イソギク(磯菊)の育て方!切り戻しや摘心の時期・ポイントなどを解説

イソギク(磯菊)の育て方!切り戻しや摘心の時期・ポイントなどを解説

イソギクの育て方のコツは、日当たりと水はけのよい環境をつくることです。花期後の切り戻しと成長期の摘心を的確に行えば、こんもりと密に咲く黄色い花が晩秋の庭を彩ります。今回はイソギクの育て方と増やし方、切り戻しや摘心のポイントなどを紹介します。

記事の目次

  1. 1.イソギクとは
  2. 2.イソギクの育て方
  3. 3.イソギクの切り戻しと摘心
  4. 4.イソギクの増やし方
  5. 5.まとめ

イソギクとは

出典:写真AC

イソギクは、漢字で書くと「磯菊」です。その名のとおり、房総から伊豆にかけて海岸沿いの崖や岩場などに自生している日本固有種の野生菊です。草丈は20cm~40cmほどになり、筒状花のみの素朴で愛らしい花を密につけます。その姿が好まれ、野生種のまま園芸品種として栽培されています。

基本情報

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名前 イソギク(磯菊)
学名 Chrysanthemum pacificum
区分 キク科キク属
原産地 日本
形態 多年草
開花時期 10月~12月
高さ 20cm~40cm

特徴

イソギクの花には、キク科の多くの植物に見られる舌状花(ゼツジョウカ)がありません。黄色いつぼみのような筒状花ですが、束になって咲くので存在感を感じさせます。葉は肉厚で、波のような切れ込みがあります。葉裏に白い短毛が密生しているため、葉の縁に白い筋が入っているように見えるのが特徴的です。寒さに強く、特に対策を取らなくても冬越しできます。

花言葉

イソギクの花言葉は「感謝」「清楚な美しさ」「大切に思う」「静かな喜び」です。そのためプレゼントとして選ばれることが多く、贈られた人からも喜ばれる花といえるでしょう。また、花言葉に加えて丈夫で管理が楽なことから、故人を忍ぶ墓地の植栽にも好まれます。

イソギクの育て方

もともと海岸沿いの崖や岩場などの、厳しい環境でイソギクは咲いています。自生している場所が場所なだけに丈夫で育てやすい花ですが、花数を増やして、より生き生きと咲かせるためのポイントを押さえましょう。

育て方➀栽培環境

イソギクは厳しい日差しに強く、乾燥を好みます。日当たりと水はけのよい場所で育てましょう。真夏でも日よけなどの必要はありません。湿気がこもらないように、なるべく風通しをよくしましょう。日当たりが悪く、水はけも悪い場所では、下葉が枯れて花つきも悪くなります。

育て方②用土

出典:写真AC

イソギクは水はけのよい土を好みますが、あまり土質は選びません。水はけのよい環境をつくるため、庭土に腐葉土を混ぜこみましょう。鉢植えの場合は底石を敷き、赤玉土小粒7:腐葉土3で配合するか、市販の草花用培養土を使いましょう。

育て方③植え付け時期

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植え付けの適期は3~4月ですが、ポット苗が園芸店やホームセンターに並ぶのは、花が咲き始める秋が本番です。株分けをして植え付ける場合は3~4月に作業しましょう。庭に植え付ける場合、深さ30cmほど掘り下げて、腐葉土を施して植え付けます。また10~20cmほど盛土をして植えると、水はけがよくなり根腐れを起こしにくくなります。

育て方④肥料

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庭植えの場合、リン酸とカリウムの多い緩効性化成肥料を、元肥として土に混ぜ込んでおきます。追肥の必要はありません。鉢植えの場合、春と秋に緩効性化成肥料を置き肥として施し、さらに開花期中は液肥を2週間に1回ほど与えましょう。

育て方⑤水やり

出典:写真AC

イソギクは乾燥した環境を好むので、庭植えの場合、水やりはほとんど必要ありません。鉢植えの場合は、用土の表面が乾いたらたっぷりと与えます。水切れをたびたび起こすと下葉が枯れる原因になり、葉の見栄えが悪くなります。

育て方⑥植え替え

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イソギクは、生育が旺盛で根詰まりをおこしやすいのが特徴です。鉢植えの場合は1年に1回植え替えましょう。3~4月が敵期です。その際、一回り大きな鉢に植え替えるか、株分けをします。土はすべて入れ替えましょう。庭植えの場合は特に植え替える必要はありませんが、3年に1回くらいは掘り起こして、株分けをしましょう。

イソギクの切り戻しと摘心

フリー写真素材ぱくたそ

イソギクを形よく育てるために、切り戻しと摘心は欠かせない作業です。大切なのは、イソギクのライフサイクルを理解したうえで、適切なタイミングで作業を行うことです。間違ったタイミングで切り戻すと、花が付かなかったり株の成長を妨げたりすることになるので、気を付けましょう。

切り戻し

イソギクの花が咲き終わったら、茎の半分ほどまで切り落とします。伸びすぎて暴れ始めた茎を切って、形を整えましょう。無駄な枝をなくすことによって、風通しのよい環境をつくります。葉や花に養分が行き渡り、生き生きとした株に成長します。

摘心

5~8月くらいまでの間、新芽の先端を摘み取る「摘心」を行いましょう。その際、茎からなるべく外側にある新芽を選んで摘み取るのがコツです。外側にわき芽がたくさん伸びてきて、2~3回くり返すことにより、こんもりとした丸く大きな株に成長します。わき芽をたくさん出すことで、花数も増えます。

イソギクの増やし方

出典:写真AC

イソギクは、挿し芽や株分けで増やせます。新しい株を購入して増やすだけでなく、ひとつの株からどんどん増やしていけるのもガーデニングならではの楽しみ方です。ぜひ挑戦してみましょう。

増やし方①株分け

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イソギクは地下茎を伸ばして、親株の株もとに新芽を出してきます。これを「冬至芽」といいます。3~4月頃に株を掘り起こして、冬至芽を根ごと切り分け、植え替えましょう。古株から切り離すことで、風通しがよくなり、新株にとってもよい環境が生まれます。

増やし方②さし芽

5~6月ごろに出てきた新芽を、5cmほど切り取って下葉を取り除き、挿し穂を作ります。これを水に1時間ほどつけて水揚げし、用意しておいた土に挿します。土は養分の入っていない赤玉土や鹿沼土、バーミキュライトを用意します。割りばしで穴をあけて、挿し穂の先が傷まないように準備しておきましょう。うまくいけば、2週間~1カ月ほどで発根します。

まとめ

出典:写真AC

厳しい日差しと乾燥に強い特徴を生かして環境を整えれば、イソギクを育てるのは難しいことではありません。晩秋の庭に鮮やかな彩りを与えてくれ、冬越しも簡単です。切り戻しや摘心のコツをつかんで、たくさんの花を咲かせましょう。

ぽんた 
ライター

ぽんた 

植物からたくさんのパワーをもらっています。 特に、日陰でひっそりと咲く花々に心奪われます。 みなさまにも、さまざまな植物の魅力をお伝えします。

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