みかんの皮の活用術！食べる以外の用途を5つご紹介！農薬や肥料にもなる？

みかんは冬が旬の柑橘類です。皮が剥きやすく味が甘いことから、冬に食べる果物の代表格として親しまれています。「冬といえば、こたつにみかん」というかたもいるでしょう。ただし、みかんを食べた後は剥いた皮が残ります。皮は生ゴミとして捨ててしまうことが多いです。

捨てられることが多いみかんの皮ですが、じつはいろいろな使い方ができる素材として注目されています。特に近年は、環境保護の観点から生ゴミの減量化や再利用法が重視されており、みかんの皮の再利用術は今後もますます注目されていくでしょう。

みかんの皮は薬として利用できます。中国では昔から、柑橘類の果皮を乾燥させたものを漢方薬「陳皮（ちんぴ）」の原料に用いていました。本来はマンダリンオレンジの果皮を使いますが、みかんの皮でも代用できます。陳皮は漢方では健胃、鎮咳、嘔吐などに効能があるとされている薬材です。

1. みかんの皮に付着している農薬やワックスを落とす
2. 農薬がたまりやすいへその部分を切り落とし、水に数時間浸しておく
3. 下処理が終わったら、みかんの皮をざるやネットに入れ、日当たりと風通しのよい場所で天日干しにする
4. 寒い時期に乾燥させる場合は、夜になったら取り込む
5. カラカラに乾燥したら完成。すぐに使わない場合は、さらに数カ月天日干しにする

陳皮はスパイスにも利用されています。陳皮のなかでも完成してから日の浅いものは、七味唐辛子の材料に利用されていました。風味付けとして、炒め物や漬物に使用することもあります。また、陳皮は中華料理で使用されるスパイス「五香粉（ごこうふん）」の補助材料として利用されることもありました。

みかんの皮の再利用方法は、漢方薬やスパイスだけにとどまりません。みかんの皮には生活のあらゆる場面で活躍できる、すばらしい成分が含まれています。しかも天然の成分で、人体にも環境にも悪影響を与えません。みかんの皮の再利用方法を覚えることは、人体にも環境にも優しい、安心・安全な生活を手に入れることにつながるのです。

みかんの皮を活用する際には、2つの注意点があります。1つはできるだけ国産のみかんの皮を使うことです。外国産のみかんは輸入するまでに農薬やワックスを使用するため、農薬やワックスを落とすための下処理作業が必要となります。もう1つはみかんの皮を乾燥させずに使用する場合は、できるだけ早く使いきることです。乾燥していないみかんの皮は、すぐに傷みます。傷まないうちに使いきりましょう。

みかんの皮は入浴剤に利用できます。使い方も簡単です。天日干しで乾燥させたみかんの皮を布袋やガーゼに包み、そのまま湯舟に入れます。入浴剤に使うみかんの皮の量は、1回で4個～5個分が目安ですが、好みで加減しても問題ありません。ただし、人によっては肌にあわないことがあります。その場合はすぐに体を洗い流し、入浴剤の使用を中止しましょう。

みかんの皮は、肥料になります。まずはみかんの皮を天日干しで、パリパリになるまで乾燥させます。乾燥させたみかんの皮を細かく刻み、土に混ぜ込めば作業終了です。みかんの皮に含まれている栄養成分が土を肥やし、植物の成長を助けます。また農薬のように使うことも可能です。アブラムシなどの害虫は、みかんの皮の香りを嫌っています。みかんの皮は肥料としてだけではなく、天然の農薬として害虫対策に有効といえるでしょう。

多くの害虫は、みかんなどの柑橘類の香りを嫌います。「夏の嫌われ者」といわれる蚊も柑橘系の香りが苦手です。そのため、みかんの皮は蚊取り線香のように、虫除けもできます。使い方は、天日干しでカラカラに乾燥させたみかんの皮を、蚊取り線香のように火をつけて置くだけです。火をつける際は、市販の蚊取り線香の容器を利用すると扱いやすいですよ。

虫除け目的でみかんの皮を使う場合、ほかの柑橘類で代用できます。害虫は柑橘類そのものの香りを嫌っているからです。みかんは冬が旬の果物なので、ほかの季節では入手しにくかったり、値段が高くなったりするなどと活用しにくい場合があります。レモンやオレンジ、夏みかんなど、好みや価格などをみて時期にあったものを選び、虫除け対策に利用しましょう。

みかんの皮は油汚れの掃除に効果的です。みかんの皮には「リモネン」という成分が含まれています。リモネンには油を溶解する作用があるため、油汚れに効果的というわけです。油汚れが多いコンロ回りの掃除で活躍するでしょう。軽い油汚れなら、みかんの皮を直接こすりつけるだけで取れますよ。

みかんの皮は水垢の掃除にも効果的です。みかんの皮に含まれている「クエン酸」には、アルカリ性を中和する働きがあるため、水垢や石けんなどのアルカリ性の汚れを中和し、取りやすくする効果があります。水垢や石けん汚れが多い風呂掃除で活躍するでしょう。

汚れがひどい、あるいは広い範囲を掃除する場合は、みかんの皮で作った洗剤で掃除するのがおすすめです。作り方も簡単で、みかんの皮を煮るだけでできあがります。あとは煮汁をスプレー容器に入れるだけです。100％天然成分の洗剤で、乳幼児やペットがいる家庭でも、安心して使えます。ただし日もちしないので、1週間～2週間で使いきりましょう。

1. 大きめの鍋に、約400mLの水をはる
2. 約4個分のみかんの皮をちぎって鍋に入れる
3. みかんの皮をすべて入れたら火にかけて、そのまま15分ほど煮る
4. 煮汁が冷めたら、ざるでこして完成。スプレー容器に入れて使用する

みかんの皮の爽やかな香りは、消臭効果も期待できます。魚焼きグリルの場合は、グリルの受け皿に水を張る際に、約1個分のみかんの皮をちぎって入れるだけです。魚のにおいがつきにくくなるうえに、油汚れも落ちやすくなりますよ。みかんの皮は、いろいろな料理のにおいがつきやすい電子レンジにも消臭効果を発揮します。電子レンジの場合は、みかんの皮を500wの電子レンジで1分～2分加熱しましょう。