エアプランツの手入れ「ソーキング」とは
エアプランツ(チランジア)とは、空気中の水分を取り込みながら成長を続ける植物の総称です。土を必要としないため、飾り棚に置いたり、流木に着生させたりとユニークな育て方が可能で、インテリア性が高く近年、人気です。ソーキングは、水を張った容器にエアプランツを浸ける水やりの方法のことです。毎日の手入れではなく、水切れをおこしたときにおこないます。
エアプランツに水やり不要は間違い
「エアプランツは空気中の水分を取り込むため水やりが不要」と耳にするかもしれませんが、それは自生地における話です。自生地は雨や霧が多く、エアプランツは木に着生して育ちます。森には風が吹き込み、加湿と乾燥が両立した環境です。四季がある日本の室内で管理するのであれば、毎日の必要はありませんが、こまめに水やりをして自生地の環境に近づいた育て方が必要です。
エアプランツとチランジアの違いは?
チランジアの多くはチランジア属に分類されます。チランジア属の多くが着生植物であり、空気中の水分を取り込むので「エアプランツ」と名付けて販売されるようになりました。そのため、エアプランツとチランジアは同義といえます。
水やり(ミスティング)とソーキングの違い
エアプランツには根を持つものもありますが、根に水を吸収する機能はほとんどありません。植物体を固定・維持するための役割が主で、水を吸収する働きは植物全体が持ちます。エアプランツへの水を与えるときは、霧吹きなどを使用して植物全体に水を行きわたらせる「ミスティング」というやり方をとります。一方、ソーキングは植物自体をプールのように水を張った器の中にどぼんと浸ける方法です。
ソーキングよりは日ごろのミスティングが重要
水にエアプランツをどぼんと浸す「ソーキング」は、水枯れを起こしそうなエアプランツに対しておこなう緊急処置の側面が強い手入れです。水に浸けて、エアプランツが水に触れる面積を大きくし、水揚げの効率を上げます。ソーキングはエアプランツの水分が足りなく、調子が悪くなったときにおこなうもので、それよりは日ごろのミスティングによる水やりが重要です。
ボタニ子
ソーキングは枯れそうなエアプランツを救助する応急手当なんですね。
ボタ爺
エアプランツが枯れる多くの原因が「水不足」といわれておる。枯れそうになってからソーキングするよりは、こまめなミスティングが吉じゃ。
ソーキングの基本的なやり方
やり方①容器の準備
容器はソーキングしたいエアプランツに対して十分な大きさのある容器(ボウルやバケツなど)を選びましょう。何種類もエアプランツを育てる人は、全部まとめて容器にいれるのももちろん構いません。
やり方②エアプランツを浸ける
水を張った容器にエアプランツを浸けます。ウスネオイデスのように葉が細くちぎれやすいものは注意しましょう。エアプランツ全体が水に浸かるように水の量を調整します。水温が冷たすぎると、エアプランツにストレスを与えるため、水温は最低10℃は必要です。
ボタニ子
ソーキングに使った水は、エアプランツ以外の観葉植物の水やりに使うと節約できますよ。
やり方③エアプランツを乾かす
エアプランツは水も好きですが、風も好む植物です。ソーキングによってついた水が長時間乾かないと、枯れる原因にもなります。ソーキングのあとはエアプランツを逆さにして水をよく切った後、風通しのよい場所に置いたり、ぶら下げたりして乾燥させましょう。
画像出典:著者撮影