ドライフラワーの作り方
ドライフラワーの作り方にはいくつかの方法があります。花の種類や部位、状態にあわせて適した方法を選びます。初心者にも失敗なく作れる方法や必要な材料、適した花材など、ドライフラワーの作り方を詳しく解説していきましょう。
方法①ハンギング法
ハンギング法とは花を少量ずつ束ねて吊るして乾燥させる方法です。自然乾燥法とも呼ばれ、吊るすだけなので作り方はとにかく簡単、ドライフラワーの作り方ではもっとも一般的で失敗のない簡単な方法なので、初めての方にはおすすめです。
適した花材
ラベンダー、ミモザ、ユーカリ、千日紅など。
材料
- 麻ひも
- 輪ゴム
- ハサミ
- 花切りバサミ
作り方
- 花は水に浸されていた部分を切り落とし、余分な葉を取り除く
- 花を一輪ずつ分けて麻ひもや輪ゴムなどでしばって、風通しのよい場所に吊るす
- 約1~2週間乾燥させる
手作りのコツ
大切なのは風通しのよい場所に吊るすことです。乾燥時間がかかると色が悪くなって枯れてしまうので、十分な風通しが確保できない場合には、扇風機やドライヤーなどで風をあてる、浴室乾燥機などで乾燥時間の短縮をうながすなどの工夫をしましょう。
方法②ドライインウォーター法
ドライインウォーター法は、少量の水につけた花から徐々に水分を抜き取り乾燥させる方法です。ハンギング法のように上下の向きを逆さにして吊るさないので、花本来の丸くてふんわりした姿をとどめておきたい場合におすすめの方法です。
適した花材
アジサイ、カスミソウ、綿花など。
材料
- 花瓶
- 水
- 花切りバサミ
作り方
- 少量の水を花瓶に入れ、花を挿す
- 風通しのよい場所に1~2週間おく
手作りのコツ
花を飾りながらドライフラワーができあがる簡単な方法です。難しい方法ではありませんが、時間がかかるので乾燥する過程で色が悪くなりがちです。茎や枝がやわらかいと曲がってしまうので、曲がりそうになったらハンギング法に切り替えます。アジサイをこの方法でドライフラワーにすると、アンティークっぽいニュアンスがでるのでおすすめです。
方法③シリカゲル法
乾燥剤であるシリカゲルの粒に花材を埋めて乾燥させる方法です。比較的乾燥時間が短いので、生花の鮮やかで美しい色を残しながら手作りドライフラワーが完成します。バラなどの立体的で花びらの多い花に適しますが、容器の大きさとシリカゲルの量によって植物の大きさが限定されてしまうことを覚えておいてください。
適した花材
クレマチス、桜、バラ、カーネーション、ビオラなど花びらが多い立体的な花。
材料
- シリカゲル
- 密閉容器(タッパーやガラス容器)
- 花切りバサミ
- スプーン
作り方
- 花の下で茎を2cmほど残して切る
- シリカゲルを底から1cmほど密閉容器に敷き詰める
- 切った花をシリカゲルの上に置く
- 花の周りに花材を完全に埋まるまでスプーンなどでシリカゲルをそっとふりかける
- 容器のふたを閉めて、1週間程度乾燥させる
手作りのコツ
茎を短く切る必要があるため、使い方は限られますが、生花の色と形がそのまま残せることがメリットです。シリカゲル法で作ったドライフラワーは空気にさらされ、乾燥を保てないと色が褪せて最後には枯れてしまうので、密封状態を保つ容器に入れるようにする、アクセサリーやハーバリウムなどにアレンジする必要があります。
方法④グリセリン法
薬局で購入できるグリセリンを使い、グリセリン溶液を作って植物を乾燥させるのがグリセリン法です。溶液を植物に吸いあげさせることで作る方法と、花材をグリセリン溶液に浸けこむ2つの方法があります。葉っぱや木の実などのついた枝などもドライフラワーに加工できます。ブーケなどのアレンジにも適しています。
適した花材
- 浸け込み:葉、木の実、枝など
- 吸い上げ:カーネーション
材料
- グリセリン
- 熱湯
- 容器
- ラップ
- 花瓶
- ハサミ
- 花切りバサミ
作り方①漬け込む
- グリセリン1に対して熱湯3の割合でグリセリン溶液をつくる
- 容器に冷めた溶液を注ぎ、花材を浸け込む
- ラップなどで容器にふたをして1週間ほど置く
- 花材を取り出して液をふき取る
作り方②吸い上げる
- 前述のグリセリン溶液を冷まして花瓶に注いだら花材を挿す
- 冷暗所に約1週間~10日間置く
- グリセリン溶液が花びらや葉に浮き出てきたら完成
手作りのコツ
グリセリン法は手間はかかりますが、生花の色やボリュームをそのままに枯れない状態にできることがメリットです。吸い上げさせて作る場合、花材は咲き始めたばかりの植物を使いましょう。そうすることで、グリセリン溶液の吸い上げる力が強くなり溶液が行き渡ります。茎に切り込みをいれるのもコツのひとつです。
次のページでは、ドライフラワーに向く花について解説します。