押し花とは
押し花とは自然の花や葉を押し、平面状に乾燥させて作った素材のことを言います。植物学では古くから正式な標本として作られてきました。
西洋での押し花の歴史
西洋の押し花の歴史は16世紀です。イタリアの生物学者の標本を始めとして、19世紀にはビクトリア女王も押し花を愛好し、表が作った押し花の作品が伝えられています。ヨーロッパは湿度が低く、押し花を作る環境に適しているため、趣味や工芸として発展したのです。
グレース・ケリーも楽しんだ
故モナコ公国王妃となったグレース・ケリーは、押し花を愛していました。自然から材料を集め、手仕事のように自然の恵みから新たな形を作り、自分を表現できる喜びとその仕事のプロセスに流れる時間が癒しだ、と語っています。
日本での押し花の歴史
日本では300年前に作られた最古の押し花が発見されています。江戸中期の藩士がサクラやウメ、トチノキ、マツ、クスノキなどを採集したものです。また江戸時代の作家、滝沢馬琴は押し葉帳を作っていたと言われています。当時は園芸が流行し、多くの人が押し葉帳を作っていました。
押し花を作る技術が発達した
日本は押し花に向かない湿度が高い自然環境にありましたが、そのことにより押し花を作る技術が発達していきました。現在では押し花アートとして、ハンドメイドの作品作りなどに人気が集まっています。
押し花に向いた花や葉の種類
好きな花でも押し花に向かないもの、また逆に押し花に向いた花や葉があります。押し花作りをするなら、咲いている状態がイメージできるようにきれいに加工できる花や葉を選びたいものです。ここでは、押し花に向いた花や葉の種類を見てみましょう。
花を使う場合
押し花に向いている花の特徴は、厚みのない花びらの花、また水分が抜けやすい花です。そのため野草は押し花に向いています。おすすめなのはビオラ、スミレ、サクラ、レースフラワー、クローバー、かすみ草、ミモザ、紫陽花、ハーブ類などです。しおりなどの小型の押し花を作るなら、小さめの花びらが向いています。押し花に向かない花には、水分の抜けにくい花、菊などがあげられます。
葉を使う場合
落ちているきれいな四つ葉や枯れ葉を、本の間に挟んだことがあるのではないでしょうか。押し花ならず押し葉もおすすめです。大き過ぎたり、厚みがあったり、柔らか過ぎる葉は押し葉には向きません。旅先で見つけたさまざまな葉で、押し葉帳を作ってみると、その時の記録を残せておすすめです。
ボタ爺
まずは誰でも簡単にできる押し花の方法を紹介するぞ!