コノフィツムとは、多肉植物の一種です。メセンとも呼ばれ、表面がツルツルで丸いフォルムをしています。初心者にも栽培しやすい多肉植物ですが、夏越しを成功させることが栽培を楽しむためのコツです。
園芸部類 | 多肉植物、観葉植物 |
形態 | 多年草 |
樹高・草丈 | 10cm |
花の色 | 赤、白、黄色、紫、ピンク、オレンジ |
耐寒性 | やや弱い |
耐暑性 | やや弱い |
特性・用途 | 常緑性がある、カラーリーフ |
栽培難易度 | ★★☆☆☆ |
コノフィツムの形状は3通りあり、品種により「たび型」「まる型「くら型」に分けられます。独特な色合いとフォルムが印象的ですが、花はかわいらしくセイヨウギクに似ています。冬に成長期を迎え、夏が近づくと休眠する特徴をもっています。
コノフィツムの別名でもあるメセンは、漢字で「女仙」と書きます。トゲのあるサボテンが男らしいといわれるのに対して、丸いツルツルのフォルムが女性らしいからといわれています。
コノフィツムの成長期は11~4月頃で、休眠期は6~9月頃です。このような特徴は冬型と呼ばれ、日本の夏が苦手といわれています。
花園は日本で作られた園芸品種で、たび型が特徴的です。花は赤みがかったオレンジ色をしていて、開花時期は長く、秋~春にかけて楽しめます。コノフィツムの中で多く流通しているため、手に入りやすい品種といえるでしょう。
たび型が特徴のビロバムは、コノフィツムの中でも大きく育ちます。二股の分かれ目から芽を伸ばし、白やピンクなどさまざまな色の花を咲かせます。ハートの形に見えることから、贈り物としても人気がある品種です。
コノフィツムは、鉢植えがおすすめです。夏の高温や冬の霜などで根が傷む可能性があるため、地植え栽培は避けてください。コノフィツムを寄せ植えで楽しむ場合は、同じ栽培環境の植物を選び、大きく育つタイプのものを後方に配置するとよいでしょう。
コノフィツムを室内で育てる場合は、日当たりのよい窓際がベターです。十分に日が当たると葉の色がよくなります。栽培に適した温度は8~25℃です。30℃ほどの高温でも耐えられますが、エアコンなどを上手に使って室温管理をしましょう。
コノフィツムは、春や秋の気温が安定している時期は屋外で栽培できます。この場合は、日当たりと風通しがよい場所で管理しましょう。休眠期にあたる夏場は日陰に移動させて雨が当たらないようにします。冬場は、軒下など霜があたらない場所で管理をするのがおすすめです。外気温が10℃を下回る場合は、室内へ取り込んでください。
コノフィツムの栽培には、多肉植物用の用土が便利です。自分で配合する場合は、鹿沼土や赤玉土(小粒)にピートモスを配合して水はけのよい土を用意しましょう。
成長期にあたる11~4月は、土が乾いてきたらたっぷりと水やりをしてください。5月以降、葉の表面が黄色っぽくなってきたら、1カ月に1回程度に減らします。再び成長をはじめる9月頃から水やりの回数を元に戻していきましょう。
コノフィツムに施す肥料は、緩効性または液体の肥料がおすすめです。成長期の間、2か月に1回を目安に施してください。休眠期の間は、肥料は必要ありません。
コノフィツムにつきやすい害虫は、カイガラムシやアブラムシです。また屋外管理の場合は、ナメクジやヨトウムシにも気をつけてください。花が食べられてしまいます。根の部分には、ネジラミがつく場合があるので、こまめにチェックして早めに殺虫剤で退治しましょう。
コノフィツムは病気に強いですが、夏越しに失敗すると溶けてしまいます。高温多湿ではないか、風通しが悪くないかなど栽培環境に気をつけてください。また、極端に日当たりが悪かったり、水が足りなかったりするのも溶ける原因です。大切に栽培しましょう。
コノフィツムを購入するときは、張りがあってしっかり膨れている苗を選びます。傷があったり、伸びすぎてだらしない姿になっていたりするものは弱っている可能性があるので避けましょう。
植え替えは10~12月が適期です。植木鉢が窮屈に感じてきたら、新しい植木鉢に植え替えましょう。このときに、株分けをしておくと簡単に増やせます。
開花後は、しおれた花をつけたままにしておくと、病気を引き起こす可能性があります。花がしおれてきたら早めに摘み取りましょう。
コノフィツムは6月頃から休眠期を迎えます。この時期は、水やりを控えてやや乾燥気味に管理をすると上手に夏越しができます。屋外や室内の気温にも気を配り、高温多湿にならないように気をつけましょう。
コノフィツムは株分けによる増やし方があります。手や刃物で分けたら用土を入れた植木鉢に植え付けて、根が出るまで水切れに気をつけて管理しましょう。株分けは10~12月の間に行ってください。