ニュージーランド産のトロピカルフルーツというイメージが強い、キウイフルーツの原産国は意外にも生産量シェアトップの中国です。キウイフルーツはビタミンや葉酸・食物繊維などの栄養バランスが優れ、なめらかな食感とスプーンですくって食べられる手軽さからも人気があります。
園芸部類 | 果樹 |
形態 | 落葉性つる植物 |
樹高(つるの長さ) | 5〜8m |
花の色 | 白 |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 普通 |
耐陰性 | 弱い |
栽培難易度 | ★★☆☆☆ |
キウイフルーツの栽培は病気や害虫に強く日本の気候にもよくあい、家庭で管理できる果樹としてとても人気があります。果実の大きさは約5〜7cmの楕円形で重さは100g前後、木では甘くならないため収穫後に追熟させて食べるのが特徴です。
キウイフルーツは果肉の色によって、緑色系と黄赤色系に分かれます。キウイフルーツは雌雄異株(しゆういしゅ)といって、実をつけるメス木と花だけをつけるオス木に分かれた植物です。実をつけるためにはメスとオスを対で育てるのが基本ですが、同じ系統であれば1本のオス苗から、5〜6本のメス苗に受粉できます。
緑色系キウイフルーツは、収穫時期の遅い晩生種で寒さに強いのが特徴です。国産キウイフルーツとしてスーパーでも見かけられるのは、保存がきくヘイワードという品種です。家庭で育てるならメスは甘みと香りのよい香緑(こうりょく)がおすすめで、オスはトムリやロッキーがあります。「ニューエメラルド」は香緑の選抜品種で、1本でも実がなる珍しい両性種です。
黄色系キウイフルーツは、収穫時期の早い早生から中生が多く、皮が薄いのが特徴です。スーパーでもよく見かけられる黄色い果肉の、ゼスプリ・サンゴールドキウイが有名です。黄色系のメスは、甘みも酸味もあるゴールデンキング、りんご型の実がなるセンセーションアップル、実付きと食感のよいイエロークイーンがあります。オスは孫悟空やマックがおすすめです。
赤色系キウイフルーツは、収穫時期の特に早い温暖地向きの品種です。黄色〜黄緑色の果肉でタネの近くが赤く色付きます。赤色系のメスは、甘みの強いレインボーレッド、なめらかな食感の紅妃(こうひ)があります。赤色系のオスは早雄ですが、黄色系のオスでも受粉が可能です。
ボタニ子
赤実のキウイフルーツはスーパーでもなかなか売っていないから、育ててみる価値がありそうね!
スーパーフルーツとして注目されているベビーキウイは、キウイフルーツの近縁種のサルナシの一種です。大きさはプチトマトとほぼ同じ10〜30gぐらいで、水洗いして皮ごと食べられます。
キウイ 苗木 香緑 (緑実メス) 12cmポット苗 こうりょく キウイ 苗 キウイフルーツ gv
参考価格: 5,060円
緑色系の香緑(こうりょく)は、色合い・甘さ・香りのバランスのよい品種です。栽培地域は広く東北中南部(平地)から九州まで大丈夫です。
レア度 | ★★☆ |
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サイズ | 4号ポリポット(直径12cm) |
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キウイフルーツ(トムリ)(日本産オス木)《果樹苗》
参考価格: 3,190円
晩生種の緑色系キウイフルーツの受粉樹です。花粉の保存はクッキングシートに包んで、採取した日付と品種名を書きます。保存袋に入れて冷凍庫で1年間保管できます。
育てやすさ | ★★★ |
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サイズ | 5号ポリポット(直径15cm) |
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キウイ 苗木 【メス センセーションアップル】 1年生 接ぎ木 ポット苗 アップルキウイ キウイフルーツ キュウイ 苗 果樹 果樹苗
参考価格: 2,750円
甘みの強い黄色い果肉と、りんごのような独特の形が特徴です。センセーションアップルは関東〜九州の温暖な地域向きの品種で、果実が110〜150gとやや大きくなります。
レア度 | ★★★ |
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サイズ | 4号ポリポット(直径12cm) |
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キウイ 苗木 レインボーレッド (赤実メス) 15cmポット苗 キウイ 苗 キウイフルーツ
参考価格: 10,010円
果肉は黄緑色でタネの近くに赤みがある、とても珍しい品種です。レインボーレッドは温暖な関東〜九州向きで、グリーン系よりもやや小粒です。酸味がまろやかで甘みが強く、食感がなめらかで食べやすさも人気があります。
レア度 | ★★★ |
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サイズ | 5号ポリポット(直径15cm) |
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キウイ(オス木)孫悟空(受粉用オス) 接ぎ木 10.5cmポット苗
参考価格: 1,056円
早生品種の黄赤色系キウイフルーツの受粉樹です。キウイフルーツの雄花ひとつで、7〜8個の雌花に受粉できます。
育てやすさ | ★★☆ |
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サイズ | 3.5号ポリポット(直径10.5cm) |
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ボタ爺
雄雌を1本に接木した苗もあるが、剪定や管理が難しいので初心者向きではないんじゃ!
