多肉植物ってどんな植物?
観賞用だけでなくインテリアとしても人気がある多肉植物は、初心者でも育てやすいため、最近では街の園芸店でもさまざまな種類の多肉植物を購入できます。そんな多肉植物には様々な特徴があり、中にはあまり知られていないこともあります。
基本は屋外での栽培
見た目がかわいい多肉植物は、手軽に楽しめるインテリアとしても人気があるため、屋内で栽培する植物というイメージがあるかもしれません。ところが多肉植物は、観賞用の植物の中でも環境の変化に強い種類に分類されるため、屋外での栽培が基本になります。
乾燥に強いから屋外でもOK
多肉植物は、一般的な観賞用植物と比べて葉や茎・根が太いのが特徴です。この太い葉・茎・根には水分を蓄える機能があるため、乾燥した土でも蓄えてある水分だけ生きていけます。また水やりをしすぎると根腐れをおこすため、日差しがよくあたる屋外の方が栽培に適しています。
寒さに強いのも特徴
乾燥を好む植物の場合、暑さに強くても寒さには弱いことが多いです。ところが多肉植物は、暑さにも寒さにも強いのが特徴です。ただし多肉植物は種類が多いので、品種によっては寒さに弱いものもあります。
種類が豊富
多肉植物は、非常に種類が多いことも特徴です。多肉植物の代表品種にサボテンがありますが、サボテンのほかにもアロエ系多肉植物、ハマミズナ系多肉植物、ベンケイソウ系多肉植物などがあります。さらにそれぞれの系統ごとに数多くの種類があるため、根や葉・茎に水分を蓄える柔組織を持つ植物の総称を「多肉植物」と呼びます。
サボテンの種類はけた違いに多い
さまざまな系統の多肉植物がありますが、その中でもほかとは比較にならないほど種類が多いのがサボテンです。しかも種類によって特徴もさまざまあります。あくまでもサボテン科に属する多肉植物のことをサボテンといいますが、あまりにも種類が多いため、多肉植物の別名としてサボテンと表現することがあります。
多肉茎植物とは?
多肉茎植物とは、多肉植物の中でも茎の太さに特徴がある品種です。多肉茎植物の代表的な品種にはボタンギョク、ランボウギョク、カブトマル、マグニフィカス、エリプロリプサリスなど、サボテン系に属する多肉植物があります。
多肉植物の主な系統
種類が多いといわれる多肉植物ですが、大きく分けるとサボテン系、アロエ系、ハマミズナ系、ベンケイソウ系の4つに分類され、それぞれに特徴がちがいます。
サボテン系多肉植物
多肉植物の代表といもいえるサボテンは、葉や茎に針のように尖った小さい枝(刺座)があります。さらに茎の形は筒タイプと円形タイプがあり、茎の形によって見た目の印象が変わるのがサボテン系多肉植物の特徴です。なお種類が多いサボテン系の中には、ドラゴンフルーツのように食用として栽培される種類もあります。
アロエ系多肉植物
古くから日本でもなじみがある多肉植物に、アロエ系多肉植物があります。園芸用として販売されているアロエの多くはそれほど大きく成長することはありませんが、稀に高木になるものもあります。なおアロエに属する植物だけでも500種類を超えますので、中には希少価値の高いアロエ系多肉植物も存在します。
ハマミズナ系多肉植物
ハマミズナ系多肉植物は、ぷっくりと膨らんだ肉厚の葉が特徴です。茎の形も種類によって違いがあり、枝のように伸びるタイプから石の塊のような見た目になるタイプまであります。花も咲きますが、花の数は茎の太さや大きさに関係なく1個もしくは数個のみです。
ベンケイソウ系多肉植物
ベンケイソウ系多肉植物も、立体感のある葉が特徴にあります。被子植物の一種に分類されており、種類によって見た目や大きさが違います。乾燥に強いだけでなく病気や気候の変化にも強いため、世界各地で栽培されています。
初心者でも育てやすい多肉植物の代表品種
