ベビーキウイとは
ベビーキウイは「キウイベリー」や「サルナシ」など、さまざまな名称で親しまれている小さなキウイフルーツです。かわいらしい白色の花を咲かせるのが特徴で、花後に実った果実は食用にできる魅力もあります。そんなベビーキウイの特徴や栽培方法、収穫方法やおいしい食べ方などをご紹介します。
ベビーキウイの基本情報
科名 | マタタビ科 |
属名 | マタタビ属 |
原産地 | 中国 |
収穫時期 | 9月下旬〜11月上旬 |
耐暑性 | 強い |
耐寒性 | 強い |
ベビーキウイの特徴
ベビーキウイは2cm〜3cmほどの小さい果実を実らせます。皮がとても薄いのが特徴で、黄緑色や赤褐色に色付く品種などさまざまです。果実を切ると中身はキウイにそっくりで真ん中が白く、その周りに黒い粒があり、外側は鮮やかな黄緑色をしています。果実は甘みが強く、皮は少し渋みがあるので、果実を丸ごと食べるのがおいしい食べ方といわれています。
キウイとの違い
キウイとの違いは大きさだけではありません。ベビーキウイの果実の表面には毛がない品種が多く、収穫後に皮ごとそのまま食べられるのが特徴です。また、ベビーキウイはキウイに比べて香りが強く、果実酒やジャムにしても香りを損なわずに食べられる利点があります。
ベビーキウイの栄養素
ベビーキウイは栄養素がたっぷりと含まれているので「スーパーフルーツ」とも呼ばれています。疲労回復や美肌効果、貧血予防やアトピーの緩和など、さまざまな効果が期待できる、以下の栄養素がたっぷり詰まった果実です。
- タンパク質
- 鉄分
- マグネシウム
- カリウム
- ビタミンB6
- ビタミンC
- ビタミンE
- ポリフェノール
- ペクチン
- クロロフィル
- ルテイン
- βカロテン
ベビーキウイの花言葉
ベビーキウイには「誘惑」という花言葉が付いています。ベビーキウイは「サルナシ」とも呼ばれ「おいしすぎて、猿が全部食べてなくなってしまう果実」といわれています。そんな魅惑の果実を実らせるベビーキウイに「誘惑」という花言葉はぴったりですね。
ベビーキウイの育て方
ベビーキウイは耐寒性と耐暑性がともに強く、果物の中でも比較的育てやすい植物といわれています。実を収穫したい場合には「雌雄同株」という品種を選ぶのがポイントです。「雌雄異株」を選んでしまうと1本では結実しません。そのため雄株と雌株を一緒に栽培する必要があり、受粉をしないと実が付かないので注意してください。株選びをしたあとのベビーキウイの育て方をご紹介します。
育て方①置き場所
ベビーキウイは太陽の光をたっぷり浴びて育つほど、おいしい果実を収穫できます。耐暑性が強いので、日当たりのよい場所で地植えにしても枯れる心配はありません。鉢植えの場合も、建物の影にならないような明るい場所で育ててください。また、風通しのよい場所で育てると病気や害虫被害を予防できますが、あまり風が強く当たる場所だと実が落ちてしまう恐れがあります。
冬は霜に注意しましょう
耐寒性は強いですが、霜が当たると収穫量が減ってしまうので注意が必要です。地植えの場合は「寒冷紗(かんれいしゃ)」という園芸用の布で株全体を覆って冬越しさせてください。鉢植えの場合は霜が当たらない軒下に移動させるなど、置き場所をしっかりと管理しましょう。
育て方②用土
水はけと水もちのよさを両方兼ね備えた用土が適しています。市販の野菜用培養土を使用しても構いません。自分で配合する場合は、赤玉土に腐葉土を混ぜ込み、バーミキュライトを少量加えた用土を使用してください。また、鉢植えの場合は植木鉢の下にネットと鉢底石を敷くと、根腐れの予防ができるのでおすすめです。
育て方③植え付け
植え付けは11月上旬〜2月下旬に行います。ポット苗で購入した場合は、根を崩さないように優しく苗を取り出し、地面や植木鉢に植え付けてください。植え付け後はたっぷりと水やりをして育てます。収穫時期が9月下旬〜11月上旬のため、約1年かけて苗からゆっくりと育てるのが特徴です。
