スリット鉢の使い方・植物の植え方
他の鉢とは違うスリット鉢の特徴を活かした使い方や、効率のよい植え方を紹介します。注意しておきたい使い方のポイントも、しっかり確認しておきましょう。
使い方①鉢カバーを使わない
プラスチック製の鉢をそのままリビングに置くのはおしゃれじゃないからと、スリット鉢に鉢カバーを使うのはやめましょう。スリットから日光が入らず、サークリング現象が起きたり根が溢れたりしてしまいます。プラスチック製の鉢は蒸れやすいので、特に梅雨〜夏にかけては鉢カバーを外して育てるのが植物にとって最適です。
使い方②レンガで転倒防止
丈夫で軽い反面倒れやすいプラスチック製のスリット鉢は、大きな植物には転倒防止の対策が必要です。レンガなどでスリット鉢を押さえて、倒れないようにします。支柱を使って枝ぶりをコントロールしたり、他の鉢を寄せたりするのも効果的ですね。このときにスリットから空気や日光が入るように、置き方を工夫しましょう。
使い方③スリットをふさがない
スリットをふさいでしまうと、スリット鉢のたくさんのメリットが得られなくなってしまいます。どのような育て方でもスリット鉢のメリットが活かせるように、スリットをふさがないで育てるのが使い方のポイントです。
植え方①鉢底石を使わない
スリット鉢に植物を植えるときは、鉢底石を使いません。もともと水はけのよい構造なので、鉢底石を入れる必要がないからです。スリット鉢と用土だけで植物を育てるので、その分たっぷりと栄養が補えます。植物の成長にあわせた用土を選び、スリットからこぼれ出ないようにしっかりと土を詰めましょう。
植え方②植物を植え付ける
植物を元の鉢から植え替えるときには、時期も大切ですが根の状態を確認するのも植え方の大切なポイントです。傷んだ根を取り除き、混み合った部分を整理して、用土の上に根を広げるようにして植え付けます。植物の根は、株全体を支える大切な土台です。根を丈夫に育てるスリット鉢で、病害虫に負けない丈夫な株に育てましょう。
スリット鉢はこんな植物におすすめ
サイズや形が豊富なスリット鉢は、水はけがよく植物が丈夫に育てられるのが特徴です。特におすすめしたい植物と、そのポイントを紹介します。
①バラ
見た目はダサいが、スリット鉢の威力はすごいらしいですよ…。バラにはスリット鉢。なるほど( ˙灬˙ ) pic.twitter.com/K7X8s6qimT
— Maru. (@maru_427) June 23, 2016
何年もかけて大切に育てていきたいバラの若い株には、スリット鉢が最適です。接ぎ木苗で販売されるバラの若木は、根の成長が未熟なまま庭植えすると、傷んだり枯れたりしてしまいます。リーズナブルなスリット鉢なら鉢増しも、コストが抑えられるのでおすすめです。特にデリケートな品種は、スリット鉢で根を丈夫に育てましょう。
②果樹
マンゴーを植え替えしました🥭
— 果樹栽培が大好き (@aralk67) March 2, 2020
9号位のポリポットに植えてあったものを10号スリット鉢へ
主幹の中頃で強剪定もしました
暖かくなるまでは室内で管理します☺️ pic.twitter.com/AkTByArrIE
園芸店やホームセンターで販売されている果樹苗の多くは、接ぎ木苗の1年ものが多いです。ポットから苗を取り出すと、びっくりするほど根が貧弱な株が多く見かけられます。記念樹として購入する方も多いですが、スリット鉢に植えてしっかりと発根させると、丈夫に育てられ効果的です。
③観葉植物・多肉植物
水はけのよい土質を好む観葉植物や多肉植物にも、スリット鉢が最適です。水の管理がしやすいので、プロの生産者さんも多く採用しています。多肉植物の小さい鉢をコレクションしている方にも、コストをかけずに数を揃えられるスリット鉢がおすすめですね。
まとめ
水はけがよくて根を丈夫に育てるスリット鉢を紹介しました。見た目はおしゃれとはいえませんが、植物の根っこの成長に特化したコスパのよい鉢です。「とんでもないポット」や「根張り鉢」とも呼ばれるスリット鉢を、庭植えが不安な若い株や、蒸れを嫌う観葉植物や多肉植物の成長に、上手に活用してみてはいかがでしょう。
出典:Unsplash