種類が多く見た目や育て方・楽しみ方の幅が広い多肉植物なので、初心者だと何を選べばよいか悩んでしまうことも多いでしょう。そこでまずは、初心者でも育てやすい多肉植物の代表的な品種とその特徴を紹介していきます。
代表品種①「エケベリア」
ベンケイソウ系多肉植物のエケベリアは、花のように葉を広げるのが特徴です。種類が多いのもエケベリアの特徴なので、街の園芸店でもさまざまな種類のエケベリアが手に入ります。さらに価格も手ごろで栽培もしやすいため、初心者にもおすすめの品種です。
代表品種②「セダム」
ベンケイソウ系多肉植物のセダムは、種類が豊富なのが特徴です。また葉の形が特徴的なのも魅力で、同じセダムの葉でも粒のような形の葉もあればぷっくりとした肉厚の葉もあります。そのため葉の形によって見た目の印象が大きく変わります。なおセダムはどんなタイプの土でも栽培が可能なので、初心者からも人気があります。
代表品種③「サンセベリア」
空気の浄化作用が高いサンセベリアは、別名を「ベッドルームプラント」といい、インテリアとしても人気のある多肉植物です。サンセベリアは乾燥した土を好みますが、あまり寒さには強くなく、基本は室内で栽培します。なお育てやすい植物なので、初心者に人気があります。
サボテン科の代表品種
多肉植物の中でも特に種類が多いサボテンは、現在確認されているだけでも2000種類以上あり、伸び方によって形が変わります。そのためフォルムの特徴や、育てやすさ、サイズなどで選べるのがサボテン系多肉植物の特徴です。
サボテンの代表品種①ガステリア
肉厚な葉に白い斑点が無数に浮かぶガステリアは、サボテンのようなとげがないため、インテリア用として人気の高い多肉植物です。寒さに強いのですが直射日光が苦手なので、屋外での栽培にはあまり向いていません。なお臥牛や臥牛錦などは、ガステリアの中でも希少価値が高い品種です。
サボテンの代表品種②バキフィツム
パキフィツムの葉も、サボテンのような短いとげががありません。そのかわり葉の形がぽってりとしているのが、パイフィツムの特徴です。また葉の表面に白い粉がかかっているように見えるのも特徴で、春にはパステルカラーのかわいい花を咲かせます。比較的成長が遅いので、忙しい人でも育てやすく初心者でも育てやすい多肉植物です。
サボテンの代表品種③グラプトペタルム
グラプトペタルムは、サボテン系多肉植物の中でも育てやすさと独特な葉の形が人気です。葉が一輪の花のように広がる種類もありますし、セダムのように粒上の葉が密集している種類もあります。なお寒さに強いので、屋外でもマイナス3℃以上であれば冬越しします。
丸い葉がかわいいと人気の代表品種
多肉植物には、葉が丸い形をした種類も多いです。このように変わった形の葉を持つ多肉植物は、葉の内部に柔組織(水を蓄えるための組織)があるため、ぷっくりとした肉厚の葉が特徴です。また丸い葉を持つ多肉植物は小さくても存在感があり、見た目もかわいいため、インテリアとしても人気があります。
立体的な丸い葉が人気「ペペロミア」
コショウ科に属するぺペロミアは、太い茎と丸い葉が特徴の多肉植物です。扱いやすいサイズの植物なので、室内のインテリアとして栽培する人が多いです。なおぺペロミアは日陰を好むうえに気の浄化作用があるので、トイレまたは玄関などに置くと運気がアップするといわれています。
厚みのある丸い葉がかわいい「グリーンドラム」
丸い形のかわいい多肉植物の代表ともいえるグリーンドラムは、別名「みどりの太鼓」といいます。葉の大きさは平均3cm~5cmですが、肉厚な丸い葉が細い枝につくので「見た目がかわいい」と女性に人気があります。初心者でも育てやすいのですが、あまり寒さに強くなく5℃以下になると枯れてしまうため、屋外よりも屋内での栽培が向いています。