育て方④水やり
地植えの場合は水やりをする必要がなく、雨水のみで十分です。しかし、あまりにも乾燥していたり、夏場の日照りが強すぎたりする日には様子をみながら水やりをしてください。鉢植えの場合は土の表面が乾いてからたっぷりと水やりをします。鉢の底から水が落ちるぐらい与えるのがポイントです。
育て方⑤肥料
肥料は2月と10月、年に2回与えます。2月の肥料は「寒肥」といい、有機肥料を株元に適量与えてください。10月の肥料は「お礼肥」といい、化成液体肥料を与えるのがおすすめです。また、苗を植え付けるときの用土に元肥を混ぜ込んでおいても構いません。
育て方⑥切り戻し剪定
切り戻し剪定は12月上旬〜2月下旬の落葉した時期に行います。伸びすぎた枝や、混み合っている部分を切り落として樹形を整えてください。切り戻し剪定は、新芽を付きやすくしたり、風通しをよくして病気や害虫被害を減らしたりする重要な作業です。
花芽を切らないように注意しましょう
ベビーキウイは前年に伸びた枝の先に、若くて新しい枝をつける性質があります。この枝を「新梢(しんしょう)」といいます。新梢をよく見ると花芽が付いているものがあり、この花芽から開花し果実ができるのが特徴です。そのため、花芽の付いている新梢は剪定してしまわないように注意しましょう。
ベビーキウイの管理のコツ
- 日当たりのよい場所で育てる
- 冬場は霜の当たらない場所で管理する
- 水はけと水もちのよさを兼ね備えた用土を使用する
- 表面が乾いてからたっぷりと水やりをする
- 寒肥とお礼肥を与える
- 切り戻し剪定を行う(花芽は切らないように注意する)
ボタニ子
次のページでは、収穫と食べ方についてご紹介します。
ベビーキウイの収穫
ベビーキウイは5月〜6月に真っ白でかわいらしい花を咲かせます。その後、花が落ちると結実しベビーキウイの果実が実るのが特徴です。そんなベビーキウイの収穫時期や「追熟」についてご紹介します。
収穫時期
ベビーキウイの収穫時期は9月下旬〜11月上旬です。採れたてをすぐに食べる場合は、実を指で押したときに少し弾力があるような実を選んでください。その硬さがちょうど食べ頃で、生食にぴったりです。実を潰してしまわないように、付け根からていねいに切り取りましょう。
追熟について
ベビーキウイは早めに収穫して室内で保存しても追熟が可能です。秋の初め頃、まだ硬いベビーキウイを収穫し、冷蔵庫や涼しい場所に保管しておくと長く貯蔵ができます。また、柔らかくなったベビーキウイは傷みやすいので、早めに食べてしまうのがおすすめです。
ベビーキウイの食べ方
ベビーキウイは生でそのまま食べてもおいしいですが、自分で栽培したベビーキウイに一手間加えて、ジャムや果実酒を作ってみませんか?作り方も簡単で、長く保存できる魅力もあります。そんなベビーキウイの食べ方をご紹介します。
ジャム
ベビーキウイを皮ごとよく洗いきれいにします。適量をミキサーにかけて細かくしたら、鍋に移します。ベビーキウイの約半分ほどの砂糖を加えて、弱火でコトコト煮込みとろみがついたらジャムの完成です。パンやヨーグルトにかけて食べると、甘くて優しい味が楽しめます。
果実酒
ベビーキウイのヒゲと茎の部分を切り取ります。果実酒用の密閉容器を準備し、きれいにしたベビーキウイ500gと氷砂糖100g、焼酎600ccを入れてください。約3ヵ月ほど漬け込むとベビーキウイの果実酒の完成です。果実酒にすると、食べ頃をすぎた時期にもベビーキウイを味わえますよ。
まとめ
ベビーキウイの育て方や管理のコツ、収穫方法などをご紹介しました。育て方も簡単で、収穫したベビーキウイは、生食はもちろんジャムや果実酒などさまざまな食べ方ができます。栄養も満点で「スーパーフルーツ」とも呼ばれているベビーキウイを、ぜひ育てて味わってみてくださいね。
出典:写真AC