ピンポンマムの概要
ピンポンマムとは、コロンと丸く咲く花姿が愛らしい菊の一種です。鉢植えで楽しむ「ポットマム」と呼ばれる菊を品種改良して生まれました。オランダが原産地であることから「洋菊」ともいわれます。優美に咲き誇る様子は鉢に植えても花壇に植えてもよく映えます。丈夫で開花期間が長く扱いやすいことから、切り花としても人気が高いです。
基本情報
形態 | 多年草 |
学名 | Chrysanthemum morifolium |
科名・属名 | キク科・キク属 |
原産地 | オランダ |
開花時期 | 9月~11月 |
花色 | 黄、オレンジ、緑、白、赤、ピンク、複色 |
草丈 | 60cm~90cm |
特徴
ピンポンマムの特徴は、何といっても球状に咲く花姿です。一般的な菊は満開時に約180度開きますが、ピンポンマムは茎の根元までびっしりと花びらがつき360度開きます。和のテイストを持ちながら毬(まり)のように丸く咲く花は珍しく、茶華や生け花、和装の際の飾りなど、和の場面を飾るのに重宝されています。
名前の由来
ピンポンマムの「ピンポン」は、「ピンポン玉のようにまん丸」という意味を込めてつけられました。「マム」は学名の「chrysanthemum」の最後の「mum(マム)」からきています。文字どおり「丸い菊」という意味を持っています。別名は、ポンポン菊、ピンポン菊、ポンポンマムなどです。
ボタニ子
オランダ生まれのものを「ピンポン菊」アメリカ生まれのものを「ポンポン菊」って呼ぶのが一般的なんだって!
花言葉
ピンポンマムは、花びらが幾重にも重なり精巧に咲く様子から「高貴」「真実」という花言葉がつけられました。カラフルな花で場を明るくしてくれるため「嬉しい夢」という花言葉も持っています。ほかにも「君を愛す」「私を信じて」など前向きですてきな花言葉を持ち、贈り物やブライダルシーンに好んでよく使われます。
ピンポンマムの育て方【栽培スケジュール】
ピンポンマムの栽培は、3月以降の春がスタートです。夏から追肥を続け適切なタイミングで剪定をすることで、秋にきれいな花を咲かせてくれます。耐寒性も耐暑性もともに優れており、ガーデニングでも鉢植えでも丈夫に育つ植物です。多年草のため、きちんと手入れをしておけば、毎年花を楽しめます。
ピンポンマムの育て方【土作り~植え付け】
土作りの仕方
ピンポンマムは水はけのよい弱酸性の用土を好みます。鉢植えの場合、市販の菊用の培養土を使うのが簡単でおすすめです。自作する場合は、赤玉土(小粒)6:腐葉土4か、赤玉土(小粒)5:腐葉土3:ピートモス2を混ぜて準備しましょう。地植えする場合は土を掘り起こし、掘った土の量に対して2~3割の量の腐葉土を混ぜ込んでください。
ボタニ子
鉢植えでも地植えでも土作りの最後に、元肥としてリン酸を含む緩効性化成肥料を混ぜ込んでね!
植え付け方
ピンポンマムの種は流通していないため、苗を買って植え付けましょう。苗は、植え付けの季節が近づく冬の終わりごろから園芸店や通販サイトで購入できます。鉢植えでも地植えでも、病気の発生を防ぐ意味を込めて、泥はね防止用にワラやバークチップでマルチングすることをおすすめします。
鉢植えの場合
苗よりも一回り大きなサイズの植木鉢を用意します。鉢底石を敷いたら、植木鉢の半分の高さまで準備した用土を入れていきましょう。苗を置き土を入れたら完了です。最終的な土の分量は、植木鉢の上から3~4cmの深さまでを目安に調整してください。あまり土を入れ過ぎると、ウォータースペースが確保できなくなります。
地植えの場合
地植えの場合は、ピンポンマムの苗と同じか少し大きめの穴を掘ります。苗を置いて、上から土をかぶせて終了です。いくつか並べて植え付ける場合は、根がからまり成長が悪くならないように、株間を30cm~50cmほど空けてください。
ピンポンマムの育て方【日常管理】
水やり
鉢植えのピンポンマムは、土表面が乾いたタイミングでたっぷりと水やりしましょう。地植えの場合、基本的には水やりの必要はありません。晴天続きで乾燥がひどいときにのみ水を与えてください。冬は休眠期に入るため、比較的乾燥気味に管理するのがおすすめです。
置き場所
日当たり
ピンポンマムは日光を好むため、季節を問わず日当たりのよい場所で管理しましょう。日に照らされる時間が短いと、花つきが悪くなります。耐暑性に優れており夏も日に当てて大丈夫ですが、あまりにも日差しが強いときや晴天が続く場合には、日陰に移動させるのもおすすめです。
水はけ
ピンポンマムは水はけのよい環境を好みます。雨続きのときは、雨の当たらない軒下や室内に移動させてください。地植えの場合は、前もって傾斜地や地面よりも高い位置にある花壇など、水はけのよい場所をしっかりと選んでから植え付けましょう。
花後
花後のピンポンマムは、屋外の寒い環境で管理してください。秋~冬にかけて株元に出てくる冬至芽(とうじめ)と呼ばれる太い芽は、寒さに当てることで春先の成長がよくなる性質を持っています。冬至芽は株分けに使うので、株分けで増やしたいと思っている人は、特に冬の時期の置き場所に気を配りましょう。
追肥
ピンポンマムは開花時期が長いため、定期的な追肥が必要です。鉢植えの場合は植え付け時に元肥を施しておけば、つぼみが大きく膨らむ9月~10月に、10日~15日に1回液体肥料を与えるだけで大丈夫です。地植えの場合は、芽が出る3月以降から花が咲き終わる10月まで、緩効性化成肥料を月に1回株元にまいてください。
ボタニ子
次も引き続き、ピンポンマムの育て方について説明していくよ!
出典:写真AC