変わった名前の代表品種
種類の数だけ見た目や楽しみ方が違う多肉植物の中には、見た目以上に名前のインパクトが強いものもあります。ここでは人気の品種の中でも、特に名前が珍しいものを3種紹介します。
変わった名前①「十二の巻」
見た目がアロエに似ている十二の巻は、ススキノキ科の多肉植物です。名前だけでもインパクトがありますが、葉にはっきりとした白い斑点ができるのも特徴です。なお模様は種類によっても違うため、模様の美しい品種ほど希少価値が高くなります。
変わった名前②「女仙」
女仙は「メセン」と読みます。ハマミズナ系多肉植物の女仙は、名前だけでなく全体のフォルムも独特です。女仙の茎と葉は一体化しており、成長すると岩や石のような見た目になります。女仙は種類が多い品種でもあるので、世界には千数百種の女仙が存在するといわれています。
茎が垂れ下がるタイプの代表品種
多肉植物の中には、茎が垂れ下がるタイプの品種もあります。変わった形をした小さい葉が細い茎にぶら下がっているため、部屋のかわいいインテリアになると女性に人気があります。
垂れ下がる系①グリーンネックレス
垂れ下がる系多肉植物の代表品種・グリーンネックレスは、丸い形をした葉が細い茎にぶら下がっているため、名前にある通り緑のネックレスのように見えます。グリーンネックレスは風通しの良い場所を好むので、窓際にぶら下げて栽培することもできます。
垂れ下がる系②ドルフィンネックレス
ドルフィンネックレスも、茎が垂れ下がるタイプの多肉植物です。葉がドルフィンの形に似ていることが名前の由来の植物ですが、茎の伸び方や長さなどはグリーンネックレスと似ています。
垂れ下がる系③リプサリス
動きのある茎が魅力のリプサリスも、茎が垂れ下がるタイプの多肉植物です。リプサリスにはサボテンのようなとげがありませんが、分類としてはサボテン科に属します。細い茎が伸びる品種なのでボリュームが出やすいのですが、こまめに選定をすれば小さい状態をキープできるので、部屋のインテリアにも取り入れられます。
多肉植物をおしゃれに飾るコツ
初心者でもチャレンジしやすく、手入れもほとんど必要がない多肉植物は、おしゃれなインテリアとしてもおすすめです。種類によってアレンジの幅が広いこともインテリアに向いている理由に挙げられますが、難しいテクニックがなくても簡単におしゃれに見せるコツがあります。
おしゃれな鉢に植える
園芸店で手に入る多肉植物は、初心者や忙しい人でも育てやすい種類が多いです。しかも成長スピードが遅い品種だと、1年栽培してもほとんど大きさが変わらないため、植え替えの必要がほとんどありません。そのため鉢植え用の鉢選びにこだわるだけで、簡単におしゃれなインテリアになります。
カラーサンドでおしゃれにアレンジ
小さい多肉植物を飾るときには、寄せ植えではなくカラーサンドをつかうと、初心者でも簡単にできます。しかも多肉植物の多くはほとんど水やりが必要ないので、カラーサンドのほうが育てやすいです。なお色ちがいのカラーサンドに多肉植物を植えて並べるだけも、簡単におしゃれな雰囲気になります。
鉢の代わりにマグカップもおしゃれ
水やりがほとんど必要ない種類の多肉植物であれば、お気に入りのマグカップに植え付けるのもおしゃれに見せるコツです。シンプルなマグカップなら多肉植物の存在感が引き立ちますし、個性的なマグカップならおしゃれなインテリアにおすすめです。
まとめ
種類が多くさまざまな楽しみ方ができる多肉植物の栽培は、水やりなどの手間がかからないので、初心者でも失敗がほとんどありません。また空気の浄化作用や風水でよいといわれる品種もあるので、ナチュラルインテリアとして取り入れてみるのもおすすめです。