種まき人参の育て方③間引き
水やりの頻度と同じように、育てるうえで重要なポイントが「間引き」です。人参は根が可食部になる根菜類のため、移植はあまり適していません。そのため、種を植えた場所で収穫までこぎつけるのがベストでしょう。
間引きのコツ
他の芽と比べて弱弱しいものを選んで抜いていくことで、残された苗を大きく育てることを間引きといいます。うまくできないと、残したい芽を一緒に引き抜いてしまったり根を傷つけてしまったりすることがあります。コツは事前に水やりし、地面を柔らかくしておくことです。細かな作業になりますが根気強く行いましょう。
間引きの時期は3回
葉の展開度合いによって間引きを行う時期が決まります。本葉が1~2枚出てきた時期が1回目、本葉が3~4枚になる時期に2回目、本葉が5~6枚になる時期に3回目を行うと覚えておくとよいでしょう。回数に応じたポイントを見ていきます。
間引き1回目の間隔は1~2cm
本葉が1~2枚展開した時期に行う間引きでは、苗の間隔が2cmになるように行います。プランター栽培に適しているような、根が短く育つタイプは1cm前後の間隔で構いません。
間引き2回目の間隔は3~4cm
1回目の間引きを終え、本葉の数が3~4枚になったころに2回目の間引きを行います。苗同士の間隔は3~4cm程度にします。1回目と同様、短い根に育つタイプはやや間隔を狭めても構いません。
間引き3回目の間隔は10~12cm
最後の間引きは、本葉の数が5~6枚になったところで行います。苗同士の間隔は10~12cmとし、成長が順調な苗を優先して残しましょう。
種まき人参の育て方⑤除草
特に苗がまだ小さく、本葉が3~4枚程度しか出ていないようなときは、雑草をこまめに取り除くことも育て方のポイントとなります。人参は比較的成育が遅い部類に入る野菜のため、小さな苗の内に雑草に囲まれてしまうと養分を奪われ、成育の早い雑草にまけてしまうことがあるからです。
間引きと一緒に除草
大きく3回ある人参の間引きの時期に合わせ、除草を一緒に行うことがおいしい人参を育てるコツです。特に苗が小さいうちは、間引きのコツと同様、土に軽く水やりして柔らかくしてから行うとよいでしょう。
種まき人参の育て方④水やり
種まきの段階では重要な水やりでしたが、無事発芽した後の水やりは土が乾燥したときにだけ行う程度で構いません。土の極端な乾燥を防ぐために、藁や不織布で覆うのは有効な手段です。
種まき人参の育て方⑤肥料
可食部が根であるため、どれくらい順調に育っているのかわかりづらいですが、間引きを行う時期に確認できます。間引きを行った人参を観察し、適宜肥料を与えるのがよいでしょう。
肥料を与える時期①間引き2回目
本葉が3~4枚展開するころに行う間引きの時期にあわせて肥料を与えます。最初の土づくりで与えた完熟堆肥が十分でなかった場合などに、生育不良が見られます。条間(筋まきを行った列の間)を中心に、1㎡あたりひと掴みほどの化成肥料を追肥しましょう。
肥料を与える時期②間引き3回目
続いての肥料を与える時期は、3回目の間引きのころです。1回目の肥料を与えた方法と同様、1㎡あたりひと掴みの化成肥料をまきましょう。
種まき人参の育て方⑥収穫
土づくり、種まき、間引き、施肥と細やかな世話のあとに待っているのは楽しい収穫の瞬間です。特に人参のような根もの野菜は、土から引き抜いておいしそうな野菜が見えたとき、大きな喜びを感じられることでしょう。
収穫の時期は?
品種にもよりますが、種をまいてから大体3カ月後が収穫時期の目安です。葉がたっぷりと生い茂り、地上部から確認できる根の直径が3~4cmになったものが収穫できます。
収穫前には土寄せする
徐々に大きくなり、収穫が近づいてきている苗の根の肩が土から露出している場合があります。前もって土寄せし、根が見えないように覆いましょう。日光が当たるとクロロフィルが合成され、緑色になってしまうためです。
収穫は葉の付け根を握る
収穫する際は、葉の根本をしっかりと握りしめて土から引き抜きます。葉を握る位置が上すぎると、引き抜くときに葉がちぎれてしまうこともあります。しっかりと根元を握りましょう。
まとめ
種まきから間引き、除草、水やり、施肥とコツを説明しました。種は乾燥に弱いため、発芽までは細かく土の様子を確認することが大切でしたね。間引いた苗や葉はきんぴらやおひたしにして食べられます。ぜひ、おいしい人参を種から育ててみましょう。
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