り
一般的な温州みかんはそれほど香りが高くないため、長らくみかん栽培者からは香りを改良した品種が待たれていました。はれひめはオレンジ特有の高い香りを持ったみかんです。皮をむいたときに、一瞬「みかんかな?オレンジかな?」と戸惑う人もいるかもしれません。香りをふくめ「みかんのような、オレンジのような」という言葉で紹介されるのが、はれひめの大きな特徴です。
特徴④皮がむきやすい
はれひめは見た感じがオレンジのようで、皮が厚くむきにくい印象を与えやすいですが、みかんと変わりません。道具もいらず簡単にむけます。皮と実の間の白い部分もほとんどありません。房を包む皮も薄く、みかんと同様に食べられます。また種が少ないため、食べやすく面倒だとも感じないでしょう。
食べやすくて子どもにも人気
むきやすいはれひめは、子どもにも食べさせやすく人気があります。ナイフや包丁が必要な果物は、どうしても億劫になりがちだという人もいるでしょう。はれひめは、その点安心です。子どもだけでなく道具が使いにくい人でも、気軽に食べられるのも大きな魅力です。
特徴⑤加工してもおいしい
デビューしたてのころは生産量が少なかったはれひめですが、徐々に知られるようになり、そのまま食べるだけでなくスイーツに利用されるようになってきました。飲むゼリータイプのスイーツでも、レギュラー商品として扱われています。またメーカーによっては、冷凍のはれひめの果汁を商品化しています。加工する季節を選ぶようですが、いつでもはれひめを味わえるとますます人気が出るでしょう。
マーマレード4種セット
マーマレード4種セット
参考価格: 10,000円
はれひめはジャムにも加工できます。「マーマレード4種セット」では、「グリーンレモン」「イエローレモン」「たまみ」「はれひめ」の4種類の味が楽しめます。パンに塗っても、デザートに添えても、またそのまま味わうのもおすすめです。
はれひめの希少価値
はれひめは誕生してから日が浅く、生産者もそれほど多くありません。そのため、一般的な青果店やスーパーではなかなか手に入らないみかんです。市場に出回る旬の時期も温州みかんよりもずっと短いのも、はれひめの知名度が高くない理由のひとつといえます。
まだ生産量が少ない
愛媛で多く生産・収穫されているはれひめですが、柑橘類全体として見るとまだ少ないのが現状です。温州みかんに対する割合は1%にも満たないため、はれひめは希少な種類といえるでしょう。しかし、徐々に生産者も増えており、今後の生産増加が期待されています。
値段が高い
収穫量が少ないと自然に値段が高くなるのは否めません。2019年時点では、デビューからそれほど時間が経ってないため、以降ははれひめの価格の低下が予想されます。買い物に出れば、いつでもはれひめに出会えるようになる日が来るのではないでしょうか。
プレゼントにぴったり
希少な果物は贈答品としても喜ばれます。希少価値の高いはれひめも、プレゼントにぴったりです。はれひめの橙色は華やかさがあり、見栄えもよいでしょう。旬のさっぱりと甘い味わいに、はれひめのファンになってくれるかもしれません。
はれひめ5kg・贈答用中玉
はれひめ
参考価格: 5,400円
大きさの揃った、贈答用の美しいはれひめは喜ばれます。まだ多く流通していないため、話題にもなるかもしれません。子どものいる家庭にも贈り物としてぴったりです。はれひめをお歳暮や年始のあいさつにぜひ贈ってみましょう。
重量 | 5kg |
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用途 | 贈答用 |
ボタニ子
贈り物にブランドみかんの「瀬戸の晴れ姫」もいいね!
はれひめの購入先
はれひめ
参考価格: 3,240円
贈り物として購入する前に、まずは自宅用に購入してはれひめの味を堪能するのもおすすめです。そのまま食べても、スイーツに使ってもよいですね。はれひめの魅力を存分に楽しめるでしょう。
重量 | 3kg |
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用途 | 自宅用 |
冬ははれひめを食べてみよう!
愛媛県が誇るみかんのはれひめは、珍しい種類ですが栽培者が増え、徐々に普及していくでしょう。はれひめの流通量が増えて一般的な品種になれば、こたつでみかんを食べる時間がより幸せなものになるかもしれません。旬の季節にもしはれひめを見かけたら、ぜひ手に取ってさっぱりした味わいを楽しんでみてください。
出典:写真AC