みかんの概要
みかんを食べるときに実の周りについている白い筋をとる派ですか?それとも筋も食べる派でしょうか?家族や友人とこたつを囲んで、そんな話題で盛り上がったことある人も多いはずです。みかんの部位の名称、みかんの実についている白い筋の栄養、効能などを解説し、白い筋は食べるべきなのかを検証します。
名前
最初にこの白い筋の持ち主である「みかん」について詳しくみてみましょう。冬になると私たちが食べるみかんは、「ウンシュウミカン(温州蜜柑)」を指します。「ミカン」「冬ミカン」などと呼ばれることもあります。英名 ”Citrus unshiu(シトラス ウンシュウ)“です。漢方の生薬名は「陳皮(ちんぴ)」です。
植物としての特徴
ウンシュウミカンはミカン科の常緑低木です。果実をさすこともあります。日本各地で食用として栽培され、栽培品種も豊富です。名前は中国の温州地方にちなみますが、原産地は日本です。5月になると白い小さな花をつけます。みかんの花言葉は「純潔 花嫁の喜び 清純」です。
産地
みかんは温暖な気候を好みます。寒さにも比較的強いのですが、主に関東より南で栽培されています。和歌山県、静岡県、愛媛県が日本の三大産地です。品種によって差がありますが、9月~12月にかけて、果実は緑色から黄色に成熟します。収穫量は多い年(表年)と少ない年(裏年)が交互にあるのが特徴です。
歴史
みかんの歴史は古く、みかんが最初に日本の文献に登場するのは「古事記」や「日本書紀」です。その後も中国を通じてさまざまな品種のみかんが伝えられましたが、当初は食用というより薬として伝わったとされます。みかんの栽培が盛んになったのは、明治時代になってからです。
果実の栄養と効能
みかんの果実にはビタミンCが豊富であるということは広く知られています。免疫力アップや風邪の予防のためにも冬には積極的にとりたい果物です。その他には、皮膚細胞を活性化するβカロテン(ベータカロテン)も含まれています。
1日に食べるみかんの量
みかんは栄養豊富な果物ですが、食べすぎるとお腹をこわしたり、体重が増えたり、手が黄色くなってしまいます。手が黄色くなるのは、一時的なことなので、心配ありませんが、みかん1個のカロリーは大きいもので約40~50kcalです。食べすぎは体重増加へとつながりますので、1日2~3個にとどめておきましょう。
みかんの白い筋の正体
次にみかんの白い筋について解説します。みかんを食べるときに実にくっついている白いやつです。みかんの白い筋にも名前や働きがあります。そして、体によい栄養素も実は豊富なんです。そんなみかんの白い筋について探ってみましょう。
白い筋の名前
みかんの実についている白い筋の正式名称は「アルベド」と言います。「白い」を意味するラテン語 「アルベド(albedo)」にちなむ名前です。ゲームのゼノサーガの登場人物であるアルベド・ピアソラは白い髪をもち、この「アルベド」に由来します。日本語では「維管束(いかんそく)」という名前です。
みかんの各部位の名称
オレンジ色のみかんの果皮の内側にある白いふわふわしたスポンジ状の組織は白い筋と同じ名前「アルベド」です。オレンジ色の外皮は「フラベド」という名前があります。その他、「砂瓤(さじょう)」は果肉の粒、「瓤嚢膜(じょうのうまく)」は果肉を包む薄い皮です。難しい漢字ばかりが並びましたが、各部位に名前はあるのです。
白い筋の役割
みかんの木を想像してみてください。土から根を通って幹、枝を経由し、水や栄養分は個々の果実に届けられます。果皮と果実の間の白いところと維管束(いかんそく)は、水や栄養分を果実に運んで届ける大切な役割を担っています。おいしい果実に欠かせない存在なのです。
ボタニ子
次のページでは、白い筋の栄養や働きについてご紹介します。
出典:筆者撮影