木瓜(ボケ)は、白色やピンク色の花を咲かせる、中国が原産の落葉性低木です。2月〜5月にかけて、丸みを帯びた優しい雰囲気の花を咲かせるのが魅力で、生垣や盆栽などに利用されています。
園芸部類 | 花木、庭木 |
形態 | 落葉性低木 |
樹高・草丈 | 1m〜3m |
花の色 | 白、ピンク、赤、オレンジ |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 強い |
特性・用途 | 開花時期が長い、初心者向け、生垣、盆栽 |
栽培難易度 | ★☆☆☆☆ |
ボケは雪解けとともに芽吹き始め、梅によく似た小さなかわいらしい花を咲かせるのが特徴です。ボケは江戸時代から栽培されており、春の訪れを知らせてくれる植物として、古くから親しまれています。花後に丸い実をつけ、黄色く熟してくる9月〜10月が食べごろです。
ボケの実は食用にできる?
ボケは花後に果実をつけるのが特徴です。9月〜10月にかけて、皮が黄色く熟してから収穫しましょう。ボケの実は、果実酒やジャム、はちみつ漬けなどさまざまな食べ方ができます。
植え付け時期 | 9月〜11月 |
植え替え時期 | 9月〜11月 |
種まきの時期 | 10月 |
剪定の時期 | 5月〜6月、12月 |
花が咲く時期/開花時期 | 2月〜5月 |
ボケは地植えでも鉢植えでも育てられます。地植えで育てると3mほどの高さまで成長するため、しっかりとスペースを確保してから植え付けていきましょう。鉢植えの場合は、基本的には1つの鉢に1株ずつ栽培します。苔玉に植え付け、小さく剪定しながら盆栽として育てるのもおすすめです。
ボケは、日当たりと風通しのよい場所で管理してください。日当たりの悪い場所で育てると、枝だけが伸びて花付きが悪くなったり、葉色が黄色く変色したりします。そのため、室内で育てる場合でも、窓辺などの優しく日光が差し込む場所で管理するのがポイントです。落葉性のため、開花時期だけ室内に取り込んで花を鑑賞するのもよいでしょう。
ボケは、水もちと水はけのよさを兼ね備えた用土で育てます。市販されている「草花用培養土」や「花木用培養土」を使用しても構いません。自分で配合する場合は、赤玉土と腐葉土を混ぜ込み、少量のピートモスを加えた用土を使用してください。地植えにする場所が粘土質の場合は、川砂や腐葉土をよくすき込んで、水はけをよくしておきましょう。
ボケを地植えで育てている場合は、完全に根付いてしまえば降雨のみで十分です。植え付けたばかりの苗は、水が足りないと枯れる恐れがあるので、土の表面が乾ききる前に水やりをしてください。鉢植えの場合は、土の表面が乾燥する前に、鉢底から水が流れ出る程度にたっぷりと水やりをします。水切れを起こすと、葉や蕾が落ちやすくなるので注意しましょう。
ボケは、肥料切れを起こさないように管理するのが重要です。2月には発酵油かすなどの「寒肥」を与え、5月〜6月にかけては「お礼肥」として緩効性の化成肥料を与えます。9月〜10月にも緩効性の化成肥料を施しておくと、翌年の株が充実するのでおすすめです。
アブラムシは、年間を通して発生しやすい害虫です。集団で寄生し、ボケの成長に必要な栄養分を吸汁します。数が少ない場合はガムテープに貼り付けて引き剥がし、大量に発生した場合は殺虫剤を散布して駆除しましょう。
カイガラムシは、名前のとおり貝殻のような硬い甲羅をもつ害虫です。甲羅に守られているため殺虫剤が効きにくく、歯ブラシなどで払い落として駆除します。
赤星病は細菌が原因で発生する病気で、感染した部分が赤褐色の斑点状に変色するのが特徴です。感染した部分は薬剤を散布しても治せないため、他の部分への感染を防ぐためにも早めに切り取って処分しましょう。
ボケの種まきは、暑さが和らいでくる10月が適期です。種が流れてしまうのを防ぐためにあらかじめ用土を濡らしておき、指で用土に穴をあけてから、種まきしていきましょう。土を薄くかぶせて、発根するまでは水切れを起こさないように管理してください。
ポット苗の状態でボケを購入する場合は、葉につやがあり、枝ぶりがこんもりとしている苗を選びましょう。落葉期の場合は、新芽のたくさんついている苗を購入してください。
ボケは冬が近付くと落葉期に入ります。葉がない状態で冬越しするため、とくに冬越しの対策は必要ありません。しかし、北風が吹きつけるような場所や、雪がたくさん降る地域の場合は株が弱ってしまう恐れがあるため、ビニールやバークチップを使用して、マルチングをしてから冬越しさせると安心です。
上手な冬越しの方法は?
寒冷地の場合は、マルチングをしてから冬越しさせましょう。
ボケは挿し木や種まきで増やしていきましょう。花後に実をつけるので、種を採取する場合は立ち枯れるまでそのまま育ててください。実が黒くなり、完全に立ち枯れたら花茎から切り取り、軽く振って種を取り出します。挿し木は、剪定で切り落とした枝を使用しても構いません。若くて健康な枝を赤玉土に挿し、発根するまでは風通しのよい日陰で管理してください。
出典:写真AC