ハナミズキは、白色やピンク色のかわいらしい花を咲かせる落葉性の花木です。樹形がとても美しく、庭のシンボルツリーや公園木、街路樹などさまざまな用途で育てられています。
園芸部類 | 花木、庭木 |
形態 | 高木 |
樹高・草丈 | 3m〜10m |
花の色 | 白、ピンク、赤 |
耐寒性 | 普通 |
耐暑性 | 普通 |
特性・用途 | シンボルツリー、街路樹、公園木 |
栽培難易度 | ★★☆☆☆ |
ハナミズキの開花時期は4月下旬〜5月中旬頃で、桜の開花が終わるころに花芽をつけ始めるのが特徴です。葉は楕円形で鮮やかな緑色をしており、秋にかけて紅葉すると冬には葉を落とす落葉性の性質があります。
ハナミズキは「ミズキ科」に属している植物の中でも「花」がとくに目立つので「ハナミズキ」と名付けられました。また「ヤマボウシ」に咲き姿がよく似ており、アメリカが原産のため「アメリカヤマボウシ」という別名もついています。
赤花ハナミズキは「紅花花水木(ベニバナハナミズキ)」とも呼ばれている品種です。名前のとおり赤色や紅色の花を咲かせるのが特徴で、花弁の中心と先の部分だけが白色をしています。
白花ハナミズキは、美しい純白の花を咲かせる品種です。白花ハナミズキの中でも「クラウドナイン」という品種は大輪の花弁が魅力で、庭木としても人気があります。
植え付け時期 | 11月〜3月 |
種まきの時期 | 3月 |
追肥の時期 | 9月〜2月 |
剪定の時期 | 11月〜3月 |
花が咲く時期/開花時期 | 4月〜5月 |
ハナミズキは地植えでも鉢植えでも育てられます。地植えにする場合は、樹高が10mほどまで大きく成長するため、余裕のあるスペースを確保してから植え付けてください。鉢植えの場合は、適度に剪定を行い、大きくなりすぎないように管理するのがポイントです。
ハナミズキは日当たりと水はけのよい場所で育てましょう。日当たりの悪い場所で育てると、花付きが悪くなってしまいます。また、多湿を嫌うためジメジメとした環境で育てると、病気や害虫被害を受けやすくなるので注意してください。
ハナミズキは、排水性の高い用土を使用して育てます。市販されている「草花用培養土」や「花木用培養土」を使用しても構いません。自分で配合する場合は、赤玉土と腐葉土を混ぜ込んだ用土を使用してください。地植えにする場所の水はけが悪いようならば、砂利や川砂をよく混ぜ込み、排水性を高くしてから植え付けましょう。
ハナミズキを地植えで育てている場合は、降雨のみで十分なため水やりの必要はありません。しかし、雨が全く降らずに地面が乾燥しすぎているようならば、様子を見ながら水を与えてください。鉢植えの場合は、土の表面が乾いてから、鉢底から水が流れ出る程度にたっぷりと水やりをしましょう。
地植えで育てている場合は、肥料を与えなくても問題なく育ちます。しかし成長が滞っているようならば、9月〜2月の成長期にかけて2ヵ月に1回の割合で、緩効性の置き肥を施すとよいでしょう。また、鉢植えの場合は花後に「お礼肥」として化成肥料を与えます。植え付けの用土に元肥として、緩効性の化成肥料を混ぜ込んでおいても構いません。
アブラムシは集団で寄生する性質があり、年間を通して発生しやすい害虫です。ハナミズキの成長に必要な栄養分を吸汁してしまうため、見つけたらすぐに殺虫剤を散布して駆除してください。光る物が苦手なため、園芸用のシルバーテープを張り巡らせておくと予防ができます。
うどんこ病は、梅雨時期など湿度の高い時期に発生しやすいカビが原因の病気です。感染した部分が、うどん粉のように白い粉を吹いた状態になり、光合成が妨げられてしまいます。うどんこ病に感染した部分は薬剤を散布しても治せないので、他の部分への感染を防ぐためにも早めに切り取って処分してください。
ハナミズキは花後に花がら摘みを行いながら育てます。花がらを放置するとカビが発生し、病害虫の被害に繋がってしまうので注意しましょう。
ハナミズキをポット苗の状態で購入する場合は、根が太く、葉がたくさんついている苗を選びましょう。根が太いものは株元まで細い根が飛び出しているため、株元をしっかりとチェックしてみてください。
地植えの場合、植え替えの必要はありませんが、鉢植えの場合は根詰まりを防ぐために1年〜2年に1回は植え替えを行いましょう。
ハナミズキは6月〜7月にかけて花芽をつけるため、剪定は11月〜3月にかけて行うのがポイントです。冬場は落葉しているため、伸びすぎている枝を剪定して樹形を整えるのに適しています。春は葉が込み入っている部分を剪定し、風通しをよくするのがおすすめです。
ハナミズキを挿し木で増やすには6月が適期です。今年伸びた若くて健康な枝を選び、先端から10cm〜15cmほどの長さで切り取ります。下についている余分な葉を取り除き、赤玉土などの挿し木用の用土に挿してたっぷりと水を与えてください。発根するまでは水切れに注意し、風通しのよい日陰で管理しましょう。