清見オレンジとは?
ほどよい甘さと後味のよさなが魅力の国産みかんが「清見オレンジ」です。旬の時期や栽培方法によって味や果汁の量なども変わりますが、生産当初から現在に至るまで全国各地に多くのファンを持つため、贈答品やプレミアムみかんとしても人気があります。
①「日本3大みかん(柑橘)」と呼ばれる
国産みかんは80種類以上ありますが、清見オレンジはそのなかでも「日本3大みかん(柑橘)」とよばれています。なお3大みかんとは「清見オレンジ」「ポンカン」「デコポン」の3種類ですが、どのみかんも味に違いがあるので食べ比べもおすすめです。
清見オレンジからデコポン誕生
デコポンはインド原産のみかん「ポンカン」に清見をかけあわせたみかんです。別名「不知火(しらぬい)」ともいいますが、デコポンと不知火の違いは「成分の含有量」です。なお全国統一糖酸品質基準をクリア(糖度13度以上・クエン酸含有量1.0以下など)したものだけがデコポンを名乗ることができます。
②名前に「清見」がつく理由
名前に「清見」がつく理由は、清見オレンジの産地にあります。静岡県静岡市で育成されたのですが、静岡市には奈良時代に創建された清見寺(せいけんじ)や景勝地として有名な清見潟(きよみがた)が近くにあったため、産地名の清見をいれて「清見オレンジ」と名付けました。
③オレンジと交配させた日本初のみかん
日本初のタンゴール種である清見オレンジは、日本原産の温州みかん(宮内早生温州)と外国産のトロビタオレンジをかけあわせてつくりました。なおタンゴールはオレンジとみかんを交配した場合につけられるので、「タンゴール類」とされるみかんは、どれも同じ交配によってつくられています。
清見タンゴールとは?違いは?
「清見タンゴール」という名前がよく似たみかんがありますが、名前の違いから品種違いと思われることがあります。ところがタンゴールはオレンジとみかんの交配種を意味するので、清見タンゴールは「清見のタンゴール種のみかん」となります。そのため名前に違いがあっても中身は変わりません。
④主な産地
清見オレンジはさまざまな地域で生産されていますが、主な愛媛県と和歌山県が国内生産の8割を占めます。2県とも多くの種類のみかん産地として有名ですが、なかでも「みかん王国」と呼ばれる愛媛県では全体の45%をつくっており、愛媛県の特産品にもなっています。
⑤旬の時期
流通する商品には、「露地物(露地栽培)」と「ハウス物(ハウス栽培)」があります。露地物の旬の時期は3月で、出荷時期は2月中旬から始まり、旬の時期となる3月から4月にかけてピークを迎えます。なお4月には収穫が終わりますが、収穫後に追熟させたものが5月まで出荷されます。
追熟とは?
追熟とは、収穫物を一定期間貯蔵し糖度や果肉の柔らかさを調整する処理のことです。みかん以外にもさまざまな種類の作物で追熟は行われますが、清見オレンジの場合は収穫後に追熟すると、収穫した直後のものより糖度がアップしおいしくなります。
ハウス物の旬の時期
ハウス物は温度を調整して出荷時期を調整できるので、収穫時期は露地物よりも2か月ほど早い1月から始まります。市場に出回るのは1月下旬ごろからですがハウス物も旬の時期は3月で、旬の時期のハウス物は早摘み種よりもジューシーで甘みも強いです。