ドライフラワーとは
ドライフラワーは花や葉、実から水分を抜いて乾燥させ、長く楽しめるようにしたものを言います。薬剤を使って花を長持ちさせるプリザーブドフラワーとは違うものです。ドライフラワーという名前が定着したのは昭和期に入ってからですが、草花を乾燥させて飾るという習慣はそれ以前からありました。日本で最初にドライフラワーにされたのは、千日紅(せんにちこう)であると言われています。
ドライフラワーにする方法
ドライフラワーは自宅で手作りもできます。贈り物としてもらった花を手作りでドライフラワーにするのもおすすめです。ここでは自宅で手作りできる主な方法を簡単にご紹介しましょう。
①ハンギング法
花を逆さにして吊るすだけの最もポピュラーで簡単な方法です。大きなものも作れるので花束をそのままドライフラワーにもできます。
②シリカゲル法
花を密閉容器の中で乾燥材のシリカゲルに埋めて水分を抜く方法です。花の部分のみなど小さいものを作るときに向いています。
③ドライ・イン・ウォーター法
器に浅めの水を入れ、花を挿してゆっくり水分を抜いていく方法です。
ドライフラワーの活用法
ドライフラワーはそのまま飾るのもよいですが、手作りのリースやアクセサリーなど、ハンドメイド作品にアレンジするのもおすすめです。大好きな人からもらった花を長く残しておけるドライフラワーは、思い出を美しく飾ってくれます。かすみ草などの小さい花はいつも身につけられるアクセサリーにもできますよ。レジンやハーバリウムを手作りすると、さらに長く楽しめます。
ドライフラワーに向いている花①バラ
科 | バラ科 |
属 | バラ属 |
開花期 | 基本的に5月~6月(品種によって異なる) |
花色 | 赤、黄、白、紫、ピンク、緑など |
バラはドライフラワーでポピュラーな花ですが、品種によっては向かない種類もあるので注意が必要です。またドライフラワーにしたときにかなり色が変わります。バラは大きい花より小さい花の方がドライフラワーに向いており、花びらの数は少ない方が乾燥までの時間が短くすみます。花びらは柔らかいものよりも、しっかりしているものの方がきれいに仕上がります。蕾のままでは乾燥しにくいので7分~8分咲きの時が適期です。
向いている理由
バラはドライフラワーにした時の色の変化が大きいのですが、変化したバラの色もアンティーク調で味わいがあります。色は生花の時よりも濃くなるので、花を選ぶときには注意してください。バラは品種にもよりますが、花びらが多く厚みがあるので花の形が安定しやすいのも特徴です。また、バラの香りはドライフラワーにしても残せるため、バラのドライフラワーは香りと姿の両方を楽しむことができます。
ドライフラワーに向いている花②千日紅
科 | ヒユ科 |
属 | センニチコウ属 |
開花期 | 7月~9月 |
花色 | 紫、赤、白、ピンクなど |
千日紅は日本で最初にドライフラワーになった花と言われています。茎が細く、乾燥させると折れやすいので注意が必要です。折れるのが気になるときは、あらかじめ短く切っておくと良いでしょう。色の種類も多く、名前の通り生花のままでも長く花色を楽しむことが出来るので、花言葉は「色褪せぬ愛」や「不朽」といったものが使われています。
向いている理由
千日紅は生花の時点ですでに乾燥しています。そのため、ドライフラワーになるまでの時間が短くてすむのです。また開花期が長く、たくさんの花を収穫できるので、ドライフラワーにしやすいもの特徴です。違う色の千日紅を合わせれば、千日紅のブーケにもできます。ドライフラワーにしても色があまり変わらないので、ころっとした花の形を生かしてリースなどにアレンジしてもいいですね。
ボタニ子
次ページからは「ドライフラワーに向いている花③アジサイ」を紹介します。
出典:写真AC