人参の賞味期限は明記されていない!
人参は、βカロテンが豊富に含まれ、抗酸化作用やアンチエイジングの効果が期待されている食材です。スーパーでもお馴染みで、炒め物や煮物、生でサラダなど幅広く使えます。スーパーで買った人参の賞味期限は、袋に明記されておらず、見た目やにおいなど様子で判断するしかありません。そんな人参の賞味期限についてみていきます。
人参の賞味期限【保存法別】
賞味期限①常温保存
常温保存では賞味期限は1~2週間程度です。中央アジア原産の人参には、温度は0~5℃、湿度は90~95%が最適です。夏場は温度・湿度ともに人参には厳しく、賞味期限が1週間弱と短いです。冬場は常温でも2週間程度もちますが、暖房による温度変化や乾燥によって劣化しやすいです。なるべく常温ではなく、冷蔵庫の野菜室や冷凍庫に入れることをおすすめします。
賞味期限②冷蔵保存(野菜室)
すぐに調理する場合、冷蔵庫の野菜室での保存がおすすめです。冷蔵庫での賞味期限は1ヶ月程度です。冷蔵庫の野菜室は温度3~7℃程度と人参にはちょうどよく、湿度も高く設定されているので、適切に保存することで長持ちさせられますよ。調理済みや、生でも切った人参は、賞味期限が3日程度とかなり短くなるので、賞味期限にかかわらず早めに食べましょう。
賞味期限③冷凍保存
冷凍庫では1~2ヶ月程度保存できます。冷凍庫で保存する場合、そのまま1本の状態で冷凍すると切りづらく、使いたい分だけ切り分けることも難しいので、使いやすい大きさに切ってから保存しましょう。生でそのまま冷凍すると食感が変わってしまうので、柔らかくても食感の分かりづらい薄切りや千切り、もしくは軽くゆでるなど工夫が必要です。
土付き人参の場合
家庭菜園はもちろん、スーパーでも土のついた土付き人参を見かけることがあります。土付き人参は人参を機械で洗うときにできやすい表面の傷がないので、賞味期限が長いです。また、土のついたまま保存することで乾燥を防ぎ、洗い済みの人参よりも賞味期限が長くなりますよ。土付きなら冷暗所や冷蔵庫の野菜室でさらに長持ちするので、長期保存におすすめです。
人参を安全に食べるための6つの見分け方
一見、食べられそうにないぶよぶよと柔らかい人参や、固くて食べづらそうな人参でも問題なく食べられることがあります。人参の鮮度や食べられるかどうかの見分け方は、皮の状態や見た目、触り心地、匂いなどで簡単に判別可能です。ここでは変色や匂いなど、その人参が食べられるかどうかを6つの観点から判断します。
見分け方①皮が変色した場合
黒く変色した場合
黒く変色した場合に注意しなければならないのは、カビや病気です。ところどころ黒く、緑色や白い粉がふいたような場合はカビなので食べられません。また、斑点状の黒点や褐色でへこんでいるようなときは黒すす病や軟腐病といった病気です。病気の部分を取り除けば食べられますが進行が早く、病変が進むと腐ったりカビが生えたりするので注意しましょう。
購入後しばらくたって皮が黒ずんだものは食べられますか?
人参には、赤ワインなどにも含まれているポリフェノールの一種が含まれています。ポリフェノールは酸化すると黒くなるので、安心して早めに食べてくださいね。
人参の先から黒くなってきたものは食べられますか?
日にちが経ちすぎて先の方から黒ずんでいるときは傷んでしまっています。傷んだ部分を取り除けば食べられますよ。
白く変色した場合
白く変色している場合には、白カビや乾燥が考えられます。白カビの場合、粉状のものやふわふわとした綿毛のようなものが見られます。カビは有害なものが多く、見えないうえに中まで根をはっていることがあるので、食べないほうがよいでしょう。人参の皮部分が白っぽく、ほかに異変がないようなときは、乾燥しているだけなので食べても問題ありません。
見分け方②皮にぬめりがある場合
皮にぬめりがある場合の原因は雑菌ですが、それほどひどくなければ食べられます。水分があると人参に含まれる栄養が溶け出し、雑菌の温床になります。雑菌が付いているのは表面だけなので、洗ってぬめりを取り、皮を厚めにむけば食べられますよ。生でそのまま食べるのは危険なのでしっかり加熱調理しましょう。
見分け方③柔らかくなっている場合
日にちが経った人参は、そのまま置いておくとしなびて柔らかくなります。この場合は、乾燥してしなびているので、1~2日程度水につけておけば復活しますよ。柔らかくなりすぎて、指で押すと崩れしまったり、押したあとが残ったりする人参は、腐っているので食べられません。切ってみて中が崩れている場合も、健康被害が生じる可能性があるので廃棄しましょう。
ボタニ子
柔らかくなってしまった人参の見分け方はこちらでもご紹介しています。救済レシピも書いてあるので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
見分け方④異臭がする場合
人参からすえたような酸っぱいにおいがした場合、腐敗しているので食べるのは避けましょう。また、カビやほこりのようなにおいも、カビが生えている可能性が高く食べられません。薬品のようなにおいなら、セリ科の人参に含まれる揮発性の成分の香りなのでそのまま食べられます。気になるなら、切ったあと生のまま、酢水につけたり塩でもんだりすると和らぎますよ。
見分け方⑤芽や白いひげ根など見た目が悪い場合
人参のなかには、芽や白いひげ根が出てしまったものや割れてしまっているものがありますがそのまま食べられますよ。芽やひげ根が出ているものは、収穫してから時間が経っているうえに、栄養が芽やひげ根にとられるので早めに食べましょう。割れているものは、育った畑が水分の量が多かったり、太りすぎたりしたものなので、こちらも食べても問題ありません。
見分け方⑥人参の中に異常がある場合
人参の中の芯が白い、もしくは空洞になっていることがあります。中の芯だけが白く固い場合は「とう立ち」という現象で、葉や花を育てるために栄養が使われて、根が栄養不足になった状態です。食べられますが、筋が残りやすく固いです。中が空洞のものは「空洞果」といい、気温や水不足、栄養不足などで中に空洞ができたもので、こちらは普通に食べられますよ。
ボタニ子
野菜のとう立ちについてはこちらの記事で詳しくご説明しています。
食べられるか見分けるポイント
- 皮にカビが生えていないか
- 指で押すと崩れたり指の跡が付いたりしないか
- すえたような匂いやカビの匂いがしないか
ボタニ子
次のページでは、人参の賞味期限を長く持たせるための秘訣をご紹介します。
出典:写真AC