中部地方の人気品種4選
紅ほっぺ
「紅ほっぺ」は「ほっぺが落ちるくらいに美味しい」という意味から名付けられた静岡県のブランドいちごです。果実は大きめでいちごのしっかりとした香りが楽しめます。甘味が強く、酸味もやや強めでいちご本来の甘酸っぱさが味わえるでしょう。果実の中心部分まで赤く染まる見た目から、ショートケーキやフルーツサンドなど切断面の美しさを活かしたデザートに用いられます。
きらぴ香
「きらぴ香」も静岡県で生産されているいちごです。果実は大きく、やや長めの円錐形をしています。糖度は紅ほっぺと同じくらいですが、酸味は紅ほっぺよりも少ないため甘味と香りが楽しめます。果実が大きいきらぴ香は先端になるほど甘味が強くなるため、ヘタ側から食べるとより美味しく食べられます。
ゆめのか
「ゆめのか」は愛知県で主に生産されています。愛知県では「とちおとめ」や「章姫」が主流でしたが、とちおとめなどよりも収穫量が多いいちごを目指して品種改良された結果、ゆめのかが誕生しました。「みんなの夢が叶う美味しいいちご」という意味から名付けられています。果実は1粒20gと大きくしっかりしています。果汁が豊富でジューシー、甘味と酸味のバランスがよいのが特徴です。
章姫(あきひめ)
「章姫(あきひめ)」は紅ほっぺが誕生するまでは、静岡県を代表するブランドいちごでした。現在でも、とても人気のある品種です。果実は長めの円錐形で、少し柔らかめなのが特徴です。酸味はほとんどなく、甘味が強いため小さな子どもにも食べやすい品種です。そのまま食べてもケーキやスムージーにしても美味しく食べられます。
近畿・中国・四国地方の人気品種4選
かおり野
「かおり野」は三重県が産地のいちごです。果実は大きい円錐形で甘味が強く、酸味は穏やかなのが特徴です。かおり野は「リナロール」という甘い香気成分が多く含まれており、いちごの甘さと香りの両方を楽しめます。かおり野は収穫時期を早めるよう品種改良されているため、11月ごろから店頭に出回ります。
古都華(ことか)
「古都華(ことか)」は奈良県が産地であり、同じ奈良県産の「あすかルビー」よりもブランド力を高めるために開発されました。糖度と酸味が共に高く、いちごの深みのある味わいを感じられます。収穫後時期による味のバラつきも少なく、甘味と酸味のバランスがよいためそのまま食べるのがおすすめです。
あすかルビー
「あすかルビー」は奈良県で生産されており、丸み帯びた大きい果実が特徴的ないちごです。奈良県生まれなので「あすか」、光沢のある赤い果実が宝石の「ルビー」を思わせることからこの名前がつきました。古都華が誕生してから生産量は減少したものの、奈良県を代表するブランドいちごとして親しまれています。
まりひめ
「まりひめ」は、章姫とさちのかを交配してできた和歌山県のブランドいちごです。果実は丸み帯びていて1粒あたりの重さが18g以上と大きいため、和歌山県の民芸品である「紀州てまり」に例えて「まりひめ」と名付けられました。甘味が強く酸味は穏やかで、いちごの風味が楽しめます。
九州地方の人気品種5選
あまおう
「あまおう」は福岡県産のいちごで、日本一を目指して作られた品種です。赤くてツヤがある果実が大きく、加えて糖度が高く形も整っています。そのため「甘い」「丸い」「大きい」「うまい」の頭文字をとって「あまおう」と名付けられました。1粒の重さが約40g〜50g、酸味が少ないため甘みを強く感じられ、いちごの風味が口いっぱいに広がります。
ひのしずく
「ひのしずく」は熊本県が産地です。熊本県では「とよのか」が主流でしたが色合いやサイズにバラつきが多かったため、とよのかにかわるいちごとしてひのしずくが誕生しました。ひのしずくは大粒で、香りと甘味が強く酸味が少ないのが特徴です。
さがほのか
「さがほのか」は佐賀県で栽培されているいちごです。甘味が強く酸味が穏やかで、果汁を豊富に含みます。ほかのいちごに比べて香りが強く、日持ちするので店頭に並べられてすぐのものでなくても美味しく食べられます。さがほのかは「リカちゃん人形」をイメージキャラクターにしているため、パッケージを見てすぐさがほのかであることがわかるでしょう。(2020年6月現在のイメージキャラクターです)
さちのか
「さちのか」は、長崎県や佐賀県などで生産される九州地方のブランドいちごです。果実はやや大きめで甘味と酸味のバランスがよく、ビタミンCの含有量がほかのいちごに比べて多いのが特徴です。
淡雪
「淡雪」は、鹿児島県をはじめとする九州地方が産地のいちごです。淡雪の特徴は、ほかのいちごが赤色なのに対して白、もしくはピンク色をしていることです。白いちごは甘くないと思われがちですが、淡雪は甘い白いちごで酸味も穏やかであるため、見た目と風味の両方を楽しめます。
美味しいいちごの選び方・食べ方
ムラのない色付き
甘くて美味しいいちごは、全体的に鮮やかな赤色で黒ずんでいません。白い部分が多いものはまだ完熟まで至っていないため酸味が強く、黒ずんでいるものは食べ頃を過ぎ苦味が出ています。まんべんなくきれいに色づいているものを選びましょう。
実が充実している
いちごは収穫から時間が経つとともに実が萎縮し、ハリや光沢がなくなってしまいます。全体的にハリや光沢があるものは収穫から間もなく出荷されたものであるため、新鮮で美味しく食べられます。
ヘタの色と形
いちごには、完熟するとヘタが反り返るという特徴があります。甘くて美味しいいちごはヘタが反り返っているのです。また完熟すると実だけでなくヘタも鮮やかな濃い色になり、特に甘みの強いいちごはヘタが赤み帯びることがあります。
食べはじめに気をつける
いちごは、ヘタ側から食べるほうが美味しいです。いちごは色づきの浅いヘタ側よりも先端のほうが甘いからです。酸味が強い部分から食べることで甘い先端側を最後に食べられ、いちご本来の味を楽しめるでしょう。
まとめ
日本で生産されているいちごには、あまおうやとちおとめなどよく耳にする品種をはじめ、さまざまな品種があります。品種ごとに大きさや風味も異なりますよ。それぞれの産地の、いちごにかける熱意も伝わってくることでしょう。
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