植え付け時期 | 3〜4月(寒冷地)、10〜11月(温暖地) |
誘引・芽かき | 4〜9月 |
開花時期 | 5〜6月(品種による) |
整枝(夏剪定) | 7〜9月 |
収穫時期 | 10〜11月頃 |
キウイフルーツの栽培適期は、春から秋です。キウイフルーツは4〜10月がつるを伸ばして花実を付ける成長期で、11〜3月が葉を落として成長を止める休眠期です。1年の作業は冬の寒肥か、早春の肥料やりからスタートします。植え付けてから2〜3年は主枝の誘引と剪定で枝数を増やして、花実をたくさん付ける充実した株に育てましょう。
キウイフルーツの栽培方法は庭植えの露地栽培か、鉢植えにしても育てられます。混植するとメス木が弱ってしまうので、オスとメスは別々の場所や鉢に植え付けましょう。キウイフルーツは実を付けるメス木の成長を、特に優先して育てるのが上手な管理のポイントですよ。
キウイフルーツを育てる場所は、成長期の春から秋に日当たりのよい場所が最適です。キウイ棚を作る場合は2〜3m四方のスペースが必要になります。ベランダなどで限られた空間で管理する場合は、タワー支柱やトレリスなどを活用してコンパクトに育てましょう。
省スペースでも大丈夫!ベランダ栽培のコツ
キウイフルーツを植え付ける用土は、市販の果樹の土が最適です。キウイフルーツはpHが6.0前後の、中性に近い弱酸性の土でよく育ちます。庭植えの場合は、1株あたり50〜100gの有機石灰と堆肥2kgを混ぜ込みましょう。
キウイフルーツの植え付け時期は、温暖地では10〜12月・寒冷地では3〜4月の春植えも問題ありません。キウイフルーツを棚に仕立てる場合は、オスとメスを対角線上に配置します。株間は2〜3m空けるとよいでしょう。植え付け後は主枝を支柱に誘引して、たっぷりと水やりして根付かせます。
キウイフルーツの元肥は果樹の肥料を少量与えます。肥料が多すぎるとつるぼけといって、枝ばかり伸びてしまい花芽ができにくくなります。有機質肥料を適量与えましょう。植え付けてから3〜4年で、実が収穫できるようになります。
キウイフルーツの管理のポイントは?
キウイフルーツの水やりは土の過湿に気をつけながら行います。キウイフルーツの根は広く浅く広がるため、周囲の環境の影響を受けやすく、雨の少ない季節には庭植えでも水やりが必要です。水切れしやすい鉢植えの場合は、定期的な水やりで根の乾燥を防ぎます。
キウイフルーツの若い枝は風で折れやすいため、つるの成長にあわせて棚や支柱に誘引を繰り返しましょう。新芽を傷めないように、節と節の間で誘引紐を結びます。
キウイフルーツの芽かき作業は、誘引と同じ4〜9月に行います。全ての新芽(新梢)を残してしまうと日当たりと風通しが悪くなり、実の成熟にも影響します。芽と芽の間隔が程よく保てるように、芽かきをするのがポイントですね。
キウイフルーツの実数をコントロールする摘果(てきか)は、変形や傷などのある実だけを取り除きます。実を付ける期間の長いキウイフルーツは、生理落下や台風の影響などもあるため、数が多すぎて実が大きくならない場合に摘果しましょう。
キウイフルーツの追肥は、年に3回が目安です。タイミングは新芽を作るための寒肥または早春の肥料、生理落下を防ぐ初夏の追肥、収穫後のお礼肥です。肥料が不足すると病気や害虫の被害を受けやすくなります。果樹用の有機質肥料を適量与えて、丈夫な株を育てましょう。
キウイフルーツの剪定は、成長期の夏剪定と落葉後の冬剪定です。キウイフルーツはその年に実を付けた枝の先から伸びた、新しい枝に花実を付ける性質があります。夏剪定では花実が付かなかった枝を整理して、オス木の樹勢を抑えるのが上手な管理のコツです。
ボタニ子
冬剪定したキウイフルーツのつるで、クリスマスリースのベースが作れるのよ!
おすすめといわれた品種をペアで植えたのに、花が揃って咲かないと受粉できませんね。そもそも植え付けたばかりの幼木は、花芽がつかないものです。2年目までは受粉させず、軸になる主枝をしっかりと育てます。3〜4年目以降はタイミングにかかわらず雄花が咲いたら花粉を採取して、冷凍保存すれば人工授粉がいつでも可能です。万が一のためにも採取した花粉は次のシーズンまで、1年間保存しておくとよいでしょう。
雄と雌がわかななくなると、剪定に困りますね。実を付けるメス木の成長が特に大切なので、メス木の主枝だけ誘引紐の色を変えるなど目印を付けて管理しましょう。花が咲く時期になれば見分けられます。花の中央から白い糸のような雌しべが出ているのが雌花で、黄色い花粉をたっぷり付けているのが雄花です。
葉がカリカリになってしまうのは、水切れと高温障害です。根を深く張らないキウイフルーツは環境の影響を受けやすいため、乾燥や高温期の管理に注意が必要です。庭植えでも成長期は早朝や夕方の水やりで、株元をクールダウンさせましょう。
キウイフルーツに心配な病気は、ほとんどありません。ただしウイルスや細菌性の病気には、市販の薬剤が効かないタイプもあるので、注意しましょう。果実は摘果後に袋掛けすれば、主な病気や害虫の被害から守れます。
コガネムシは幼虫が土の中で根っこを食害して、成虫は葉っぱを食害する厄介な害虫です。見つけたら捕殺するか、休眠期に土の消毒をします。
家庭で育てるキウイフルーツは、木で成熟させてから収穫するのがポイントです。収穫時期の目安は、落葉と霜です。寒冷地では霜が降りる前に、温暖地では落葉してから収穫します。
出典:Unsplash