多肉植物の育て方を知ろう
多肉植物とは葉や茎や根の内部に水分を蓄えておける性質があり、その特性から葉が肉厚で肥大化しているのが特徴の植物です。乾燥に強く世界中の砂漠や海岸沿いなどに多く自生しています。また、観葉植物として愛好家などによる交配がされ、その数は1万種類以上に及びます。原産地や特徴から手入れ方法を知り、上手に育ててみましょう。
多肉植物の基本情報
多肉植物の科別種数と分布
多肉植物の原産国や分布地域の知識は、育てる際の管理環境や手入れ方法の手がかりとなります。
科名 | 分布 | 種類 |
サボテン科 | アメリカ大陸 | 1600 |
ツルボラン科(アロエ科) | アフリカ, マダガスカル, オーストラリア | 500 |
ハマミズナ科 | アフリカ南部、オーストラリア | 2000 |
ベンケイソウ科 | 世界中 | 1300 |
トウダイグサ科 | オーストラリア, アフリカ, マダガスカル, アジア, アメリカ大陸, ヨーロッパ | 1000 |
キョウチクトウ科 | アフリカ, 中近東, インド, オーストラリア | 500 |
多肉植物の科別の品種
産地が同じ科の品種を寄せ植えすれば、同じタイミングで水やりや剪定の手入れができ、管理が楽にできます。また、生育期がわかれば増やすこともできます。
科名 | 代表的な品種 |
サボテン科 | アストリフィツム、ウチワサボテン、エリオカウリス、月下美人 |
ツルボラン科(アロエ科) | ビスコーサ、キダチアロエ、コンプト、オブツーサ |
ハマミズナ科 | 日輪玉、オブコニカ、五十鈴玉、ミニマ |
ベンケイソウ科 | ヤマトヒメ、ギルバ、ツルギタ、サブセシリス、リトルビューティー |
トウダイグサ科 | パキポディオイデス、オベサ、閃光閣、白樺キリン |
キョウチクトウ科 | グラキリス、恵比寿大黒、アデニウム |
多肉植物の育て方①植え付け
多肉植物の苗選びのポイント
多肉植物は種類によって色があります。緑や赤、黄色など、葉や枝などの色がはっきりしているものを選びましょう。また、葉がしっかりして硬いもの、少し触ったくらいでは株がぐらつかず、中心部分が鮮やかな緑色をしているものは、水の吸い上げが良好でよく育っています。粉や毛のある種類は直接手で触れず、粉や毛が見ためにしっかり付いているものを選びましょう。
多肉植物にあう土選びのポイント
初心者の人には市販されている土があるので安心です。自分で土から作る場合には、「水はけのよさ」が重要なので、基本的には粒のこまかい土を選びます。普通の園芸用の土だと水分を保つように作られているので、湿気に弱い多肉には不向きなのです。園芸用の土3に対して、赤玉小粒:4、軽石:3を配合して、排水の良い土を作りましょう。
多肉植物の育て方②基本的な手入れ
多肉植物の生育タイプ別の育て方
<冬型>多肉植物の特徴と育て方
冬が生育期(9月~5月)です。低温を好み春秋は成長が緩慢になります。夏には休眠をします。
品種 | 原産地 |
アボニア・アルストニー | 南アフリカ、ナミビア |
ユーフォルビア | 南アフリカ 西ケープ州 |
リトープス | 南アフリカ 北ケープ州 |
コノフィツム | 南アフリカ 西ケープ州 |
栽培環境は生育適温が5~20℃です。暑さや直射日光には弱いので通年を通し、風通しのよい雨の当たらない明るい日陰や屋内で栽培します。盛夏は鉢の温度が上がらないように注意しましょう。水やりは生長期(9月~5月)はたっぷり与えます。肥料も生育期の月1・2回ほど与えてください。そして休眠期(6月~8月)の水やりは控えましょう。11月に入ったら、外の鉢は屋内の日当たりの良い場所で管理します。
<春秋型>多肉植物の特徴と育て方
春と秋が生育期(4月~6月、9月~10月)です。夏は成長が緩慢になり冬は休眠します。
品種 | 原産地 |
紫玉露 | 南アフリカ 東ケープ州 |
グラプトペタルム | メキシコ |
ヒメミドリ | 南アフリカ |
アロエ・アレニコラ | 南アフリカ西岸 |
生育適温は10~25℃です。日当たりがよくなるべく雨の当たらない、風通しの良い場所で栽培します。水やりは成長期の4月~6月、9月~10月にたっぷり与えます。肥料も生育時期に月2回ほど緩効性肥料を与えてください。真夏は直射日光があたらないよう明るい日陰に移動し、冬は屋内の日当たりの良い場所で管理します。
<夏型>多肉植物の特徴と育て方
春から秋が生育期(4月~10月)です。夏の耐暑性は強く冬に休眠します。
品種 | 原産地 |
アストロフィツム | アメリカ テキサス州、メキシコ |
アデニウム | アラビア半島 |
アロエ | アメリカ |
カランコエ | マダガスカル |
生育適温は20~30℃です。高温を好む一方で極端に過湿は嫌うので、雨が当たらない風通しの良い屋内などで栽培しましょう。夏の直射日光は避けないと葉焼けをおこすだけではなく、最悪な場合は葉が溶けてしまうこともあります。水やりは生長期(4月~10月)に水をたっぷり与え、休眠期(12月~2月)は断水します。肥料は生育時期に月2回ほど与えましょう。冬(11月下旬~)は、屋内の窓際などの日当たりの良い場所で管理します。
多肉植物の育て方③梅雨・秋雨時期の管理
多肉植物を屋外で栽培している時に、最も注意してほしい季節が「梅雨」「秋雨」の時期です。初心者でも育てやすい多肉植物ですが、この季節は害虫や病気といったトラブルが多くなるのです。梅雨、秋雨の注意ポイントをおさえて、対策できるようにまとめてご紹介いたします。
多肉植物にある雨季のトラブルについて
多肉植物は水やりをあまり必要としていない植物なので、あげすぎてしまうと根腐れの原因になってしまいます。また、乾燥した環境を好むので、湿気の多い雨季に関しては根元の湿気にも注意が必要です。湿気が原因でカビが発生したり、害虫の発生を招いてしまいます。
病気 | 害虫 |
根腐れ | アブラムシ |
糸状菌 | カイガラムシ |
黒斑病 | ワタムシ |
日焼け、葉焼け | ハダニ |
雨季のトラブル対策
保管場所
- 屋内に置く場合は直射日光のあたらない、風通しのよい場所を選んであげましょう。
- 屋外に出してある場合は、できれば屋内に移動しましょう。それが難しい場合は、雨や直射日光のあたらない軒下や木陰などに置いてください。
雨季の管理の注意点
注意①直射日光
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窓際は風通しがよさそうですが、直射日光で蒸れてしまうことがあります。窓際ではレースのカーテン越しで程よい日当たりにして管理しましょう。また、サーキュレーターなどを使って風を送ってあげるのも良い方法です。
注意②梅雨の晴れ間
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『梅雨の晴れ間』にも要注意です。日ざしによって湿った土が蒸れて根が傷んだり、葉に残った水滴がレンズのような役割となり葉焼けすることもあります。日よけシェードで日陰をつくるのも良い方法です。
出典:BOTANICA