あすみとは
1992年、果樹研究所カンキツ研究興津拠点で、2つの柑橘が交配して「あすみ」は生まれました。スイートスプリングとはるみという、甘みが強い品種が交雑に使われています。まずは、あすみの基本情報や名前の由来について見ていきましょう。
基本情報
科名 | ミカン科 |
属名 | ミカン属 |
原産地 | 静岡県 |
開花時期 | 5月 |
花の色 | 白 |
名前の由来
「柑橘の明日をみる」という意味で、あすみと名付けられました。産地である静岡県ではデコポンや温州ミカンなど有名な品種が栽培されており、あすみもPRに使われています。そのなかでもあすみは糖度が高く酸味が少ないため、甘いミカンとして注目を浴びています。
花言葉
あすみの花言葉は「清純」「親愛」「純白」です。清純はあすみの木が病気に強いことや、害虫があまり寄ってこないことからつきました。交雑した品種にしてはとても耐病性が強く、病気の心配はほとんどありません。またあすみは白く小さな花を咲かせるため、「純白」という花言葉がついたといわれています。
あすみの特徴
数あるミカンのなかでも、あすみにはほかのミカンよりも優れた点が目立ちます。ここでは、あすみの特徴について紹介します。
特徴①糖度が高い
あすみは糖度がとても高いのが特徴で、平均的なみかんよりも大幅に甘くなっています。一般的な柑橘やミカンは旬でも糖度11度が平均です。通常の時期で10度が「普通の柑橘」とされています。しかしあすみは糖度が15度と、柑橘のなかでも5本の指に入るほどの高さを誇ります。
親となった品種
親となった品種の「スイートスプリング」と「はるみ」は、どちらも糖度の高い品種です。スイートスプリングは11〜12度、はるみは12〜13度と平均以上の数値です。その糖度の高い2種が交雑した結果、親よりも糖度の高いあすみが生まれました。
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特徴②むきやすい皮
柑橘やミカンには、「じょうのう膜」というものがあります。皮をむくと果実の間に広がっている、白い膜のことです。果実を守る役割を持っている大切な筋ですが、食べるとき引っかかって食感の邪魔になってしまいます。しかし、あすみはほかの品種と比べてじょうのう膜が少ないため、そのままの食感を味わえます。
じょうのう膜の健康効果
温州ミカンや伊予柑のじょうのう膜には、摂取した脂肪を分解する効果が期待されます。膜の濃度が高くなるにつれて、脂肪分解の効果が上がっていくとされるのです。また、じょうのう膜には食物繊維が多く含まれています。健康を気にしている方は、取らないでそのまま食べるのがよいでしょう。
特徴③豊富な栄養素
あすみにはビタミン以外にも、健康を助ける成分の「β-クリプトキサンチン」がオレンジの100倍も含まれています。β-クリプトキサンチンが不足すると動脈硬化や骨粗しょう症になることがあり、健康には欠かせない成分です。生活習慣病に困っている方は、あすみを食べてみると改善が期待できるかもしれません。
ボタニ子
あすみは甘くておいしいだけでなく、健康にも役立ってくれるんだね!次のページでは、おいしい食べ方も紹介するよ!
出典:写真AC