ハナミズキの概要
ハナミズキの基本データ
学名 | Cornus florida/Benthamidia florida |
科名 | ミズキ科 |
属名 | ミズキ属ヤマボウシ亜属(サンシュユ属) |
別名 | アメリカヤマボウシ |
原産地 | 北アメリカ東部~メキシコ北東部 |
開花時期 | 4月中旬~5月中旬 |
花色 | 白、赤、ピンク |
アメリカ合衆国の代表花
ハナミズキ(花水木)はミズキ科の落葉高木です。原産国であるアメリカ合衆国では、国を代表する花の1つとして長く親しまれてきました。ノースカロライナ州やバージニア州では、ハナミズキを州の花に指定しているほどです。日本でも人気が高く、庭木やシンボルツリー、公園樹など幅広く利用されています。
桜の返礼花
ハナミズキが日本に渡来したのは、1915(大正4)年のことです。1912(明治45)年に、当時の東京市長尾崎行雄が、アメリカのワシントンD.C.へ桜の苗木を贈った返礼として、60本のハナミズキの苗木が贈られてきました。そのうちの40本が白花、20本がピンク花の苗木だったという記録が残されています。
名前の由来
ハナミズキという名前は、ミズキ科の植物のなかでは花が目立つことに由来しています。別名の「アメリカヤマボウシ」は、ヤマボウシという植物に似ていることが由来です。なお、ヤマボウシはハナミズキと同じミズキ科の植物で、ハナミズキの近縁種にあたります。
ハナミズキの特徴
特徴①季節を通して楽しめる
ハナミズキの最大の特徴は、季節を通して楽しめることです。春から初夏にかけては白や赤、またはピンクのきれいな花が咲く姿を楽しめます。そして秋には実をつけ、晩秋にさしかかると見事な紅葉が見られます。このように季節ごとに変化していくので、見る人を飽きさせません。庭木として人気が高いのも頷けます。
特徴②じつは花ではない
初夏の季節に咲く美しい花は、じつは花ではありません。花びらに見える部分は、葉が変形した「総苞(そうほう)」と呼ばれるものです。中心部に密集している部分が、ハナミズキの本当の花にあたります。
特徴③実は食べられない
ハナミズキは秋の季節、時期でいえば10月頃に赤い実をつけます。見た目は美味しそうなので、食べられるかどうか気になるところですが、結論からいえば食べられません。非常に苦味が強く、毒があるとも言われています。ハナミズキの赤い実は観賞用と割り切りましょう。
近縁種のヤマボウシの実は食べられる
一方、ハナミズキの近縁種であるヤマボウシの実は食用可能です。山地に自生することが多いヤマボウシの実は、猿や熊によく食べられるといわれています。小さな種が多くジャリジャリした食感が特徴で、生食または果実酒やジャムに加工すると、美味しく食べられます。
ヤマボウシの実は甘いから、生でも美味しく食べられるよ。特に完熟した実は「マンゴーに似てる」といわれるくらい甘いんだ。
特徴④広い場所向きの庭木
ハナミズキは落葉高木種で、4m~10mと大きく成長します。しかも横に広がって育つため、植栽する場所は広いスペースを取るほうがよいでしょう。剪定で小さくまとめることも可能ですが、ハナミズキは自然な樹形が美しい樹木です。可能な限り広い場所で、のびのびと育てましょう。
大きく育つこと、そして自然な樹形のほうが見栄えがよいことも、ハナミズキが「シンボルツリー向きの庭木」といわれる理由の1つです。
ヤマボウシの実です